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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第二章 駆け出し旅人は……
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第二十七話 流水

ランキング記念でもう一話。

「……し!お主!」



体が揺られる感覚に意識が少しずつ明るくなっていく。

こ、ここは……



「くっ!」

「お主!大丈夫じゃったか!」



体を急に動かしたからか頭が一気にくらくらする。

な、何が起きていたんだろう……



「シュ、シュナ……?」



シュナを見た瞬間、記憶が戻りだす。

あの後……赤い光が飛んできて……



「シュナ!大丈夫か!」

「いや、お主の方が大変じゃったぞ。」



シュナにものすごく冷静に言われる。

胸を赤い光に貫かれたような気がしたが、全く効いてなかったのを思い出す。

あの光は僕しか効かないのだろうか……



「とりあえず無事のようでよかったのじゃ……」

「とてつもなく辛かったけどな……」

「それにしても、お主に何の変化がないのが不思議じゃのう。」

「あの赤い光は何だったのだろう……」



体を今一度確認する。

特に変わった様子はないが、心なしか服の輝きが増しているような気がする。



「シュナ。この服を今一度鑑定することはできるか?」

「わかったのじゃ。その服を貸してほしいのじゃ。」



シュナに後ろを向いてもらって、服を脱ぐ。

そのまま、シュナに渡して鑑定をしてもらう。



「……名前は相変わらず謎の黒衣となっておるのじゃが、特殊効果が少しだけ分かるようになっておるのう……」

「特殊効果か……」



あの現象からして何かしらの特殊効果がある事は予想していた。

けどやっぱりこういうものにワクワクしてしまうのは、男だからだろう。



「えっとこれは……『呪怒血進化《ブラッディ・エヴォリューション 》』と……『呼応アクション』……なんなのじゃろうか……」

「全く持って意味不明だね。詳しい効果とかは分かる?」

「そこまでは出なかったのじゃ……」



考える所だと、『呪怒血進化《ブラッディ・エヴォリューション 》』はあの血を吸収する事となにか関係があるのだろうか。

呼応アクション』の意味は全く持って理解できない。



「で、どうするのじゃ?」

「で?って何が?」

「どうやってここから出るのじゃ?」



はっと気が付き、慌てて回りを見渡す。

まさか……



「出口も何にも出ていないのじゃ。」

「ウソだろ……」



新しい扉も何もない。

これは完全にあきらめて元の道を戻った方がいいのかもしれない……



「そうだ!魔法陣が変わってるかもしれないぞ!」

「その可能性があったのじゃ!」



慌ててシュナが魔法陣を確認しに行く。



「確かに変わっておるのじゃ!」

「なにが何なのか分からないな……どうなっているんだ……」



今度こそ慎重に近づいて、魔法陣を調べる。

やはり知らない魔法陣の構成。



「シュナ……もう一度起動できるか……?」

「もちろんじゃが……二度と危ない事はしないと約束するのじゃぞ。」

「分かった。じゃあ頼む。」



シュナがまた魔法陣に振れて魔力を流し込む。

いつものように魔法陣が光り輝いて……



(ガコッ)



「ん?」



謎の音が部屋の中に響く。

下の方からかな……



「シュナ!何が起きてるのか分かるか?」

「全くわからないのじゃ……嫌な予感はするのじゃが……」



警戒態勢を取り、いつでも対処できるようにする。

だが、その直後に上からゴボゴボという音が聞こえてくる。



「なんなんだ……この音は……」

「水……じゃろうか……」



どんどん嫌な予感が増えていく。

まさか……



「シュナ!こっちに!」

「分かったのじゃ!」



シュナがこっちに駆け寄ってくる。

とりあえず、手を握っておく。

この様子だと……まさか……



(カパ)



「ブファァ!が、がぼぉ、しゅ、シュナぁ!」

「ぼぶじ!」



上から大量の水が落ちてくる。

息が急に出来なくなり、喉に水が入ってくる。

お、溺れる!



「うわぁぁぁぁ!」

「ひきゃぁぁぁぁ!」



突然足元の地面が無くなり、水に流され始める。

は、速すぎる……!



「ジュ!ビュナ!」



シュナの手を握って離れ離れにならないようにする。

流れが速くて視界がまったく見えない。



右に揺られたり左に揺られたり、そのまま一回転したりする。

よ、よいそう……



地獄が長い間続く。

腕がもう耐えきれる自信がない。



「ぐ、ぐぱぁ……」



体が急に上昇する感覚。

視界が少しずつ明るくなっていくのを感じる。



そしてついに……



「て、天国かな……」



そして、ついに体から水の感覚が一気に無くなる。

それと同時に浮遊感が体にかかる。



「あ、あの世か……」



体が……地面に叩きつけられた。


次回、あの世。

ランキングが維持できているとは何事……

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