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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第二章 駆け出し旅人は……
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第十三話 省略

魔法袋から円盤を取り出す。

まだ起動させずに、階段にひっかける。



「これに乗って下まで一気に下ればなんとかなるだろう。」

「それを早く出してほしかったのじゃ……」



シュナが疲れ果てた表情で言う。



「でも、これ階段を下った後に止まれるかが心配なんだよな……」

「確かにタイミングを失敗したら大変じゃのう……」

「でもこれに乗って下らないと時間がかかりすぎるからな……」



慎重に柵を乗り越えてイスに腰掛ける。

シュナもそれにならってゆっくりと乗る。



「準備はいいか?」

「楽しそうじゃけど、なんか怖いのう……」



なんかゾクゾク感というかワクワク感というか恐怖感というかいろいろな物が混じっている気がする。



「じゃぁ行くぞ!」

「了解じゃ!」



シュナが魔法道具を起動させ、円盤が宙に浮く。

そのまま階段の傾斜に沿って一気に下り始める。



「うわぁぁぁぁ!?速いぃぃぃ!?」

「いやっっほぉぉぉぉー!なのじゃぁぁぁぁぁぁ!」



顔にものすごい風が当たる。

想像より速すぎて、体が吹き飛ばされそうだ。



「なんか体が浮いている気がするぅぅぅ!?」



慌てて柵を掴むものの、手以外は完全に地面から離れてしまっている。

うでが意外とキツイ。



「速いくて気持ちいのう。」

「僕はそれどころじゃないよォォォォ!」



シュナは完全にイスに腰掛けた状態だ。

よく見ると、自分に縛り魔法をかけて固定しているようだ。



「それ僕にもやってよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「しょうがないのう……」



イスに魔法陣が生成されているのが見える。

そこから水の縄が出てきて僕に絡みつく。

そのまま手を柵から放すと、縄が引っ張ってイスに固定される。



「おぉ。落ちる危険が無くなると一気に楽しくなるな。」

「楽しいのう!」

「けど問題はこれがいつまで続くのかという事なんだよね……」



強い風もだいぶ慣れてきて、心地よくなってきている。

少しだけずっと続いている浮遊感は慣れないけど……



「じゃがこの階段はどこまで続くのじゃろうな。」

「そろそろ終わりが見えて欲しいな……」



もういい加減飽きてきた。



「もう疲れたのじゃ……加速するぞい。」

「ちょっと待て!これ以上速くしたらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



言い終わる前にシュナが円盤の魔法陣を起動させる。

しかも真ん中から一番離れている魔法陣、一番加速する魔法陣だ。



「もうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁ!」

「わっふぅぅぅぅぅぅぅぅ!なのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



シュナは完全にこの状況を楽しんでいるようだ。



「シュナぁぁぁ!魔法をもっと強くしてくれぇぇぇぇ!」



シュナが完全に楽しむ事に気が取られていて僕の魔法が少しずつ弱くなっていた。

そのせいでイスに完全に固定されず、ずっと背筋が凍りつくような浮遊感が常に体にかかっているというわけだ。



「忘れていたのじゃったぁぁ!」



体が一気にイスに引き寄せられて固定され、浮遊感が消える。

でも速度はいまだ加速し続けていて精神的にきつい。



その後、何分か経ったが今だに変化がない。



「もうずっと座っていてお尻が痛くなってきた……」

「わらわもだいぶ疲れてきたのう……」



この速度に再び慣れたが、体のあちこちが痛くなってきた。

だが、もう足腰が限界になったと思った頃。



「シュナ!止めろォォォ!」

「分かったのじゃ!」



シュナが柵に手を伸ばして停止装置を発動させる。

だが、下りで着いた速度を完全には殺し切れていない。



シュナにいきなり止めさせたのは、前方に階段が無くなっているのがぎりぎり確認できたからだ。



「くっそ!止まりきらないか!」

「どうするのじゃ!?」



会話を交わしている間にも地面が近づいてきているのが見える。

このまままっすぐ進んでいくとぶつかってしまう壁までもう見えている。



「シュナ!飛び降りろ!」

「了解じゃ!」



シュナが円盤からジャンプで飛び降りる。

靴の魔法道具を使って一回転しながらだ。



とりあえず最後の抵抗に、刀を地面に一瞬で突き刺すも手が耐えきれずすぐに手放してしまう。



「くっそ……止まらないなら……」



覚悟を決めて地面に向かって飛びこむ。

背中から着地するように飛んだものの、やはり背中がものすごい擦れて痛い。



円盤はそのまま突進して、壁に突き刺さった。

ようやく……終着点の様だ。

ちなみに二章は学園要素がほぼ0です。

いつか学園は復活……かも

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