第十話 疑問
気まぐれで二話目を投稿します。
「急ぐぞ!あそこで応戦するぞ!」
「了解じゃ!」
見えた空間まで急いで走り込む。
ワームはまだ来ていないようだ。
「着いた!この広さなら……」
高さも広さも十分な空間。
ここでなら……戦える。
「シュナ!魔法の準備だ!」
「もうやってるのじゃ!」
シュナの方を見ると、火魔法をすでに準備してある。
速いとは言え、あの魔物の速さに追いつけるとは思えない。
残念ながら、戦闘中にはそこまで期待できないであろう。
魔境眼で冷静に位置を把握する。
場所は……真下!
「うりゃ!」
真下から突進してきたワームを、足をずらしてぎりぎりのところで避ける。
そのまま刀を抜いて、刃を叩きつける!
(ブシャ!)
緑色の血が軽く飛び散る。
き、汚ねぇ……
刀は半分ぐらいまで切り込む事が出来たが、動きは鈍っていない。
そこまで効いていないのだろうか。
「だめじゃ!その魔物は自分で回復しておる!」
「マジかよ!」
小さな攻撃を何度繰り返しても無駄という事だろうか……
どこかに一撃を思いっきり加えなければいけないという事だろうか。
考えられる弱点は……
「頭か……」
いくら、出てくる場所が分かるとはいえよほど近くでない限りあの速さに対応しきれる自信がない。
「シュナ!魔法を発動させろ!」
「分かったのじゃ!」
シュナが生成していたのは『火玉』。
現象が発生して圧縮して小さくなる。
だが……
「シュナ!避けろ!」
シュナが言葉に反応して横に向かって思いっきり飛ぶ。
その直後、魔法の発生しているところにワームが突っ込んできた。
「危ないかったのじゃ……」
火魔法をワームがぶち破る。
大したダメージも食らっていないようだ……
ワームの行動を細かく確認しながら対抗策を考える。
これまでのワームの行動を振りかえりながら出来る限りの事を考える。
だが、その最中にひとつ疑問が浮かび上がる。
これが合っているのなら……倒せる。
「シュナ!水魔法だ!」
「よくわからないけど了解じゃ!」
青色の魔法陣がシュナの近くに生成される。
「危ない!避けろ!」
シュナが一気に足を踏み出す。
こんどは、魔法陣ではなくシュナのいた場所に突進を繰り出してくる。
よし!当たりだ!
ふと生じた疑問。。
それは、ワームはどのようにして僕らを認識しているのかということだ。
普通の視界では土の中から正確に僕らを攻撃する事は出来なかっただろう。
考えられた事は二つ。
一つは、魔力を感知しているという可能性。
体内の魔力や魔法の中に入っている魔力を感知してそこに突進したという理論だ。
もう一つは、熱を感知しているという可能性。
体内の熱や火魔法によって生成された熱を感知してそこに突進したという理論。
これらを思いついたのはあの光球に突進した時の行動だ。
普通なら逸らされた状態でもそのまま突進したはずなのに、光球に向かって多少ながら逸れたのを感じた。
光球から考えられるのは熱か魔力。
この二つしか思いつかなかった。
そこで、一つ試してみたのだ。
水魔法を使い、それに反応するかどうかだ。
反応したら、魔力に反応しているという事。
反応しなかったら、熱に反応しているというわけだ。
結果は反応なし。
熱に反応しているというわけだ。
魔力だったら対策が思いつかなかったが、熱なら一つだけ方法がある。
「シュナ!これを反対側からかぶれ!」
そういって投げ渡したのは、熱を一方向からしか通さないテントの布。
急いで刀で切断した物だ。
クルレスさんには申し訳ないが、しょうがないだろう。
「出来たのじゃ!」
シュナがかぶり終わり、シュナに突進しようとしていたワームがこっちに向かって襲ってくる。
とりあえず避けて自分もかぶる。
「シュナ!火魔法を僕の近くに出せ!」
「了解じゃ!」
僕の目の前に赤い魔法陣が生成され始める。
ものすごい速さで構築されて、現象が発生する。
そこに狙ったようにワームが突進してくる。
そこに刀を向けて……
「うりゃぁ!」
頭から真っ二つに切り裂いていく。
緑色の血が飛んでくるも、顔だけは布で防ぐ。
そして全て真っ二つになり、ワームは絶命した。
「つ、疲れた……」
足腰の力が一気に抜けて尻もちをつく。
寿命が……だいぶ減った気がする。
ランキングがもっともっと上がりますように(欲張り)
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