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新しい1日を
15の冬。
私の恋は終わった。
こんな気持ちも最初で最後。
16の春。
出会ってしまった。
ずっとずっと後悔してた
会いたかったひとに。
少し狭い肩も
茶色がかった柔らかい髪も
照れ笑いも
それを手で隠す癖も
みんな、
似ているけど少し違う。
もしも許されるのなら
あの恋はやり直せますか?
ーRestartー
ー君と出会ってもう1年もたつんだ。
聞き慣れた電子音が、頭の上で鳴り響いた。
ー遠くの町から引っ越してきた君は
年にしては少し背は低くて。
毛布から目覚まし時計に手を伸ばす。
「んーっもう朝かぁー」
ー目線も私と変わらなかったっけ。
優しい笑顔は今も変わらないね。
ベッドから体を起こすと、
窓の外はすっきりとした青空だった。
どこからとんできたんだろう。
窓枠に薄桃色の花弁が乗っていた。
ー初めて会った時から
ずっと
手早く身支度をすませ
真新しい制服に身を包んだ。
ー裕太くん、君の笑顔が大好き。
私は、窓枠にたてた写真たてに
にこっとした。
「いってくるね、裕太くん。」