表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第三章前編 客人は……
141/212

第七話 破壊

案内されたところには、レーンがいくつか設置されていて奥には的がいくつか設置されている。

レーンとレーンの間には壁が設置されていて音が響かないようになっていた。

他の人は玉魔法などを使って試し打ちしているのが見える。

やっぱり、魔法熟練者は少ないのかな……

僕が通っていた学校に、強い人が集まりすぎているからか強さの常識が崩れているんだろう。

まぁ、あの学校は入学試験とかあるからな。

僕が入れたのも偶然だけど。



「では、ごゆっくりどうぞ。」

「ありがとうございます。」



レーンの前のテーブルに三つのステッキが置かれる。

シュナが、青色の波の形をした装飾が付いている物をつかむ。

確か、レア度5の物だ。

魔法陣がシュナの前に一つ展開され、速攻で組み立てられる。

『水玉』だな。



「行くのじゃ!」



いつも通りの掛け声と共に、水の玉が的に向かって飛んでいく。

そして、的に衝突して周囲に水をまき散らす。

なかなかの威力だ。



「それなら……これなのじゃ!」



今度は二つの魔法陣がシュナの前に展開される。

赤と青……あの組み合わせを使うのだろうか。



「行くのじゃ!」



二つが的に向かって真っすぐと向かっていき、衝突する。

恐るべき計算速度だ。



氷の塊と炎の塊が衝突し、爆発が起こる。

威力は相変わらず高そうだが……心なしか氷の塊の威力が勝って、バランスが悪かった気がする。

というか氷のかけらが少し残っている。



「やはりバランスが悪いのう……片方だけ強くなると調整しずらいのじゃ。」

「威力の高さは相変わらずだけどね。」



次にシュナは違うものを手に取る。

先端が薄い赤と青色で彩られている木の杖。

レア度7の物だったはず……



「行くのじゃ!」



今度は最初から二つの合わせ技をつかうようだ。

まっすぐと飛び、そのまま的の前で衝突して……的を吹き飛ばした。



「……え?」

「……威力が高すぎたようじゃのう……」



ビクともしなさそうな的が一瞬で粉砕された。

威力の増幅が高すぎるのだろうか。



「失礼します。大きな音がしたのですか大丈夫ですか?」

「えっと……威力で的が崩壊して……」

「え!?これまで三人しか破壊したことのない的を!」



意外と頑丈な物らしい。

あっけなく粉砕したから……的が脆いのかと思った。

周りからの好奇の視線が殺到してくる。



「とりあえず、修復するためとなりのレーンをご使用ください。」

「すみません……」



とりあえず、三本のステッキを持って隣のレーンに移動する。



「最後のステッキは……これじゃな。」



杖の先端に玉がついていて、中で赤と青の液体が重力によって動いている。

これがレア1か……



「なんか説明用紙が付いておるぞい。」

「あ、ほんとだ。えっと……特殊効果あり、技能、『魔力注入』所持者限定。魔力を注入する事により、先端の球の液体が増え、魔力を抜く事によって液体の量は減る。液体が多ければ多いほど魔法の威力は増幅される。そして、水魔法を使うと青い液体が、火魔法を使うと赤い液体が減少する。減少量は魔法に使った魔力量に比例する。って使う人が限られるからレア度が低いのかな……」

「わらわにはちょうど良いのじゃ。では、『魔力注入』」



杖の先端の球いっぱいになるまで液体が増加する。

ちょっとやりすぎな気が……



シュナの前に魔法陣が展開される。

威力は全体的に弱めというか10分の1ぐらいの威力だ。



「行くのじゃ!」



魔法がまっすぐ飛んでいき、衝突し……大爆発が起きる。



「ふぁ!?」

「えっと……強すぎるようじゃのう……」



的は完全に粉砕されて見る影もない。

やりすぎだ……



「すみませーん。また、壊れてしまいました。」

「二つ目!?どんな威力なんですか……えっと隣のレーンを使いますか?」

「あ、もういいです。すみません……」



一旦シュナの手を掴んで周囲の人だかりをかき分けて抜ける。



「で。シュナはどれがいいんだ?」

「わらわは最後に使ったやつがいいのじゃ。なかなか便利そうじゃしのう。」

「じゃぁ、これにするか。」



レジの方へむかって、カウンターにステッキを置く。



「毎度ありがとうございます。こちらは……レア度1のため銀貨35枚でございます。」



魔法袋から銀貨を取り出して支払う。

残りの所持金が心もとなくなってきたな……



「あ、あとこの杖を戻しておいてもらえますか?」

「分かりました。ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。」



外へ出て、新鮮な空気を吸う。



「なかなかいいものだったな。」

「そうじゃな。わらわも戦力外にならないように頑張らないとなのじゃ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ