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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第一章 最弱異端児は・・・
27/212

第二十六話 劇薬

Twitter始めました

@Isata0215です。


「イツキ~シュナ~晩御飯出来たわよ~」

「分かったのじゃ!」

 

 

 シュナが満面の笑みで走り出す。

 それを追いかけ僕も走り出す。

 

 

 だが……食卓にあるのは……

 

 

「おばあちゃん……まさか……」

「えぇ今日はクリームシチューに挑戦したのよぉ」

 

 

 最悪の事態だ。

 おばあちゃんのクリームシチューは……

 

 

「とにかくいただきますのじゃ。」

 

 

 そういい食事を食べ始める。

 あいかわらずの速さだが今回は致命的な事になるだろう。

 

 

「まぁいただきます。」

 

 

 クリームシチューをよけて食べ始める。

 他には白米にサラダなどさっぱりしたものが多い。

 それらを少しずつ食べていく。

 

 

「このサラダも毎回味が違って美味しいのぉ」

「今日はあっさりした塩のドレッシングをかけてみたんだぁ。」

 

 

 シュナはあいかわらずの速さで食べている。

 そしてクリームシチュー以外を食べ終わってしまった。

 ご愁傷様である。

 

 

「そういやイツキはこのクリームシチューに反応していたがなにがあるのじゃ?」

「……食べてみればわかるさ。」

 

 

 そう言った瞬間にシチューを飲み始めた。

 

 

「なめらかどころかどろどろとものすごい粘度じゃろうがそれにほどよいどころか最強の酸味が絶妙の死の味を演出して……」

 

 

 途中まで話したところでシュナが白目をむいて倒れる。

 急いで支えたが時すでに遅し、魂の抜け殻のようにヘタリとしている。

 

 

「シュナ!起きろ!帰ってこい!魂よ戻ってこい!!!」

 

 

 必死に蘇生を試みるも反応がない。

 体を揺り動かして気絶から立ち直らせようとしても無意味だ。

 残された手段は……

 

 

「シュナ!起きないとデザートもらうぞ!」

「なぬ!それはだめじゃ!」

 

 

 一気に覚醒し、跳ね起きる。

 

 

「あれ?わらわは何をしておったのじゃろうか……えっとサラダを食べて……」

 

 

 呆けた顔をしているから気絶していたのはフリではないだろう。

 記憶もあいまいになっているようだ。

 

 

「そうじゃ!思い出したのじゃ!なぜお主はわらわが食べる前にこのクリームシチューが劇薬だと教えなかったのじゃ!」

「いやぁもしかしたら上達してるかなぁと思ったけど自分で試すのは怖かったからな。」

 

 

 おばあちゃんはなぜかクリームシチューだけがとてつもなく下手なのである。

 なにを入れたらこうなったのか分からないぐらいひどい。

 これまで何回か食べた事があるが最初のころは治療所に運ばれていた。

 といっても2回ぐらいだけど。

 

 

「この裏切り者めぇぇぇ」

 

 

 シュナが頬を膨らめてぽかぽか叩いてくる。

 全然痛くないし子供を見ているみたいでにやにやしてしまう。

 

 

「まぁまぁ生きていたからいいじゃないか。」

「死にかけたじゃろうが!」


 

 なんとかなだめる。

 頭をよしよしし続けたら、機嫌が戻ったようだ。



「ごちそうさまでした。部屋に戻って今日は寝るね。疲れたから。」

「お休みなさい。」

 

 

 階段を上って部屋に向かう。

 いつも通り速攻で着替えてベットに向かう。

 体の疲労が溜まりまくってとてつもなく眠い。

 ベットに飛び込み睡眠を貪ろうとしたが・・・

 

 

「お主……真ん中を占領したらわらわが眠れんぞい。」

「おっとすまない。」

 

 

 体を転がして動く。

 空いたスペースにシュナが飛び込む。

 

 

「それじゃぁお休み。」

「お休みなのじゃ。」

 

 

 眠りの海に旅だった。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 動かない体。

 意識がもうろうとする中黒煙に巻き込まれる。

 体が痛み大切なものが抜ける感覚。

 体を蝕み・・・

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「イツキ!イツキ!大丈夫じゃろうか!?」

 

 

 体に強烈な振動がかかる。

 もうろうとする意識の中乗り物酔いの様な状態になる。

 

 

「ストップ……やめろ……酔う……」

「起きたか?大丈夫じゃったか。」

 

 

 少しずつ意識がはっきりしていく。

 さっきまで悪夢を見ていたのに気がつく。

 

 

「お主……さっきまでものすごいうなされておったぞ。たまに小さな悲鳴を上げておったし。」

「すまない。起こしてしまったか。」

「そりゃぁあんなにうなされておったら起きるじゃろう……」

 

 

 服を確認するとだいぶ寝汗でびっしょりになっている。

 

 

「すまないな。ちょっと嫌な夢を見てしまったから。」

「まぁだれでも嫌な事は一つはあるじゃろうからな。」

 

 

 とりあえず今は着替えたい。

 

 

「シュナちょっとむこう向いててくれるか?」

「なんでじゃ?」

「少しは察してくれ!着替えるからだ!」

 

 

 シュナが反対側を向いたのを確認して着替える。

 一応予備の寝巻は用意してある。

 たびたび来る悪夢の為に備えておいたものだ。

 

 

「もういいぞ。」

「お主も苦労しているようじゃのう。わらわも眠いのじゃ。先に眠らせてもらうぞい。」

「お休み。」

「お休みじゃ。」

 

 

 再びシュナが眠りの海に沈んでいく。

 僕自身は悪夢を見た後は眠れないのが悲しい。

 しょうがないので研究を進める。

 

 

「はぁ……シュナってすごいんだな……」

 

 

 これは負けてられない。

 

 

「よし!今日で一つは解決してやる!!」

 

 

 ノートに立ち向かい理論を出しつづける。

 

 

 こうしてまた一つの夜が明けていった。

第一章でだいたい50話ぐらいになりそうです。

なげぇ……第二章……


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