表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第三章前編 客人は……
193/212

第五十九話 客人は襲われる

「くっそ……」



愚痴を突きながら、地下の道を走り続ける。

あっちからの連絡係と思ってた二人組が……まったくの無関係だとは。おかげで、面倒な事になった。

俺の仕事も増えるし……まったく面倒な事だ。



「あぁ……やってらんねぇな……奴隷でも使って後で気晴らしするかな」



後の事を考えて気晴らしをしておく。ついでにストレス解消に壁を思いっきり蹴る。

ゴンという音が遠くまで反響していき、跳ね返って来た音がもう一度鼓膜をたたく。



時間はたっぷりあるんだ。ゆっくり行ったっていいだろう。

地面を軽く蹴りながら地下通路を進んで行く。



「はぁ……早ぇよ……気が付いたらついているし」



目の前にある鉄の階段。それを上って上の蓋を押し上げる。

ギィと不気味な音と共に、薄暗い気味の悪い部屋に出る。謎の実験道具とかが並んでいて、いかにも危ないものだ。



「えっと……標的ターゲットはどの部屋にいるかな……」



扉をゆっくりと押しあけて外にでる。不必要に広い居間を通り、手当たりしだいに扉を開けていく。

くっそ……面倒だ……早く出てこいよ……



「一階は全滅……あとは二階か」



階段を上って、縁から順繰りに開けていく。

そして……中からかすかな寝息が聞こえる部屋を見つけた。



「はぁ……ちゃっちゃと仕事を終わらせて夜のお楽しみといこうか……」



扉を中にいる人が起きないようにゆっくりと開ける。そこには、一人の少女が寝息を立てていた。



「こいつが標的ターゲットか……いくら命令とはいえ、お持ち帰りして奴隷にしてやりてぇなぁ」



愚痴をこぼしながら、懐から小さな針を取り出す。

だが……そこで隣から物音が聞こえてきた。



「チッ、もう一人の標的ターゲットを忘れてたか……」



息をひそめて音を立てないようにする。だが……足音はこちらに近づいてきた。



「やべっ!」



小さな声で悪態をつき、そのまま隠れ場所を探す。近くに隠れられるようなロッカーとかはない……

一瞬で判断を下して、ベットの下にもぐりこむ。

直後、扉が開く音が響き、中に標的ターゲットが入ってきた。

……あっぶねっ!



「むぅ……眠い……お休み、シュナ」



そう、入って来た標的は呟いたあと、ベットに倒れ込むボフンという音が響く。

そして、少しごそごそとした後物音は止んだ。

だが、警戒を最大限にして待ち続ける。ここで……動かないとは限らねぇからな。



辛抱強く待ち続けた結果、上から寝息が聞こえてきた。

もう……大丈夫だろう。



「はぁ……」



ベットの下から這い出して、ベットの上を確認する。

大丈夫だ。寝ている。

懐から二本目の針を出して、即座に行動を移す。



痛みを感じない程度に慎重に差し込んで、準備を完了させる。

面倒だから同時にやったろうか……



「『消去デリート



無属性魔法を起動させる。二人に刺した二本の針が薄く青い輝きを放ち始める。



「任務完了っと。あとは、他の奴に任せるとすっか」



針をピッと抜いて、即座に立ちあがる。

起こさないように部屋から出て、即座に地下通路に逃げ込む。



「任務……完了ってとこか」

これで、前篇完結です。

即座に中編に入りますので次の更新をお待ち下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ