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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第一章 最弱異端児は・・・
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第三十二話 激怒

「触らないでほしいのじゃ。」

 

 

 シュナがバシンと音を立てて手をはじく。

 さすがに手を触れられるのは嫌だったようだ。

 だが、シュナはシャリムのあきらめの悪さは知らないだろう。

 

 

「イツキ。早く帰りたいのじゃ。」

「あ、あぁ。」

 

 

 シュナがシャリムから視線を外して進みだす。

 しかし、あっけに取られていたシャリムも立ち直ったようだ。

 こんな風に断る人がこれまでにいなかったからか驚きが怒りに勝ったのだろうか。

 

 

「お前……わ、私に、こ、こんな事を、し、して、いいと思って、るの、か……」

 

 

 驚きが少し落ちつき、怒りが表面に出てきたようだ。

 怒りでわなないて上手に喋れていない。

 

 

「気持ち悪いのじゃ。これ以上近づかないでもらえるじゃろうか。」

 

 

 ばっさりとシュナが切り捨てる。

 

 

「くっ……絶対に後悔させてやる!『水縛ウォーターバインド』!」

 

 

 シュナの足元に魔法陣が生成される。

 シャリムは水魔法の使い手で飛距離も相当ある。

 三メートル先の足元に届くとはなかなかだ。

 

 

「なんじゃ。こんな魔法。」

 

 

 シュナが速攻で魔法を完成させる。

 見たところ『水刃ウォーターカッター』のようだ。

 速度は相変わらず高速で一瞬でシャリムの魔法より早く完成させる。

 

 

 形成された水の刃がシャリムに飛んでいき、頬をかする。

 さすがに殺すようなことはしなかったようだ。

 

 

「何!」

 

 

 シャリムの目が驚きで思い切り開かれて、素っ頓狂な声を出す。

 それと同時にシャリムが形成していた魔法陣が真ん中から黒い煙を出して消滅する。

 ”魔法崩壊”だ。

 これも詳しくはないが、必要な魔力が足りなかったり魔法陣の構成が狂ったりすると発生するようだ。

 魔法陣の構成の狂いは、感情の揺れなどで一気に集中が切れたときに起きるようだ。

 意図的に起こす事も出来るようだが、魔力の無駄になるのでやる人はいないだろう。

 シャリムは、突如の攻撃で驚きと痛みが集中を乱してしまったようだ。

 

 

「いきなり攻撃とは無礼じゃのう。」

 

 

 シュナもだいぶお怒りのようだ。

 直接攻撃を人に当てるの初めて見た。

 

 

「お前……私はえらいんだぞ!庶民に抵抗する権利はない!」

「別にお前の下に付いたつもりはないのじゃが。」

「抜かせ!後でしっかりお仕置きしてやる!どんな目にあってもしらんぞぉ。せいぜい後悔するがいい。『水玉ウォーターボール』」

 

 

 下卑た目で見ながら魔法を使ってくる。

 もっとも苦手なタイプの人だ。

 

 

 魔法陣を見ると、現象量が多めに構成されてるが、圧縮率は減少量に釣り合わず少なくなってる。

 傷をつけないためだろうか。

 

 

「シュナ!『起動』!」

 

 

 急いで魔境眼を作動させ、魔法袋から出来たてほやほやの刀を取り出す。

 

 

「なんじゃ?こんな魔法。」

 

 

 相変わらずのスピードで魔法を完成させる。

 見たところだと『火壁ファイアーウォール』のようだ。

 

 

 シュナの近くに火の壁が出現する。

 圧縮率が高い火の壁には水の玉は微塵も聞かなかったようだ。

 当たってジュワッと一瞬で消滅する。

 

 

「なに!」

 

 

 ニヤニヤといやらしい顔が一気に驚愕の顔に変わる。

 

 

「舐めやがって……『ウォーター……

「そこまでだ。」

 

 

 再び詠唱を始めようとしたので一気に接近し、刀を首筋に当てる。

 少しでも動かせば切れる状態だ。

 

 

「動くな。」

「こんなお、横暴!ゆ、許されると思ってるのか!護衛!こ、こいつをやれ!」

 

 

 二人の護衛が一気に動き出す。

 なかなかごつい鎧を着けていて攻撃を通すのは難しそうだ。

 魔法陣を生成させて、襲ってくる。

 生成しているのは『火矢ファイアーアロー』と『氷矢アイスアロー

 普通の人よりは相当速いだろうが、シュナのを見慣れてしまうと遅く感じる。

 読み取るとどちらも殺傷性があるレベルに圧縮されている。

 標的は僕。

 

 

「ついにはイツキまで狙うのじゃか……許すまじ!」

 

 

 シュナもだいぶ怒っているようだ。

 手のひらに魔法陣を形成している。

 生成しているのは『火玉ファイァーボール』と『氷玉アイスボール』。

 屋上で使ったコンビネーションを使うようだ。

 

 

「こっちは僕がやる!火の方をやってくれ!」

「了解じゃ!」

 

 

 生成していた二つの魔法陣の標的をどちらも火矢を使おうとしているやつに設定する。

 

 

「行くのじゃ!」

 

 

 瞬間的に生成された魔法陣が作動する。

 恐ろしい速度で飛んでいき、そして護衛の鉄の胸板の所ちょうどに二つぶつかる。

 前回使った時は目の前でぶつけたが今回は鎧にちょうど当たる所で起爆している。

 火の玉と水の玉がぶつかり合い、そして爆発する。

 高温の塊と極寒の塊がぶつかった鎧は、温度差と衝撃が合わさってぼろぼろに割れた。

 そして、その巨体は仰向けに倒れて行った。

 血などが出ていないので気絶しただけだと思うが想像するだけでも恐ろしい。

 高温と極寒に同時に襲われ、至近距離での爆発。

 脳震盪どころでは済みそうにない。

 

 

「よそ見してる暇があるのか!」

 

 

 残った護衛が声を張り上げ魔法を完成させた。

 なかなか時間がかかったように感じる。

 

 

 飛んでくる氷の矢を目でとらえる。

 魔境眼は起動させたままなので核がしっかりと見えている。

 

 

 護衛との距離はだいたい10メートル。

 刀を構えて突撃する。

 足を踏み出し、刀を視認できる魔法の核に合せる。

 そのまま勢いをつけて魔法に接触し、そのまま魔法を崩壊させる。

 

 

「何!?」

 

 

 鎧の隙間から驚愕の目が見える。

 それもお構いなしに護衛の目前まで突撃する。

 

 

「うりゃ!」

 

 

 小さな掛け声とともに、刀をフルスイングで叩きつける。

 鎧の頭部に柄の部分を。

 

 

「ぐわぁ!」

 

 

 護衛は少しよろめき、そのままパタリと倒れた。

 

 

「お、お、お前!私の護衛に何をする!」

「黙れ。うるさいじゃ。」

 

 

 シュナがバッサリと言い捨てる。

 そのまま無言で魔法陣を展開させる。

 

 

「ちょ!ストップ!殺しちゃだめだって!」

 

 

 慌てて止めに入る。

 完全に声に怒りが含まれていて、骨のそこまで食らい尽くしてやるというような怒気を感じた。

 

 

「なぜじゃ?こんな害虫、この世から消したほうが良いじゃろう。」

「それでも人を殺すのはだめ!タブー!俺がやっておくから。」

 

 

 そう言ってシャリムの方を向く。

 

 

「お、お前、何をするつもりだ!」

「ちょっと眠ってもらうだけさ。」

 

 

 刀の柄で頭を叩いて気絶させる。

 ゴスッと鈍い音が響く。

 怪我が大きく残らない程度に弱めたつもりだったが、怒りがつもってコントロールが利かなかったようだ。

 

 

「これでいいだろう?」

「……不本意じゃがお主がいうならしょうがないじゃろう。」

 

 

 シュナも一度怒りを収める。

 

 

 少したって周りから歓声がわき立つ。

 気が付いたら周りに人の壁が形成されていた。

 町の中のほとんどの人はシャリムに不満を抱いていたようだ。

 英雄のように担ぎあげられそうになったが何とか避けて、シュナと共に人ごみを脱出する。

 そのまま家へ向かって全力ダッシュ。

 

 

 災難なお出かけだった……


えっと、これまでの・・・を……にすべて差し替えました。

これでちょっとは良くなったかな……


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