第九話 洞窟
間違えて消したので再投稿です。
「だってお主がそのまま飛び降りるとは思わなかったのじゃ。」
「言ってくれればなんとか……ならないか……」
「これはわらわにしか使えないのじゃったし。」
まだお尻が痛い……
「で、ここは何なのじゃ?」
「たぶん……洞窟みたいなものだろう……」
見渡す限り、一方向しか道がない。
どこかに地上へ出る道があるのだろうか。
「それにしても暗いのう……『火玉』」
火の玉が道の方に飛んで行って照らし出す。
特に変な物は無いようだ。
「う~ん。進むしかないようだね……」
「そうじゃな。まぁゆっくりと進むか。」
警戒しながらゆっくりと進む。
狭い空間だからか、足音がとても響く。
「なんかお化けが出そうな道じゃのう……」
「ちょ、冗談でもやめてよ……」
僕はお化けとかの怖い話は苦手なんだから……
「こんな狭い場所だと……ここで死んだ人々の呪いがあるのじゃろうか……」
「ちょっとまって!本当にシャレにならないから!」
一気に心臓が速く動く。
もう……怖い……
(フゥゥ……)
「ヒィ!」
首筋にいきなり冷たい感触。
ゾワゾワとする感触だ。
「な!何だ!」
一気に後ろを振り向きお化けを確認する。
だが……
「シュナ……町でデザートなしな。」
「それは勘弁じゃ!」
後ろにいたのはニヤニヤ顔のシュナ。
くっそ……やられた。
「怖いの苦手なんだから勘弁してよ!」
「だって反応が面白かったからじゃ。」
満面の笑みが少しイラッとする。
「はぁ、行くぞ。早く出ないと飢え死にして本当の呪いになるぞ……」
「それは……いやじゃのう。」
お腹がすいて動けない状態で少しずつ衰弱していく……
死因としては最悪だろう。
何分歩んだだろうか、まだ何もない。
「何なんじゃろうな……」
「本当に不思議だ……」
歩めば歩むほど謎が増えていく。
だが、その時だった。
(ボコッ)
「今シュナ、何かした?」
「いや、なにもしてないのじゃ。」
確かに音がした気がする。
なにかが陥没したような音だ。
「なんか謎の気配があるのじゃ。」
「場所は?」
「分からないのじゃ……」
とりあえず限界まで警戒する。
刀をいつでも抜けるようにして、光球で照らしながらゆっくりと進んでいく。
「なにも……ないのかな……」
「なんだったのじゃろうか……」
少しだけ警戒を解いて、再び進む。
だが、その直後。
「ギュゥゥゥ!」
「後ろじゃ!」
「ってうわ!」
急いで刀を抜いて振り向く。
その瞬間、謎の黒い大きな影が襲ってくる。
「くっ!」
なんとか刀の腹で突進を逸らす。
そのまま黒い影は地面に突っ込む。
(ボコッ!)
だが、衝突せずに地面にめり込んでいって消えていく。
それに、衝突した瞬間に光球がつぶされて壊れる。
「チッ!暗くて見えねぇ!」
「なんなのじゃこれは!」
急いで状況把握に努める。
まずは、敵の位置を把握しないと……
「『起動』!」
視界に光がともり、いろいろな物がうつる。
「シュナ!火魔法を!」
「了解じゃ!」
シュナが急いで魔法陣を生成し、視界に別の光が現れる。
魔境眼の視界と同期して、壁の位置を把握する。
「なんだ……これは……」
視界にうつっている赤い光。
太さはだいたい50cm、長さは10mぐらい。
壁や地面の中をうねうねと進む長い縄。
「この形……図鑑で見たことがある……」
地上にはめったに出ない、凶暴な生物。
地下の洞窟や、ダンジョンなどで出ると言われている最悪の魔物。
地中に潜って攻撃してきて、反射神経と、相当の魔法陣生成速度がよほどないと倒せないと言われるめったに発生しないA級のモンスター。
「まさか……あの魔物じゃろうか……」
「あぁそうだ。最悪の事態だ……」
「「ワーム!」」
このモンスターをこんな狭い空間で相手にするのはほぼ自殺行為。
とりあえず広い空間に移動するしかない。
「走るぞ!」
「了解じゃ!」
シュナの魔法を頼りに走り出す。
捕まったら……死ぬ可能性が……高い……
「全力で走れ!」
「分かっておるのじゃ!」
シュナが魔法道具を作動させて加速する。
シュナに追いつくように全力で走る。
「なんだあれは!」
今度は道の先に薄い光が発生している。
魔境眼の反応だろう。
「新たな魔物か!タイミングの悪い!」
挟み打ちは非常に危険な状態。
「いや!魔物の反応ではないぞい!」
そう言って火の玉をシュナが投げ込む。
火の玉が回りを明るく照らしながら飛んでいき、光の正体が露わになった。
「空き地だ!」
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