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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第一章 最弱異端児は・・・
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第十五話 知識

 さっきまでシュナが着ていた黒いドレスのような服を身にまとった幼女。

 サイズが大きいからかダブダブになっている。

 犯罪的な絵柄である。

 

 

「……だれだお前。」

 

 

 部屋に現れた見知らぬ幼女。

 そして消えたシュナ。

 頭の中で大混乱が起きている。

 

 

 あれ……意識が……

 

 

「お主!大丈夫か!?頭から湯気が出ておるぞ!」

 

 

 見知らぬ幼女にたたき起こされた。

 少しずつ頭の温度を下げて冷静になっていく。

 そこで、一言。

 

 

「お前誰だ。」

「わらわはシュナじゃ。それもわからんのか。」

「嘘つくな。もっとシュナは大きかった。まな板ではない。」

「ひどいのじゃ!」

 

 

 怒られた。

 どっからどう見てもシュナじゃ……

 

 

「あれ?」

 

 

 考えてみればシュナにだいぶ似ている。

 銀髪に幼さが増えているがまだ面影のある顔。

 口調もだいぶ似ている。

 

 

「まさか……本当にシュナか?」

「だから何度も言っているじゃろ。わらわがシュナじゃ。」

 

 

 わけが分からない。

 頭の中が原因を解明しようと奮闘するものの全然思いつかない……

 また……意識が……

 

 

「お主!?また頭から湯気が出ておるぞ!」

 

 

 ふたたびたたき起こされる。

 幼女と朝を迎える。

 ここは夢の世界か?

 

 

「お主!?目が死んでおるぞ!」

「はっ!」

 

 

 やっと現実に戻ってこれた。

 頭もやっと冷静になった。

 

 

「えっと、どういうことだ?なんで小さくなったんだ?」

 

 

 本当に不思議である。

 魔王の娘って年齢を変えることができるのか?

 

 

「人間は魔力はステータスプレートに表示されるようじゃな。」

「そうらしいな。まぁ僕は出せないからわからないけれど。」

 

 

 突然の話の転換。

 とっさに答えた。

 友達から聞いた話だと、体力を表すHPと魔力を表すMP、そして体の成長度合いを表すレベル、そして筋力などの各ステータスも表示されるらしい。

 シュナがステータスプレートを出した。

 なぜだろう色が違う気がする。

 普通の人は紫色だったはず。

 だが、シュナのは水色になっている。

 だが、こちらからは何が書かれているかなにも見えない。

 

 

「わらわにもMPという欄がしっかりとあるのじゃ。そして人間は魔力の限界量と現在量が表示されるそうじゃな。」

「あぁそうだ。それがどうかしたのか?」

「わらわにはMPの限界値がないのじゃ。」

 

 

 絶句。

 限界値がないということは無限に魔法が使えるの同定義。

 増やそうと思えばふやせるのだ。

 

 

「……ちなみに今の魔力は?」

「えっと……一十百千……大体二億じゃ。」

「えっっ!!!」

 

 

 200000000。

 初級の魔法で使う魔力がだいたい5から10だ。

 上級魔法でも1000から5000ぐらいだ。

 

 

 普通の人の魔力の限界値は100から150ぐらい。

 そうとう腕の立つ者でも1000超え。

 10000を超えるともはや化け物といわれる。

 

 

 その中で億越えである。

 規格外には限度がないのかと思う。

 

 

「まって……まぁその事は一回置いておいて……魔力がさっきの現象となにか関係あるのか?」

「一応あるのじゃ。……魔力を使うとなぜか体が縮んでいくのじゃ……」

「……え?」

 

 

 魔力を使うと体が縮む。

 そんな呪いは聞いたことがない。

 

 

「魔力は使えば使うほど縮むのじゃ。一気に魔力を使った事はないのじゃがこれまで何百回も使ったからか成長が遅い気がしたのじゃ。それで一気に魔力消費が出来る魔力注入を使ったんじゃ。」

「それで?縮んだのか?」

「あぁ自分でも仰天するぐらい縮んだのじゃ。3歳分ぐらいじゃな。まぁ魔力を注入したものから取り戻したら元に戻ったがな。まぁ取り戻せなくても1秒で1の魔力が回復するのじゃがな。」

「え!?」

 

 

 また一つおかしなことを見つけてしまった。

 普通の人は20秒ぐらいで1の魔力が回復する。

 特別な道具を使っても10秒ぐらいで1が限界だ。

 それなのでシュナの魔力回復速度は異常だろう。

 

 

「お前……本当に規格外なんだな……」

「まぁそうじゃろうな。一般人とはかけ離れているのは事実じゃな。」

 

 

 少し暗い顔をしながら言われた。

 罪悪感を感じてしまう。

 

 

「待て……二億……?」

 

 

 頭が再びフル稼働し始める。

 2億。

 200000000。

 200×100×100×100

 少し考えると秒数と似ているように感じる。

 1秒で1の魔力が回復するという事は魔力=時間ともいいかえられる。

 

 

 頭の中で計算式を組み立てる。

 60×60×24×365×6=189216000

 200000000にだいぶ近づく。

 てことは六歳の見た目に理由が付けられる。

 もともとの年齢(見た目)が14歳ぐらいなので、

 60×60×24×365×14=441504000

 だいたい2.5倍の違いがある。

 半分以上魔力を注入した事になる。

 よっぽど分かりやすく証明したかったのだろうか。

 ついでにもう少し考える。

 本人の言う年齢は20歳。

 60×60×24×365×20=630720000

 だいたいこれまでに二億ぐらいの魔力を消費したというわけか。

 

 

「もういいかのう?この状態違和感が多くてめんどうなのじゃ。」

「あぁもういいぞ。十分すぎるほどに理解した。」

 

 

 手に持っていた虹色に光り輝く魔力回復剤をを飲み干す。

 少しもったいない気がする。

 二億の魔力を込められた魔力回復剤。

 だれにも有効活用できない代物だろう。

 

 

 飲み干した瞬間再びシュナ(幼女ver)が光輝く。

 そして光が収まりシュナ(少女ver)が姿を現す。

 服が最初のようにすっぽりと収まっている。

 

 

「もうこれでいいじゃろ。」

「あぁ分かった。」

 

 

 ここまで見せられたら納得するしかない。

 だが、ひとつ抑えきれないものがある。

 ソファから身を乗り出して・・・

 

 

「お前まじすげぇぇぇ!!!もっと教えて!!!もっともっと!」

 

 

 目を輝かせる。

 未知。

 未知。

 未知。

 未知ほど興味をそそられる物はない。

 未知は宝だ!お宝だ!!

 

 

「なんじゃろう……お主の目が欲望で濁っておるぞ……不純ではないだろうが、さすがに怖いのじゃ……」

「……すまぬ。つい暴走してしまった。」

 

 

 知識欲の暴走って怖いと実感した瞬間だった。

幼女ver終了。

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