第六話 石碑
「ひきゃぁぁぁ!?見ないで欲しいのじゃ!」
シュナの悲鳴がとどろき、衣擦れの音が小さく響く。
「見てない見てない!大丈夫だ見ていない!」
大丈夫だ、見えなかった。
スカートの下の物はなにも見えなかった。
白の軽い刺繍が入っている下着なんて見えなかった。
「本当か?」
「見てないから!」
とりあえず後ろを再び向く。
赤く染まった顔が目に入る。
だが、それよりも大変な所に気が付く。
「シュ、シュナ?」
「嘘を……ついたのじゃろうか……」
シュナの目が赤く染まっていたのだ。
たしか、嘘を見抜く目。
「見たのじゃな……」
「すいませんでした!」
即座に正座をして頭を地面にこすりつける。
速攻の土下座だ。
「チラッと見えただけです!本当です!」
とりあえず謝っておく。
怒らせて魔法を連発されたらもう人生が終わってしまうだろう。
「ご、ご飯大盛り!」
「へ?」
つい口から変な声が漏れてしまう。
「次のご飯大盛り!それでチャラじゃ!」
「わ、分かった!」
人生はまだまだ続くようで安堵する。
だが、食費が……
「とりあえず、早く向かいたいのじゃ。」
「分かった。」
とりあえず切り替えて再び円盤に乗る。
シュナは平静を装っているようだがまだ顔が赤く染まっている。
「今度は真ん中の魔法陣を使えよ。」
「分かっておるのじゃ!」
シュナが魔法陣に足を置いて作動させる。
すると馬車の二倍ぐらいの速さで進んでいく。
風を切る感覚がとても心地よい。
「シュナ。スカートは抑えておけよ。」
「分かっておるのじゃ!」
真っ赤な顔で叫ぶシュナ。
なんか可愛い。
そのまま円盤に乗って道を進んでいく。
曲がり角では他の魔法陣を同じように作動させて方向を変換させていく。
そのあと、ノンストップで進んで日が落ちてきたころに少々真ん中に石碑のある開けた所に出た。
「今日はここまでにしておくか?」
「そうじゃな。夜じゃと視界が暗くて魔物が見えないじゃろうし、危険じゃ。」
シュナが円盤の柵を掴んで急停止させる。
体が軽く飛びそうになるが、前よりは速度が遅いため飛ばされる事はなかった。
「そういえばクルレスさんからもらった袋はなんじゃったのじゃ?」
「そういえばそうだったな。」
魔法袋の中から袋を出す。
なんかどこかのおもちゃみたいだ。
袋は荒い素材でできていて、ざらざらとしている。
中から出てきたのは僕らが使ったテントとある程度の食糧。
保存食なので味は良くないだろうが贅沢は言えない。
「シュナ。今日はこれで我慢してくれ。」
「え~。もうちょっと食べたいのじゃが……」
「町に着いたらたらふく食わせてやるから今日は耐えてくれ。」
「デザートも食べるからの!」
財布が心配だ。
とりあえず食料を食べつくし、テントを張り始める。
「でもこのテントはすごいのう……」
「なんでだ?」
「熱を外に出し、外からは入らないようになっておるのじゃ。」
「単純だけどすごいな。」
「なかなかの高級品じゃしのう。」
「そういえば魔物はどうすればいいんだろう?」
「なんかあの中心の石碑から謎の気配を出ているのを感じるのじゃ。たぶんそれのおかげで魔物が寄ってこないようになってるようじゃ。」
空き地の真ん中にそびえ立つ石碑。
なんとなく近づいて石碑を眺める。
「えっと?”怒りを込めしものよ、新たな扉を解き放つために中心にそびえ立つ物を砕き散らせ”?」
「お主この字が読めるのか?」
この文字は確か古代遺跡の産物によく刻まれていたものだと思いだす。
昔、興味を持っていろいろ調べたことがあるのだ。
クルレスさんも技能などを使って挑戦したらしいがだめだったらしい。
「なんだろうなこれ。いたずらかな……」
「変じゃのう。魔力が籠ってるように感じるのじゃ。」
「まぁいっか。そろそろ寝ない?」
「そうじゃな。だいぶ疲れたじゃろうし。」
二人でテントに戻る。
そして、そのまま泥の様に眠りの世界に落ちて行った。
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まだ深夜の時間帯、悪夢を見て跳ね起きる。
「くっそぉぉぉ……眠れない……」
シュナを起こさないように小さく呟く。
「あぁぁぁぁいらいらする……」
とりあえず外に出て刀の素振りをしてストレスを発散する。
くそっ!くそっ!よりによって休んどきたい時に!
「うりゃぁぁ!」
決めの一発として全力で刀を振りきる。
「あっ!」
フルスイングで振った刀が手から抜けて行ってまっすぐ飛んでいく。
そのまま飛んで行って石碑まで到達して……石碑が砕け散る。
「や、やば……」
何か大切な物だったら大変だ。
だが……
(グラ……グラグラグラ!)
「な、何だ!?」
急に……地面が揺れ始めた。
パンチラ回でした。
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