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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
第三章前編 客人は……
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第一話 起床

この町に着いてから三日目の朝。

真夜中まで、シュナと屋根で指で繋がり続けていたが途中でどっちも意識がなくなりそのまま屋根で寝てしまった。



うっすらと視界に光が入ってきて、意識が浮上していく。

そのまま体を起こしながら目を開け、ぼやけた視界が元に戻るのを待つ。



「おはよう……」

「おはようなのじゃ。」



シュナはすでに起き上がって、光のさしてくる方を向いている。

シュナの視線の先を見ると、地平線の彼方から少しずつ光が漏れ出ているのが見えた。



「きれいだな……」

「そうじゃな……」



そのままボーと日がある程度上るまでそのままゆったりとしていた。



「そろそろ出かけるか?」

「今日はどこに行くのじゃ?」

「そろそろクルレスさんが来るだろうからな……町中を歩きまわる?」

「そういえば、本屋で読んだ本で近くに謎のダンジョンがあると言っておったようじゃ、行かないのじゃろうか?」

「前、僕たちが行ったダンジョンとは違うものらしいけど、鉱石などがいっぱい取れるらしいからね。機会があったら行ってみようかな。難易度もそこまで高くないらしいし。」



屋根からシュナをかついで部屋に戻る。

使わなかったベットがキレイな状態で哀愁を漂わせていた。

荷物を簡単に持って、部屋から出る。

そのまま一階に向かい、食堂で朝ごはんを食べようとする。

宿屋の主の配慮で食事費までタダにしてくれているのは本当に助かった。



周りからの嫉妬と羨望の混じった視線を受けながら食べるのは少々緊張するものの、数分したら慣れてしまった。



「イツキ……あーんじゃ。」

「いきなり!?」



突然のシュナの行動に戸惑ってしまうものの、処理落ちする前に何とか思考が落ちついた。

まぁせっかくだし……

シュナから突き出された物をそのまま口に入れる。



「……リア充爆発しろ……」

「……いちゃいちゃしてるんじゃねぇよ……」



周りからの呪いの視線が倍増して襲いかかってくる。

ちょっと、居ずらくなったためちゃっちゃと朝ごはんをかき込んでいく。

やっぱりここの朝ごはんは美味しいな。



「じゃぁ行くか。」

「そうじゃな、わらわもこれぐらい食べればよいじゃろうし。」



シュナの前には僕の5倍ぐらいの食器が重なっている。

朝から食欲旺盛。

もう、暴食ってレベルじゃないか……



お腹をさすりながら、宿屋の娘さんに礼を言って宿屋から出ていく。



「まずはどこへ行くのじゃ?」

「そうだな……一応回復薬を少しは買っといたほうがいいかな……ダンジョンでいっぱい手に入ったのも使いきっちゃったし。」



回復薬はとてもレアで、低級でもなかなか高値で売られる。

だいたい低級で銀貨1.2枚レベルだろう。

中級は銀貨50.60枚レベルで一気に値段が跳ね上がる。

上級は金貨数十枚という相当な値段だ。

だが、効果はお墨付きで相当の傷を治すと言われている。

その上にもいくつかあるのだが、最上位に位置するのがエリクサ-

神の授けた贈り物ともいわれるぐらいで、とてつもなく難易度の高いダンジョンのボスを倒しまくってようやく手に入るレベルのものだ。

お値段は、覚えられないぐらい高かった。



「らっしゃぁい!」



店に入った瞬間、おじさんが大きな声を張り上げて出迎えてくれる。

こういう雰囲気のお店は好きだ。



「何か彼女連れで探しもんかい?」

「そうです。ちょっといろいろ見て回っていいですか?」

「もちろんでい!じゃんじゃん見てってくれやぁ!」



店の中には意外と多くの人々がうろついている。

人気の店なのだろうか。

簡単に雑貨を探していく。

回復薬は……低級が三本と中級が一本あればいいかな……



適当に探し回り、使えそうな物を簡単に見つくろう。

ロープ……いろいろなところで使えるし20mぐらいのをまとめて一本買おうかな……

ツルハシも欲しいな……でもこの物だと簡単にこわれてしまいそうだ。

僕が全力で使ったら自慢じゃないけど数回でボロボロになりそうだ。



「すみませーん!」

「なんだい!」



店主がこちらに向かってくる。

圧力がやばい……



「このツルハシよりも頑丈な物ってありますか?」

「珍しいものに目をつけるじゃねぇか。魔法で掘る時代に手作業かい?ご苦労なこった。えっと頑丈な物だな、ちょっと待ってろ。」



店主が奥の倉庫らしき所へむかっていく。

なかなか豪快なおじさんだ。



「シュナも何か欲しいものある?」

「う~ん……特にないのじゃが……敷いて言うなら水筒が欲しいのじゃ。」

「確かにダンジョンの中では水の代わりに貴重な回復薬を飲んでいたからな……」



ダンジョン内に全く水がなかったのは大誤算だった。

まぁ、そのかわり回復薬がいっぱいあったから良かったけど。



適当に水筒も見つくろう。

どうせ魔法袋に入れて持ち運ぶのだから大きい方がいいだろう。



「これでいっかな。」

「そうじゃな、これぐらいあったら大丈夫じゃろう。」



選んだのはシュナの体の4分の1ぐらいの水筒。

たっぷり入る大容量だ。



「待たせたな!これでいいか!」



店主がなんか大きな木箱を持ってくる。

中を開けるとそこには……

黒く輝きを放っているツルハシが眠っていた。

第三章!めでたく始動です!

次は12時……

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