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最弱異端児は夢を見る  作者: 時雨
番外編 平凡な者は……
113/212

第九話 噴出

「……なにそれ。」



走って帰って来たマサトの手には、謎の袋。

……嫌な予感しかしない。



「冷たい物で、いいんだよね。はい!」



いかにも走って疲れたという感じでぜぇぜぇ言いながら、袋に手を突っ込んでごそごそと何かを探し始める。

そして、出てきたもの……



「……なんで、瓶なの?」

「分かってないなぁ……この中にはキンキンに冷やした物が入っているんだよ。」

「おぉ、氷が入っているの?」

「違う、違う。それに入っているのはシュワップだよ。」

「なんで、それを持ってきたの!」



いつまでマサトはシュワップのネタを使い続けるのだろう。

大好物にも……ほどがある。



「しかも、それを凍らせたらシュワシュワが抜けてなくなっちゃうでしょ!」

「大丈夫大丈夫。凍ってはいないから。」

「それは違う!凍らせないとすぐにぬるくなるわよ!」

「う~ん、これは間違えたかな……」



間違えたというか、何がどうなったらそうなるのか。



「冷たい物が飲みたいのかと……」

「ねんざしている途中に何で冷たい物が飲みたくなるのよ!」

「え?普通じゃないの?」

「普通じゃないわよ!」



やっぱり、マサトはネジが一本抜けている……

速く何とかしないと……



「そういえば、もう一個あったんだ。」

「今度はまともなのを出しなさいよ……」



マサトが、袋の中を再びごそごそと漁りだす。

そして、出てきたのは……



「まさかと思うけど……その瓶……」

「大丈夫、さっきのとは違うよ。」

「じゃぁ、何なの?」

「甘くないシュワップ。」

「よし、そこに正座しなさい。」



やっぱり馬鹿だった。



「なんで結局シュワップなのよ!」

「だって、甘いのが苦手なのかと思って……」

「気を使うところそこじゃないでしょ!」

「まぁまぁ、これでも飲んで落ちついて。」



マサトが、瓶のふたを開ける。

その直後、中身が急に泡立ち、噴出する。

飛び出した液体は、マサトの顔面に直撃して涼しげな音を演出する……



「持ってくるとき……振ったわね……」

「う……びしょびしょ……あ、でも美味しい。」

「やっぱり馬鹿わね……」

「ん?なんか言った?」

「なんでもないわ……」


第三章の予告8

シリアス半分、ほのぼの半分という感じです。

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