第十九話 交渉
「他になにか入荷している?」
「えっと新しいものだと……金属切削装置かな。」
「ごめん……もう持ってる……」
魔法袋の中に入っていた道具の一つだ。
「そうか……ならこれは?」
「なんだこの黒い金属。」
「これはミラネウム金属というものだ。とてつもなく頑丈で魔力の伝導性能が高いんだ。」
「で?弱点は?」
「これを鍛冶などで使うとなぜか反ってしまうんだ。だから癖が強くて杖などには使えないんだ。元は魔宮の中で生成されたものらしいがな。」
「なら全然大丈夫だ。これを買おうか。いくらだ?」
ここからが勝負所。
「う~ん。原価が50000カルだからな……お得意様だしね……40000カルでどうだ?」
「それは高すぎるだろ。」
「なら……30000カルで?」
「う~ん……」
「まぁこれ人気がなくて一つも売れなかったやつだしな……条件付きでただでもいいぞ。」
「まじで!?」
クルレスは妙なところで太っ腹になる。
「条件というのは、この金属を使いこなせているかどうかだ。この金属は使いにくさがやばいからな……次に会った時にその金属を使いこなせていたらそのままただ。」
「もし使いこなせなかったら?」
「その時は原価きっちり50000カルをいただこうか。」
「あぁいいよ。」
あいにく使いこなす自信がある。
この癖はちょうどよいぐらいだ。
「じゃあ交渉成立だ。なんなら全部持ってくか?どうせもう捨てる予定だったから。」
「いいのか?じゃあ遠慮なく。」
大量にミラネウム金属を入手する事が出来た。
魔法袋に全部突っ込む。
少し重めの金属の感触が手に心地よい。
今日は金物屋にもよる予定だった。
だが金属を手に入れた今行く必要が無くなった。
少し手間が省けたようだ。
「あとは……シュナなにか欲しいものあるか?」
「えっと……あの本とあの機械はなんなのじゃ?」
「あの本は魔法道具の人体埋め込みについての研究録と、圧縮装置だな。」
本の方はあからさまに怪しいだろう。
というか大丈夫なのか?
「で?この装置の難点は?」
「本の方は聞かないのかい?」
「人道的にだめそうなのはもはや分かり切ってるからな。」
「装置は圧縮にそうとう魔力を使うんだ。どうだ?二つ合わせて安くしておくぞ?」
「いくらだ?」
「合せて20000カルの所を在庫処分だから……10000カル!」
「あと一つ!」
「お得意様価格で……5000カル!」
「買った!」
交渉成立。
「まいどあり!」
「じゃぁまたなんかあったら来るからな」
「おう!待ってるぜ!あと次の出発は一カ月後にしようと思ってるから約束は早めに守れよ!」
「おう!任せとけ!」
命の恩人だから信用を失うようなことはしたくない。
「ちなみに泊るところ探してるからいいとこあったら教えてくれないか?」
「あぁ商店街から北に少し行ったところに少し高いけどサービスのいい宿屋があるぞ。」
「おぉ、サンキュ!」
「じゃあまたな!」
テントから出て商店街の中を再び歩き始める。
「お主……まさかホモ……?」
「んな訳あるか!」
頭にチョップを入れておく。
突然の謎の質問に体が勝手に動いてしまった。
「痛いのじゃぁ……お主自分が力が強いのを分かっているのか?」
「おっと。すまん。だが、ホモでは絶対にない!」
商店街を巡るけどなかなかいい店が見つからない。
どんどん出店(食べ物のみ)でお金が抜けていくだけである。
「そろそろ飯を食べるか?」
「いやもう少し巡って(ギュルルルルル)……」
ナイスタイミングだ。
「食べるか?」
「……もちろんじゃ。」
頬を赤くして恥ずかしがっている。
うん、可愛い。
「なにか食べたいものあるか?」
「えっと……あのターメンが食べたいのじゃ!」
暑くなってきた時にアツアツのターメン……
美味しいけれど汗が……
「まっいっか。行くか。」
「やったのじゃ!」
「らっしゃぁい!」
「ターメン二つ!」
「まいど!好きな席に座って待ってな!」
カウンター席に腰を落ち着ける。
作ってる様子が見えて、待ってる間も楽しいからだ。
「楽しみじゃのう。」
「熱いけど大丈夫か?」
「大丈夫だ。問題ない。」
「ターメン二つあがり!」
「「いただきます!」」
おかれたターメンに箸を入れる。
アツアツのスープに入っている大量の麺。
その上にモヤシやネギがちりばめられていて食欲をそそる。
机に置かれている唐辛子を少しだけ振りかけて食べる。
「んまいのう!」
シュナはなにもかけずにそのまま食べている。
すごい食べっぷりだ。
僕のが狙われる前に食べきらないといけない。
美味しい麺は置いといて最初にモヤシを食べる。
ほどよいシャキシャキ感が口の中をさっぱりさせる。
スープもしっかりと絡んでいて口の中に味が広がる。
「これはうまいな。」
汗をかきながらどんどんほおばる。
暑いときに熱い物を食べるのはやっぱり美味しい。
モヤシもだいぶ減ったのでメインにうつる。
麺を箸に絡ませて一気に吸い上げる。
麺のしっかりとしたこしと、絡んだスープが絶品である。
病みつきになりそうな味である。
その中にたまに入ってくるネギがいい味を出している。
もやしとネギのシャキシャキ感もたまに入ることで飽きがこない。
「おいしかったのじゃ!」
食べるの速!
ものすごい期待の眼差しでこちらを見てくる。
「……半分食べるか?」
「もちろんじゃ!」
半分の麺を自分の器からシュナの器に移す。
これ以上取られたら悲しすぎる。
少しだけスピードを上げて食べる。
麺を食べ終わり、スープにかかる。
最後の残ったスープがまた美味だった。
「「ごちそうさまでした!」」
「まいど!二つで800カルだ。」
「ほい」
カウンターに8枚の硬貨を置く。
「ありがとうございましたぁ!」
威勢のいい声が響く。
美味しい店ランキングにここを入れようと決めた。
午後の予定は……
「そういえばお主まだ鍛冶屋にいってないじゃろう。」
「あ、そうだった。」
完全に忘れていた。
感想見たらガンリの説明を忘れてた・・・
というわけで感想からコピペ(自分のを)
ガンリはリンゴをいろんな意味で上下逆にしたものです。
リンゴ→ゴンリと順番を反対にし、
ゴンリのご(go)のoを反対(?)のaに変えて、ガンリの完成です。
馬鹿みたいですねw




