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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第三章前編 客人は……
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第五十話 地図

「そういえば、連絡係がこんなものを置いていったのじゃ。正しく使ってほしいと」



そういって、シュナは布の様な袋を差し出してきた。こじゃれた刺繍のような物がされていて、なかなかの質の物だと分かる。

受け取った袋を開けて、中の物をみる。そこには、二枚の金属板と、一枚の紙が入っていた。



「これは……えっと、特別来賓許可書って書いてあるね。とりあえず、これは一人一枚ずつ持っておこうか」



そういって、一枚の金属板を手渡す。なかなか頑丈そうで、手に冷たい感覚が響く。重みもなかなかだ。

壊そうと思ってもなかなか壊れなさそうだな……まぁ、絶対壊さないけど。



「これを、係の人に見せてくれれば、入れるところなら自由に入れるといっておったのじゃ。防御装置のある場所とかはさすがにだめといっておったのじゃがな」

「確かに、この国の防御装置は人間を入れない為にあるものって言っていたからね……簡単に人間に触らせたら壊されるとか警戒されてもおかしくないね」



金属板を胸ポケットに入れる。かるい重みを感じながら、残った一枚の紙を開く。そこには、この国の全貌の地図が記されていた。

精巧ながらに、分かりやすく、どこにどんなものがあり、ここは立ち入り禁止。ここは自由にはいってOKなど、事細かく記されている。

これは……いろいろと便利だ。シュナにも見えるように、机の上に広げる。



「ここが、わらわたちの今いる家じゃな」



目立つように赤い丸が付けられているところがある。ここが現在地という意味だろう。



「……もしかしてと思うんだけど、これってなかなかの物じゃない?少し引っ張っても破れそうにもないし」

「そうじゃのう……ためしに鑑定でもしてみるかのう」



そういって、シュナは紙を見つめ始める。目の色も緑色。鑑定の為の色だ。



「これは……まさかなのじゃ」

「どうかしたの?なんか変な物なの?」



シュナの驚きの顔に、動揺を隠せない。なにか、危ない物とかなのだろうか。



「これは、特殊魔法道具じゃ。遺跡の遺産とも言われておるのじゃがな。だが、これもそのなかでも一級品じゃろう」

「遺跡の遺産ならいくつか持っているけど……よっぽどすごいものなのか?」

「これは……銘付きほどではないのじゃが、レア度でも相当高いじゃろうな。名前は、白紙の地図。所持者を中心とした地図が描かれ、自分が動くことで、地図の範囲もうごくものらしいのじゃ」

「それって……便利という域を超えていると思うけど……」

「しかも、細かい解説とかまで出るおまけつきじゃ。一応魔法でカスタムもできるようじゃが、その辺りはいいじゃろうな」

「ふーん……こんなにいい物を簡単に渡していいのかな……まぁ、後で回収とかはありそうだけど」



地図をパッと見て、どこに向かうべきか考える。



「この書物庫に行ってみるのもいいかもしれないけど……さすがに、いきなりここに行くのはね……」

「他の人々との友好を深めるためにも、少し人が多いところの方がいいと思うのじゃ。最初は失敗するかもしれないが、少しずつ歩み寄っていけば何とかなるじゃろう。それから、崩壊草の場所を聞けば万歳じゃ」

「そういえば、崩壊草を見つけるというミッションも意外と難しいんだよな……制限時間は大体二カ月ぐらいしかないし、頑張らないとね」



地図をぐるぐると見続けて、適当な場所を見つくろう。



「やっぱり……最初は子供とかと触れあう方がいいのかな……」

「子供なら、人間が嫌いという感情が芽生えている可能性も低いと思うのじゃ。子供からの信頼を得られれば、なし崩し的に親からの信頼も得ることができると思うのじゃ」

「なら……最初は公園に行くのはどう?」

「わらわもそれでいいと思うのじゃ!」



シュナの賛同も得られたし、公園でいいだろう。適当に、公園までの道のりを選んで身支度を整える。武器とかは魔法袋にしまってと。



「シュナも杖は閉まっておいてね。敵対意志とか言い出す面倒な人はどこにでもいそうだから」

「了解じゃ」



身支度も完璧。これで……よし。



「じゃぁ、いこうか」

「もちろんじゃ」



玄関を開けて、外に出る。



「じゃぁ!行くぞ!」

二部作同時更新はきつい為、二日に一日更新。簡単に言うと、交互更新に変更します。

宜しくお願い致します。

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