第九話 噴出
「……なにそれ。」
走って帰って来たマサトの手には、謎の袋。
……嫌な予感しかしない。
「冷たい物で、いいんだよね。はい!」
いかにも走って疲れたという感じでぜぇぜぇ言いながら、袋に手を突っ込んでごそごそと何かを探し始める。
そして、出てきたもの……
「……なんで、瓶なの?」
「分かってないなぁ……この中にはキンキンに冷やした物が入っているんだよ。」
「おぉ、氷が入っているの?」
「違う、違う。それに入っているのはシュワップだよ。」
「なんで、それを持ってきたの!」
いつまでマサトはシュワップのネタを使い続けるのだろう。
大好物にも……ほどがある。
「しかも、それを凍らせたらシュワシュワが抜けてなくなっちゃうでしょ!」
「大丈夫大丈夫。凍ってはいないから。」
「それは違う!凍らせないとすぐにぬるくなるわよ!」
「う~ん、これは間違えたかな……」
間違えたというか、何がどうなったらそうなるのか。
「冷たい物が飲みたいのかと……」
「ねんざしている途中に何で冷たい物が飲みたくなるのよ!」
「え?普通じゃないの?」
「普通じゃないわよ!」
やっぱり、マサトはネジが一本抜けている……
速く何とかしないと……
「そういえば、もう一個あったんだ。」
「今度はまともなのを出しなさいよ……」
マサトが、袋の中を再びごそごそと漁りだす。
そして、出てきたのは……
「まさかと思うけど……その瓶……」
「大丈夫、さっきのとは違うよ。」
「じゃぁ、何なの?」
「甘くないシュワップ。」
「よし、そこに正座しなさい。」
やっぱり馬鹿だった。
「なんで結局シュワップなのよ!」
「だって、甘いのが苦手なのかと思って……」
「気を使うところそこじゃないでしょ!」
「まぁまぁ、これでも飲んで落ちついて。」
マサトが、瓶のふたを開ける。
その直後、中身が急に泡立ち、噴出する。
飛び出した液体は、マサトの顔面に直撃して涼しげな音を演出する……
「持ってくるとき……振ったわね……」
「う……びしょびしょ……あ、でも美味しい。」
「やっぱり馬鹿わね……」
「ん?なんか言った?」
「なんでもないわ……」
第三章の予告8
シリアス半分、ほのぼの半分という感じです。




