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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第一章 最弱異端児は・・・
18/212

第十七話 朝食

※飯テロ注意

「おはよう……」

 

 

 シュナがごそごそと起きだす。

 

 

「おはよう。」

 

 

 いつも早起きなのですでに起きていた。

 寝がえり(起きている)をうってシュナの方を見る。

 

 

「ってお前なんて格好をしてるんだ!」

 

 

 服がはだけて少し危ない雰囲気が出ている。

 本当に年齢20歳かもしれない。

 

 

「ふぇっ……ひゃぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

 

 本人は無意識だった様だ。

 心の覚悟がまだ出来ていないというわけだろう。

 急いで服を直している。

 

 

「後ろ向いてるから終わったら教えろ。」

 

 

 後ろに声をかける。

 後ろをむきたいという欲望が頭の中で浮かび上がってきたが精神力で押しつける。

 

 

「もう……いいぞい……」

 

 

 ようやく終わったみたいだ。

 ゆっくりと後ろを振り向く。

 

 

 そこには頬を赤く染めたシュナがいた。

 心拍数が一気に高まる。

 こんなのに興味をそそられているわけではない!

 本当に!断じて!

 

 

「お主……顔が真っ赤じゃぞ。」

 

 

 うん!

 モロに顔に出てた!

 

 

「まぁいい。お前着替え持ってる?」

「なんでじゃ?この一張羅だけじゃ。」

「え!?まってそれって大丈夫なの!?」

 

 

 女の子が着替えなしって大丈夫なのか……

 

 

「大丈夫じゃ。定期的に川などで水洗いしてるから。」

「いや全然大丈夫じゃないだろ!」

 

 

 予想外だ。

 The野生児だ。

 

 

「ちょっと待ってろ。代わりの服を探してくる。」

 

 

 急いで空間から出て、家の階段を駆け降りる。

 

 

「おばぁちゃ~ん。」

「なんじゃい?」

 

 

 朝ごはんを作っていたおばあちゃんにはち合わせる。

 ちょうど探していたから良かった。

 

 

「小さめの女物の服もってない?」

「イツキ……そんな趣味が……」

「違う!!!そんなんじゃない!」

 

 

 簡潔にシュナの事について説明する。

 といっても代わりの服がないということだけだけど。

 

 

「そういうことだったのね。じゃあ持ってくるからちょっと待ってて。」

 

 

 そのまま服を取りに行っている。

 料理を放置していってしまった。

 大丈夫なのか?

 

 

「あぁぁぁ!?火を消し忘れてたぁ!」

 

 

 おばあちゃんが火を消し忘れて戻ってきた。

 危なかった。

 焦げ始めていてやばかった。

 

 

「よし、もう一度行ってくる。」

 

 

 小走りで倉庫に向かっている。

 なんか楽しそうな後ろ姿だ。

 

 

 何分たっただろうか。

 そうとう時間がたった気がする。

 

 

「これでいい?」

 

 

 一着の服を持ってきた。

 サイズはだいたい同じぐらいだ。

 純白のワンピースだ。

 これならシュナに似合いそうだ。

 

 

「ありがとう。じゃぁ行ってくる。」

 

 

 受け取って階段へ向かう。

 

 

「朝ごはん出来る頃には降りてきなさいよ~」

 

 

 階段を上り空間に入る。

 

 

「シュナ。これでいいか?」

 

 

 持ってきたワンピースを見せる。

 

 

「おぉサイズもほぼ一緒のようじゃ。おばあちゃんの観察眼はすごいのぉ。」

 

 

 言うとおりである。

 

 

「じゃぁ着替えるぞい。」

 

 

 いきなり黒いドレスを脱ぎだす。

 大慌てで後ろを向く。

 

 

「お前!脱ぐ前に一言いってくれよ!」

「べつにいいじゃろう、伴侶の前じゃし。」

「だからまだ伴侶じゃないって!」

 

 

 相変わらずである。

 

 

 後ろから響く衣擦れの音。

 後ろを振り向きたい欲求が噴出するが意地で押さえつける。

 ロリコンという称号は不名誉すぎる。

 

 

「お主。もうよいぞ。」

 

 

 だいぶ時間がたった気がしたがやっと終わった。

 精神的に辛かった。y

 ゆっくりと後ろを振り向く。

 

 

「おう。すごい似合ってるじゃないか。」

 

 

 純白のワンピースが銀色の輝く髪と相まって美しく輝いているように見える。

 刺繍されている小さな花々も美しさを引き立てている。

 

 

 昨日着ていた黒のドレスは妖艶さを出していたが、白のワンピースを着ると清楚な感じが出ている。

 一言で言うなら……

 

 

「Beautiful……」

「見とれているとこすまないのじゃがお腹がすいたのじゃ……」

 

 

 そういえばそうだった。

 今頃おばあちゃんが下で待ちくたびれているだろう。

 

 

「じゃあ行くか。」

「楽しみじゃ!」

 

 

 階段を共に下り、居間に向かう。

 予想通りおばあちゃんが朝ごはんを準備し終えて待っていた。

 けれど……昨晩はお楽しみでしたねという視線はやめてほしい。

 何もしてない。いやマジで。

 

 

「これは……すごいのう……」

「おばあちゃんの料理は いつも(・・・)絶品だからなぁ。」

 

 

 机に並べられていたのはフレンチトーストに目玉焼き、ベーコン。

 そしてオランジを絞ったジュースが置かれている。

 僕の所には代わりにコーヒーが置かれている。

 

 

 フレンチトーストはしっかりとキツネ色になっていて焦げてはいないが香ばしさを感じる見た目になっている。

 目玉焼きもベーコンもどれもきれいに焼かれている。

 

 

 さすがおばあちゃん。

 

 

「「「いただきます。」」」

 

 

 一斉に食べだす。

 フレンチトーストは外は少しカリッとし、中はしっとり。

 絶妙なバランスである。

 用意されていた三枚のうち二枚をぺロリと食べきる。

 残りの一個は最後の楽しみである。

 

 

 次に目玉焼きにかぶりつく。

 醤油と胡椒が用意されているが僕は胡椒派。

 胡椒が目玉焼きの味を引き立てて美味しさが倍増する。

 白身からすこしずつかじりつき、ついには黄身にたどり着く。

 かぶりつくと、中から半熟の黄身と少しだけ固まった黄身が合わさって絶妙な味わいが生まれている。

 一品一品絶品だ。

 

 

 いったんコーヒーに向かう。

 いつもどうりスプーン一杯分だけ砂糖を入れて甘くする。

 これがベストなバランスだ。

 少し熱めのコーヒーが喉を通りぬけていく。

 

 

 コーヒーで一息ついたところでベーコンにかぶりつく。

 口の中で暴れだす野性的な味。

 オークの肉を薄くスライスしたものだろうか。

 あえて少し焦げるまで調理することで歯ごたえがとてもよくなっている。

 噛めば噛むほど味が出るのは飽きが来ない。

 気がつけば口の中の肉も無くなっていた。

 

 

 そして最後に取っておいたフレンチトーストにかぶりつ・・・こうとしたところで横から謎の視線を感じた。

 シュナがじっとこっちを見つめている。

 皿を見るとすでに無くなっている。

 さすがの食いっぷりである。

 ため息一つついて

 

 

「食べるか?」

「……半分欲しいのじゃ。」

 

 

 さすがに全部もらうのは忍びないのか妥協したようだ。

 ナイフで半分に切り分けてシュナの皿に移す。

 シュナの方が若干大きくなっているのは小さな気づかいだ。

 シュナは皿に移されたと同時に笑顔でほおばる。

 

 

 妹を見ているような感じがすこし理解できた気がする。

 これが・・・母性なのだろうか。(たぶん違う)

 

 

「「「ごちそうさまでした」」」

 

 

 いつも通りおばあちゃんがすごいスピードで片付けていく。

 目にもとまらぬ速さだ。

 

 

 シュナと食後の果物をかじりながら眺める。

 もはや慣れたのか罪悪感は感じない。

 

 

 ガンリの水水しさが口の中をきれいに洗い流していく。

 シュナは早速二個目にうつっている。

 食べっぷりはまだまだ健在のようだ。

 

 

「今日は日曜日だけど何かするのかい?」

 

 

 おばあちゃんに問いかけられる。

 

 

「今日はちょっと買い出しに。シュナも来る?」

「もちろんじゃ!」

「お金使いすぎないようにね。」

 

 

 おばあちゃんはあの料理の腕から料理屋をやっている。

 たまにそこに手伝いに行き、おこずかいなどをもらっているというわけだ。

 

 

「大丈夫。じゃあ行ってくる。」

 

 

 席を立ち部屋に向かう。

 

 

「早めに帰ってきなさいよ~晩御飯が無くなるよ~」

「よし!早めに帰ってくるぞい!」

 

 

 シュナはおばあちゃんのご飯が気に入ったようだ。

 

 

 部屋に着いたら財布などを準備する。

 お金は多めに50000カル用意する。

 自分では200000カル持ってるので四分の一だ。

 

 

「ってシュナそのままだと目立つな……」

「なんでじゃ?別にかまわぬじゃろう。」

「いやよくねぇよ!僕がロリコンになるだろ!」

 

 

 とりあえずクローゼットからローブを着させる。

 

 

「この服動きにくくていやじゃぁ……」

「だめだ。これを着ろ。」

 

 

 ようやく準備が完了した。

 玄関に行き靴を履く。

 

 

「「行ってきまーす(くるのじゃ)。」」

「いってらっしゃーい。」

 

 

 扉を開け外に出る。

 まぶしい朝だ。

 

 

 はたしてどんな事が今日はあるのか楽しみだ。

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