第四話 知能
一日遅れました。
「おはようございます、みなさん。」
アイカ先生の挨拶と共に、朝の会が順調に進んでいく。
連絡事項がパパパと並べられ、簡単に記憶する。
「そういえば、明日は一大イベント、知能戦がありますね。参加者の人たちは準備は出来ていますか?」
私が出場予定の大会、知能戦。
冒険者選定大会の知識版と言った方が正しいだろう。
簡単に言うと、複雑なルールの中でどれだけ勝ち残れるかというイベントだ。
冒険者選定大会とは違って、優勝したらそのまま何かになるという事はないがスポンサーなども大勢来るため、就職先には困らないだろう。
イツキにはこれの方がいいと思ったのだが、本人は、室内で籠っていろいろな事を研究するよりは、外の世界でいろいろとみて回りたいと言っていた。
まぁ、前々から戦闘にそこまで強くない私とマサトはこれに出場する予定だが。
「せんせー!準備って何をすればいいんですかー!」
クラスのお調子者がいつものように茶々を入れる。
「えっと……心の準備とかです!」
先生もしっかりした物を答える事ができない。
これは、いつもの事。
ルールは毎回代わり、カジノみたいな運や確率の物の年もあれば、心理戦の様な年もある。
なので、準備のしようがない。
まったく面倒なルールだわ……
「では、次の体育の授業は頑張ってください!」
先生が退室し、教室がさらにざわざわとする。
とりあえず、体操服だけを掴んで女子更衣室へ速足に向かう。
私はいつも、着替える時は一人でする。
それは、体に痣があるから。
生まれた時から、獣の様な形の痣が私の背中にある。
昔に、一人だけ見られた事があるがその子にはお化けとののしられた。
だから、それ以来、この痣の事は誰にも話していない。
もちろんイツキにもマサトにも。
彼らだったら、ののしったりする事はないだろうけど、なんだか……話してはいけないような気がするのだ。
「まぁ、どうでもいいわ。」
ちゃちゃっと体操服に着替えて、運動場に出る。
また、つまらない体育が始まる。
第三章の予告3
新たな武器も大量発生!




