第二十六話 捜索
深夜のボーナスもう一話
ポンポンと棚からいろいろな物が飛び出して、机の中に着地する。
こういう扱いはお父さんは旨いのよね……
とんでくる物から、本当に正しいものを探し求める。
鑑定技能は、私もマサトも持っていないから大体の憶測しかできないが、完全に違うものだと思ったものは、少しだけ離れたところに置く。
どんどん飛んでくる物を一つ一つ確認して、十数分後。
ついに、全ての棚をお父さんが探索し終わり、物で埋め尽くされた机に戻ってくる。
「ここからは、俺の領分だね。よいしょっと。」
お父さんがステータスプレートを起動し、そこから技能を作動させる。
すると、父さんの前に緑色の枠が表示される。
「本を貸してくれるか?」
「はい。」
本を手渡し、今一度物品の名前などを確認する。
「うーん……いくつかの物は鑑定レベルが足りないから正確にわからないだろう。まぁ、目測で何とかなるだろうけどな。」
そう言って、お父さんは緑色の枠を一つ一つの物品に当てていく。
当てて、作動させて、名前などを確認し、仕分ける。
その作業を高速で繰り返していく。
仕分け先は三つ。
たぶん、必要な物と絶対に必要でないもの。
そして、鑑定ができなかったものだろう。
同じく十数分で、机の物は綺麗に仕分けされていた。
お父さんは、テキパキと動き必要でないものを元の棚に戻していく。
「お父さんは、すべての物の場所を覚えているの?」
「そういうわけじゃないと思うわよ。だったら、鑑定の必要はないし。たぶん、この種類の物はまとめてこの棚、とか言ってるんじゃない?触っていない棚もあるし。」
マサトの問いかけに答えている間に、お父さんは片付けが終え、鑑定ができなかったものへの作業へうつった。
一つ一つの物を丁寧に確認し、手掛かりとなるものを探し当てている。
「この紋は……たぶん、違う物だろうから……瓶の形も少し違う……」
今度は、ゆっくりとしたスピードだが確実に消化され、ついには完全に仕分けが完了する。
最後に残った必要ないものをお父さんは速攻で片付ける。
あっという間に、机の上には必要な物しかなくなった。
そしてお父さんは、どこからか取りだした布の袋にそのものを詰め始める。
その作業もあっという間に終わり、こちらにその袋を手渡してくる。
「たぶん、この家にある物の中で使えるのはそれだけだ。後二つほどは、残念ながら残っていないようだ。入荷の予定も全くないし。」




