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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第二章 駆け出し旅人は……
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第十八話 猫耳

「とりあえず、進むしかないようじゃのう……」

「いったいいつ終わりが来るんだろう……でも、その前にここでご飯だけ食べないか?」

「そうじゃな……そろそろ戦闘続きでお腹が空いてきたのじゃし。」



とりあえず戦闘で手に入った肉などを魔法袋から取り出して、同じく魔法袋から取り出した鉄板の上に乗せる。

硬い部分を切り下ろして、シュナに鉄板を魔法で熱してもらう。



「後は、これを振りかけて……」



魔法袋から自分の調味料セットを取り出してちょうどよい分量を振りかける。

幼い頃に、おばあちゃんから貰った物でずっと使い続けてきたものだ。

一つ一つの量は少なめに入っているため無駄にはできないが数多くの種類が入っているため、薄味が好きな僕にとっては宝物だ。

出発する前に補充したため、行商の時の料理で使ったもの以外は満タンになっている。



「よし!出来た!」



塩と胡椒をベースにした簡単な焼き肉。



「いただきます。」

「いただきますなのじゃ。」



肉だけだが、少し多めに作った為、シュナも満足できる量だろう。

焼いたばかりの肉に食らいつく。

うん、やはりこのシンプルでありながら奥の深い味付けが一番の好みだ。



「お主もおばあちゃんと同じように料理がうまいのう。」

「まぁおばあちゃんの料理ばっか見てたし、いろいろ教えてもらった事もあったからな。」



後は……軽くレモンスパイスというものをかけてみようか。

僕の持っている調味料は勇者が作り出したものがほとんどで、塩も胡椒もレモンスパイスも勇者産だ。

レモンスパイスは程よい酸味を持っていて、使用機会は限られるがなかなか便利なものだ。



とりあえず、レモンスパイスを肉の端っこに少なめにかけて食べてみる。



「この酸味も塩と胡椒と相まって美味しいな。」

「わらわもやってみたいのじゃ!」



シュナにレモンスパイスを手渡すと同じように肉の端にかけた。

そしてそのままかぶりつく。



「これもいけるのう。」



シュナが肉の半分ぐらいにパラパラとスパイスをかけだす。

そのままシュナの胃の中に吸い込まれていった。



「ごちそうさまなのじゃ。」

「お粗末さまでした。」



出した調理器具を全て片付ける。



「よし、行くか!」

「そうじゃな!」



シュナが元気いっぱいの様だ。

そのまま警戒しながら階段を下る。

とりあえずシュナは狐耳、僕は猫耳をつけた状態だ。



「したに魔物がいるじゃろうな。」

「この耳の力はどれぐらいか楽しみだな。」



階段を下った空間には、敵が三体。

ボーンモンスターにポイズンスライム、キメラの三体だ。

動きがさっきの階より素早い気がする。



「行くぞ!キメラを頼む!」

「了解じゃ!」



空を飛ぶキメラには相性が悪い

ここはシュナに任せるのが得策だろう。



地面に降り立った瞬間、魔物がこっちに気が付き向かってくる。



「うりゃ!」



最初に接近してきたポイズンスライムに向かって突進を繰り出そうとする。

その瞬間、ポイズンスライムの動きが相当遅くなった気がする。

というようより世界の速度が歪んで一気に遅くなったいう感じだろうか。



そのまま足を踏み込み一気にポイズンスライムに接近して二つの核を切り落そうとする。

よけようとしているも、遅すぎて対応できていない。

そのまま核を二つ切り、そのまま最後の核に向かって刀を振るう。



スライムが崩れる間も無く、核は消えスライムは崩れ去った。

その場に緑色のスライムグミが発生するも、無視してボーンモンスターへ駆け寄る。



ボーンモンスターも同じようにゆっくり動いているように見える。

そのまま刀の構え方を変える。

突きの体制だ。



右腕、左腕、首、肩。

連続で突きを放ち、吹き飛ばす。

そのままボーンモンスターはばらばらになった。



「シュナ!大丈夫か!」

「いや、全然大丈夫じゃ。」



シュナの方を向くと、バラバラになったキメラが足元に落ちていた。



「なんか、翼を吹き飛ばそうと思ったのじゃが威力が増幅され過ぎて全部吹き飛ばされてしまったのじゃ。」



想像したらちょっと気持ち悪くなった。

吹き飛ばされて死ぬって残酷すぎる……



「お主も相当速かったぞい。後ろに残像が出来ておったぞ。」

「まじで!そんなに速かったの!」



恐るべし性能の耳だ。

これは恥ずかしいけど将来も使えるかもしれない。



「それにしても手ごたえが一気に無くなったのう。」

「それは魔物も強くなってるけど僕らが異常に強くなったからだろ。」



もはやただの作業となってしまいそうだ。

油断して死ぬのは嫌だが。



「とりあえず探索するしかなさそうじゃのう。」

「そうだな。じゃぁどっちの通路に行く?」

「じゃぁ……左に行きたいのじゃ!」

「りょ~かい!」



少しだけ気楽になった足取りで再び通路を歩み始めた。

次回、また少し飛びます。

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