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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第三章中編 偽救世主は……
201/212

第八話 決断

不定期更新です。

「シュナ……食べるか?」



家。

一時的とはいえ、安心できる家に僕らはいる。



「少し……食欲はないのじゃ」

「そっか……無理もないよね」



あれはさすがに、精神的にきつかった。

僕らが、身を守る為にやったとは言え……間接的に僕らが殺したという事に変わらない。

今も心が締め付けられる。



……カグヤって子の……知り合いがいたのかな……

少しだけとはいえ、知っている人の悲しんでいる姿は……心に刺さる。原因が自分にもあるという事実が……さらに心をすりつぶしていく。



ガチャン。



「お主……大丈夫じゃろうか」

「うん……大丈夫」



手から落として割ってしまったコップの破片を手で拾っていく。

手に冷たいガラスの感触が伝わり、それと同時にある熱い感覚が手を襲った。



「あ……」



指に一筋の赤い線が刻まれ、血がぽたりと床に垂れる。

コップの破片で切ったのかな……



「お主、ちょっと手を貸してほしいのじゃ」

「う、うん。いいけど」



シュナに手を差し出す。

体から手を放してみると、軽く震えているのが分かった。



……やっぱり、精神に影響が出ているのかな……



「今日は……早めに寝るか」

「そうじゃな……」



温めた魔物の乳をコップに注いで、寝室に持っていく。

震えている手を抑えながらゆっくりと階段を上り、ベットの横にある机にコップをコトリと置く。



「あんな事になるとは……思ってなかったのじゃ」

「さすがに……即座に死刑とかは……想像していなかったな」



ベットに二人で浅く腰かけて、温めた乳をのみ込む。

ほのかな甘さと、温かみが喉を通り、体をあたためていく。

手の震えも少し収まり、心の落ち着きも戻ってくる。



「なんなのじゃろうな……この複雑な気持ちは」

「この悩みは……永遠に解決しないと思う……」



人の命。

これは、いろいろな見方がある。

自分以外の命はゴミと思う者。

自分以外の命を守る為に自分の命を投げ捨てる者。

命が何よりも大事だという人。

命は金で買えるという人。



どれが正解かは分からない。

間接的に命を奪った事は……どう償えばいいのだろうか。

いや、これは間接的と言えるのだろうか。大本は……僕たちが悪いのじゃないか。

それとも……僕らは悪くないのだろうか。



僕ら二人の命が助かった代わりに……襲撃者の大勢の命が失われた。

犯罪者には……命を持たせる価値はないと言っている人がいた。

でも……だれにも赤い血が流れ……心臓が動いて……生きている。

その命に……何の差があるのだろうか。



命の天秤は僕らに傾いた。

それは……僕ら二人の命の方が重いという事だろうか。

その違いは……どこから生まれたのだろうか。



答えの無い問が頭の中で次々と生まれていく。



「この悩みは……永遠に解決しないと思う……」



もう一度同じ言葉が喉から洩れる。



「そう……じゃな」



シュナがコップを置き、ベットにばたりと倒れ込む。

……よっぽど疲労していたのか、寝息は即座に聞えてきた。



起こさないように……慎重にベットから立ち上がり、武器を持つ。



……知る責任が僕にはある。

諸事情により、しばらく更新が停止してしまいます。

理由には受験が近いということもありますが、パソコンが故障してしまっているということも上げられます。

何か手段が見つかった場合、不定期に更新するかもしれませんがあまり期待しないでください。

受験が終わるか、パソコンが治り次第、プロットは考えてあるので、高速更新をするので気長にお待ちいただけると幸いです。

本当に申し訳ございませんでした。

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