第二話 腕輪
「まさかねぇ、イツキがねぇ、シュナという彼女が居ながらねぇ、女をいっぱい作るわけ、ないよねぇ。」
「さ、サクラ!?ものすごい怖い表情になってるよ!」
イツキがそんな事をする事はない……はず。
そう私の心に唱え続けて、荒ぶる心を押さえつける。
「ふぅ、取り乱したわね。」
「サクラの表情が怖かった……」
ぶるぶるとマサトは震え続ける。
とりあえず、止めていた足を再び動かし始める。
「そういえば、マサトがイツキに渡したネックレスって何なの?どうせ、なんか特殊効果でもあると思うけど。」
「ご名答だね。あれにはね、とある加護が掛かっているんだ。」
「加護?帝国の遺品なの?」
「それは、ひ、み、つ。」
「わかった、死にたいのね。」
「冗談冗談!だからその拳を解いて!」
「10秒以内に答えなさい。なら……」
「えっと!僕もよくわからないの!とある商売人の所で見つけて、加護があるけど効果が分からない物だったけど、デザインが気に入ったから買ったんだ!」
「なんだ……知らないのね。」
「そういうサクラは何を渡したの?」
「それが気になって調べてみたんだけどね……渡した事をこっぴどく叱られたの。なんか少し前から伝わる家宝らしくてね。まぁ、イツキとはよく私の家でもあそんでいて顔なじみだったからイツキに渡した事を教えたら、説教は終了したけどね。」
「家宝か……どんなものかは分かる?」
「確か、獣人に関係があるって聞いたわ。魔法に惑わされぬ為の腕輪とも書いてあったわ。」
「……よくわからないね。」
「……本当によくわからないわ。」
気がついたら、学校の門に着いている。
今日の授業は最初から体育だった気がする。
……面倒くさいわね……
校門をくぐって、中に入り教室へむかう。
マサトは後ろから少し遅れて着いてきている。
「サクラ!おはよう!」
「あ!おはよう!」
クラスメイトの女子と教室の目の前でばったりと出会う。
いつも通り挨拶を返して、中に入る。
……またいつもの日常が始まる。
第三章の予告1
無属性魔法のオンパレード!
乞うご期待!




