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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第二章 駆け出し旅人は……
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第三十二話 行儀

「それにしても遅いな……何かあったのかな……」



一人で食べているとなんだかむなしくなってくる。

シュナは何をしているんだろうか。



「遅くなったのじゃ!」

「おう、大丈夫……だ……?」



シュナの方を向くと、皿にあふれんばかりに山盛りになった料理。

シュナの身長の半分ぐらいの高さに積み上がっている。



「食べきれる分だけ持ってきてって言ったでしょ!」

「じゃから、食べきれる分だけ持ってきたのじゃ。」



周りからの視線が痛い。

シュナなら……食べきれるかもしれないけどそれでも……多すぎる……



「はぁ……普通は少しずつ取って、無くなったら取るを繰り返すもんだよ……」

「え?これ以上たべれるぞい。」

「どんなけ食べるんだよ!」



シュナの胃には底があるのだろうか。



「いただきますなのじゃ!」



シュナが皿の上に持ってある大量の料理を口の中にほおりこんでいく。

音もそこまで立てず、行儀よく丁寧にだ。

しかも……相当速い……



とりあえず、自分も行儀よく意識して食べる。

気を使っているからか、皿の上の料理の減る速度が遅く感じる。

まぁ、量は少なくても美味しいからいいか。



「シュナ、ちょっとお代わり行ってくる。」

「了解じゃ。」



皿の上にあったものがきれいになくなったので次の皿を取りに行く。

ふと、シュナの皿を見ると残り四分の一ぐらいまで減っている。

どれだけ速いんだ……



とりあえず、クリームシチューをもう一杯よそう。

そのまま、他のおかずなどもよそっていく。

一回目よりは少し多めに盛って、席に戻る。



「それじゃあわらわも取りに行くかのう。」

「……食べ終わるの速いな」



残っていた四分の一もすっからかんになっている。

取りに行く後ろ姿を目にしながら席に着き、再び食べ始める。

やはり、このクリームシチューは絶品だ。



「この分を食べ終わったらデザートに行こうかな……」



おかずを口にしながら、考える。

クリームシチューは絶品だったが、他のおかずは少々味気ないところがある。

美味しいけど……何かが足りないという感じだ。

おばあちゃんの料理がうますぎたから……慣れてしまったのだろうか。

これって確か下が肥えたとか言うんだっけ。



「おぉシュ……ナ?」



シュナが手に山盛りの皿を持って帰ってくる。

まだ……食べるのか……



「食べれる分だけ持ってきたのじゃ!」

「さっきと比べて三分の二ぐらいになってるけど多いのには変わらないからな!」



席に着くと同時に行儀よく、素早く山を崩していく。

やはり、すごい速度だ。



とりあえず、自分の皿の分を平らげる。

うん、クリームシチューがもう一杯欲しい。

後は……デザートかな……



席を立ち、もう一杯クリームシチューを持ってくる。

席に戻り、喉に流し込んでいく。

これは癖になりそうだ。

いつか……機会があったらレシピを聞いてみよう。



「最後にデザート行くか。」

「わらわも行くのじゃ!」



シュナと共に席を立ち、デザートのコーナーへ行く。

えっと……この白くてきれいなケーキのようなものを一つ……名前がミリキーカーク……見たことのないものだ。

たぶんカークは僕たちがいた町でいうケーキと同じ意味だろう。

勇者の村と言われている町だから、勇者が使っていた言葉が残っているところが多い。

ケーキなどもその一つだろう。

まぁ、町には白いクリームが乗ったふわふわのケーキしかなかったけど。

あ、この赤いソースをかけても食べられるのか……

白いケーキをもう一つとって、片方だけに赤いソースをかける。

あとは……この見たことのない粒粒入りのゼリーを一つでいいかな……



「シュナ、先に言ってるぞ。」

「了解じゃ!」



シュナの皿の上に大量のケーキの様な物が見えたのは気のせいだろうか。

いや、絶対に気のせいだろう。

そう、信じたい。



とりあえず席に着き、ミリキーカークにフォークを入れる。

大した手ごたえがなくとちゅうまで切れたが、一番したの部分が硬かったため力を入れて砕くように割る。

そのまま、ゆっくりと口に運び味わうように口の中で転がす。



「―――!」



口の中にクリームシチューに似ているものの、それの何倍も濃い味わいが広がる。

甘さはクリームシチューとは比べ物にならないほど強く、癖になる。

気が付いたら口の中でとろけて無くなっている。

口の中に残った下の硬い部分を軽く噛み砕いて飲み込む。

下の部分に微かに残っていた甘みが口の中に微妙に広がるのがまたいい。



「う、うまい……」



パクパクと口の中に運び、あっというまに無くなる。

次は……この赤いソースをかけた物を食べてみようかな……



赤いソースが掛かった方をフォークで小さく取り、口に放り込む。

諸事情により、チーズケーキの回をここに移し替えました。

そのため、前のチーズケーキ(クリームシチューの後)は消してあります。

理由は……後々。

次回、まだ食べ物編!

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