表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第二章 駆け出し旅人は……
94/212

第四十二話 宿屋

あの後、食べ歩きを二時間ぐらい決行した。

肉の串焼きとかいろいろあってお腹は十分満たせたと思う。

まぁ、シュナは全種類を二本ずつとかやってたからな……

シュナもお腹一杯になったから大丈夫だろう。



「そろそろ切り上げない?お腹もいっぱいになってきたし。」

「そうじゃな、そういえばどこで泊るのじゃ?」

「野宿でもいいけど、お金も猶予があるしどこかの宿を使うか。」



高級な宿とかでゆっくり休むこともできそうだし……

お金万々歳だな。



「シュナ、どっか泊りたいところある?お金はいっぱいあるから高いところでも泊れるけど。」

「そうじゃな……歩きながら探したいのじゃ。」

「そうだな……」



再び町の中を歩き始める。

この町は、いろいろなところへ行くための中継町として有名だからか宿はいっぱいある。

あちらこちらにいろいろなものが見つかる。



「あの、キレイな宿はどうだ?少し高そうだけど、キレイだし。」

「あの宿じゃろうか。う~ん……」



シュナがホテルを品定めするように眺めている。

なにか、気に要らない事でもあるのだろうか。



「なんか……この店は嫌なのじゃ。嫌な感じがするというのじゃろうか。」

「そうか……」

「どっちかといえばあの宿の方が良さそうなのじゃ。」



シュナが指差した方を見てみる。



「……だめだ。あそこだけは絶対にだめだ。」



きらきらとした魔法で作られた照明に、ハートなどの危なげな装飾。

絶対、ダメなタイプの宿だろう。



「そうなのじゃか……」



町の中を歩く物のなかなかシュナが納得する店が見つからない。



「じゃぁあそこに泊まりたいのじゃ。」

「あれ……?まぁいいけど。」



シュナが指差したのは、木造の冒険者とかが好んで使う安いタイプの宿。

うん……だめとは言わないけど、もっといいところがあるんじゃないだろうか。



「じゃぁ行くのじゃ!」

「まぁいいか。」



木の扉を押す。

軋む音が響き、扉がゆっくりと開く。

そこは、酒場の様になっていて多くの冒険者らしき人が飲んでいる。

なかなか、繁盛している店のようだ。



「いらっしゃいませぇ。何名様ですか?」



酒場の方から少し可愛らしいエプロンをつけた女の人がやってくる。

なんか同年代みたいな人と会話するのは気恥ずかしい。



「えっと……二名です。」

「俺らのアイドルに何欲望の目を向けてんだよ……」

「手を出したら……殺す……」



冒険者の方から呪いのような声が少しだけ聞こえてくる。

うん、手を出すわけないけど可愛いのは間違いない。

というより、服装備が心なしかメイド服に見える。



「まだじろじろ見てやがる……」

「女の子連れてるのに……浮気か……」



さっきより強い恨みの声が聞こえてくる。

慌てて視線を外すも、シュナの冷たい目線が突き刺さる。

心が痛い……



「えっと、お部屋はどうしましょうか。」

「二つの部屋を……」

「一つの部屋に二つベットをお願いするのじゃ。」

「はっぁ!?お金の心配はしなくていいから。」

「それでも一つの部屋じゃ……」



シュナが顔を赤くして言う。

可愛い……可愛い……けど、それを今やると……



「リア充死ねばいいのに……」

「いちゃいちゃしやがって……」

「ひ、ひとつの部屋に男女が泊る……!?」



冒険者の呪いが一気に強まって襲いかかってくる。

どこの場所でも男女のカップルとかには独身からの攻撃が飛んでくるようだ。

で、なぜ宿の人が頬を赤らめてこっちをちらちら見ているのだろう。

言っている意味が分からない。

男女が一つの部屋に泊ることがなんか変なのだろうか。



「りょ、了解しまびた!」



なんかものすごい慌てていて噛んでしまった事にも気が付いていないようだ。

冒険者からの呪いの声も強力な視線に代わり、こちらへ集中している。

たぶん、俺らのアイドルに何をやっとんだぁとか思っているのだろうか。

何度も思うけど、こっちから手を出すはずがないのに……

可愛くないとかは言わないけど。

というより頬を赤らめると少し可愛さが増したと思う。



「あ、案内するのでこちらにどうぞ。」



宿の人に連れられて、階段を上り二階、三階を超えて四階へむかう。

何個か並んでいる扉の一番奥の扉まで案内される。



「こちらになります。どうぞお楽しみを……」

「え?お楽しみって……?」



こちらが言い終わる前に宿の人はそそくさと退散していった。

何を考えているのだろうか。



「とりあえず、入ろうか。」

「そうじゃな。」



扉を開けて中に入る。

そこには、相当大きなベットが配置されていた。


次回から物語が第二章の終盤へ向っていきます。

ところで重大発表。

第三章の流れも考えているのですが、それより先に過去の話の見直しをしなくてはならないと思っています。

でも、更新もしなくちゃ……

というわけで、オーバーラップ文庫の第一次選考に残る事が出来たら、そのまま一話から見直しながら第三章を毎日更新。

落ちてしまったら、一旦、一話まで削除した後、高速で更新していきます。

たぶん、10日ぐらいですべて書きなおせるかな……

第二章終了はちょうど50話の予定!

第二章最後までお付き合い頂けると幸いです。

みなさん、ブックマーク、評価、感想など宜しくお願いします。

下の文字クリックも宜しくです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ