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THREE OF THE KINGDOM 第1話  作者: めると
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スリーオブザキングダム

剣術、魔術、戦術。


かつて、この3つの術を完璧に使いこなすことが出来た者がいた。


皆はその者を『魔王』と呼ぶ。


本名など誰も知らない『魔王』の失踪によりこの物語は回りはじめる───。



『魔王』が姿を消した今、『魔王』の家臣である3人の誰かが国を治める必要があった。


国の名は『PURIFICATION-KINGDOM』


『浄化された王国』


元々、この国は戦争など無い平和な国であった。

が、ある日、突如現れた魔物の存在によって、その平和は崩れ始めた。


戦争も紛争も無かったこの国は、緊急時の武装などあるはずも無く、国王はあっさりと殺害される。


国の体制はぐらつき、秩序がなくなったこの国で、唯一、魔物に対抗すべく兵力を付けた者がいた。


それこそが『魔王』なのである。


東奔西走、民を守るために剣を振り、魔法を操り、知恵を使い、国に平和をもたらした『魔王』は、国の民皆の支持を得て国王になる。(この戦っている姿が『魔王』の由来である。)


『魔王』は、自分に3人の家臣をつけると言い、賞金付きで全国から志願者を募った。


それぞれ、剣術、魔術、戦術の3つの部門に分かれ、それぞれの試験に合格した3人が選ばれた。


FENCER…『ティナル・ガリラ』

男、南の地方出身

WITCH…『ジウ・フォネル』

女、西の地方出身

SCHOLER…『トニコ・アネラ』

女、北の地方出身


『魔王』はこの日を「家臣就任記念日」とし、全国の祝日とした。


かくして、家臣となった3人は『魔王』の指示に従順に従い、各地方の警備を強め、次の災厄に備えることに専念した。


何もかもが上手くいっていた。

その矢先、突如『魔王』が失踪してしまったのだ。

1枚の紙切れを残して…


「家臣3人の中から、次期国王を決めよ。」


───というのがつい1ヶ月ほど前のこと。


さて、


それぞれ、剣術、魔術、戦術の術に特化した3人であったが、この3人、それぞれが貧しい地方の出身であるため、自分の地域の潤沢を願っているわけで、


当然、次期国王など決まるわけもなく対立。


(そもそもこの国は、潤っているのは王国だけで、地方の方では税を納めるのがやっとなのである。)


そして、3つに割れた新たな王国が出来た。


剣を操る剣術の王国、魔法を操る魔術の王国、知力を操る戦術の王国。


人々はこの3つの王国をそれぞれ、


『FENSER-KINGDOM』『WITCH-KINGDOM』『SCHOLAR-KINGDOM』と呼んだ。


『FENSER-KINGDOM』の国王『ティナル・ガリラ』は気性が荒く、怒りに任せ部下を切り捨てることもある。

しかし熱血漢で、豪快な所もあり、部下に対する対応もしっかりしていて、部下からの信頼も厚い。


国の位置は南にあり、軍隊による武装が著しく目立つ国である。


『WITCH-KINGDOM』の国王『ジウ・フォネル』はティナルとは真反対の無口な性格で、何を考えているのかわからないこともある。

しかし、莫大なエネルギーを魔術へと変換し、扱うことができ、彼女に敵う魔法使いは現状いないであろう。


国の位置は西にあり、軍などはなく、戦闘行為も好まない。


そして、『SCHOLER-KINGDOM』の国王『トニコ・アネラ』は

自分の思ったことがすぐ口に出てくる性格であるため、

ティナルとはかなり仲が悪く、ジウを嫌っている。。

戦術を操り、他の国にはない武器や機械を製造し、工業に関してかなり発展している。


国の位置は北にあり、現状1番栄えている国とも言えよう。



──────────────────────────────

ソル暦3998年11月21日午後4時8分


WITCH-KINGDOM王室


「失礼致します。」

「…どうしたの?」

「ジウ国王様にお手紙でございます。」

「…ん」

短い金色の髪、金色の瞳、華奢な身体の国王『ジウ・フォネル』は手紙を受け取った。


魔術を主なエネルギー源とするこの国は、ジウを先頭とし、様々なものを魔術で補っている魔法大国である。


「では、私はこれで。」

「…ありがと」

手紙に差出人は書いてなく、裏には赤いシーリングワックスが付いていた。

手紙を開けてみると、そこには

「いい加減に次期国王を決めたいのだが、貴様らはどうなんだ?そんなにやりたくないのならば私が喜んで就任するが?

やりたいと言うのならば、1週間後の21時に我が国に来い。

トニコ・アネラ」


やっぱり、思った通りだった。

トニコは家臣の時から、自分から周りを仕切り、リーダーシップが取れる人間だった。


しかしこの手紙、明らかにおかしい。

そもそも自分の国に他国を招き入れるとは…

さらに貴様らと書いてあるということはティナルの元にも同じ手紙が行っているということだろう。


ティナル・ガリラ


あの男とトニコが会ったら、きっとまた争いが起こる

最初は躊躇していた。


しかし、ここの民も皆貧しい思いをしている。

やはり行くしかないのか…。

「…仕方ない。爺や。」

「はいここに。」

「馬車の用意をして。」

「…かしこまりました。」


同刻


FENCER-KINGDOM王室


「失礼致します!ティナル国王!手紙が届きました!」

「そこに置いておけ」

「はっ!失礼致しました!」


俺の元に手紙なんて、珍しいな。


赤い髪に、筋肉隆々の身体、鎧を身にまとっている『ティナル・ガリラ』が手紙を開いた。


この国には魔術など特別なものは何も無いが、非常に戦闘能力に優れており、各々がひたすら筋トレしているような筋肉大国なのである。


「…ほう。トニコか。偉そうに。」


この男、この世で1番と言っていいほどトニコを嫌っており、家臣の頃は毎日のように喧嘩をしていた。

……もはや喧嘩というよりも殺し合いに近かったが。

さらに、世界で1番『魔王』に憧れている男なのである。


こんな好機を逃そうとするはずもなく、部下に招集命令を出した。

「準備しろ!1週間後のかけてSCHOLER-KINGDOMに向かうぞ!」

轟轟しぃ雄叫びとともに、彼らは北の国へと向かった。



同刻


SCHOLER-KINGDOM王室


「失礼致します。トニコ国王、手紙が無事、両国に届けられたようです。」

「そう、ご苦労さま。」


銀の長い髪、青い瞳、白衣を纏った長身の身体の『トニコ・アネラ』は横目でそう返した。


知識を使い、工業を発展させたこの国では、電気を主なエネルギー源としており、他の国から見て最も栄えている国である。


「はい。失礼致しました。」

「ちょっと待ってちょうだい。」

「なんでしょう?」

「あなたは今回の会談が、ただの会談になると思う?」

「……と言いますと?」

トニコは満面の笑みでこう返した。

「国内にある限りの武器と戦闘機械を準備してちょうだい。」



──────────────────────────────

読んでくださった読者の皆様。

この度は、『THREE OF THE KINGDOM』を読んでいただきありがとうございます。

今回の作品を読んで、「次回話もまた読みたいなぁ…」とか思っていただければ、とても嬉しいです。

次回の更新は今日から1週間後だと思います。

初心者なのでご了承ください…笑


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