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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
97/188

青島シリーズ第2戦 平壌の秘密兵器

[ホーム]平壌

4成田

8佐々木

7後藤

3カストロ

9幕内

5鈴木

6奈良橋

2仲里

1海坂


[ビジター]大連

4大上(4-0)

9高遼二(3-1)-ノーリー(1-1)

6棚橋(2-0)

5パウロ(3-2)

7アンジェロ(4-1)

3一村(4-1)

8水内(2-0)-古池(1-1)-山元(1-0)

2清水(3-1)-金重男(1-0)

1瑞穂(1-0)-岩下(1-0)-趙雅憲-本郷(1-0)-伊東-野藤-平野-立石(1-0)


大 000 000 010 1 ●瑞穂(4-2)-趙雅憲(2)-伊東(1)-野藤(2/3-1)-平野(1/3) 40勝27敗7分

平 000 200 01- 3 ○海坂-大河内-サーディー-S井垣 33勝37敗4分


 青島シリーズ第2戦は平壌と対戦。オールスターには趙民陽1人しか選出されなかったが実力のある選手が多いチームで、むしろ戦いたくない相手だったと言える。今日は外野に佐々木武介と後藤久次郎の通称幕末コンビが入り、ピッチャーには何と高卒ルーキーの海坂美月がプロ初登板というダイナミックなオーダーで挑んできた。しかしこの海坂が見事な好投を見せるのだからわからない。華がないと言われがちな平壌の起爆剤となるか、海坂の今後に注目である。


 大連のスタメンで変わっているのはファーストに一軍初出場となる20歳の一村富郎の名前があるという点だ。先発は瑞穂で、丁寧にコーナーを突く大崩れしないピッチングは青島の地でもぶれはしなかった。しかし勝ち運がないというか、肝心なところで失点してしまうのがじれったい。防御率ほど勝てないのはそういったところに甘さがあるからだろう。


 序盤は静かな展開。海坂は初登板とは思えないほど落ち着いており、コントロールもしっかりとmax147キロのストレートをコーナーに投げ分けていた。この試合初ヒットはキャッチャーの清水が放ったレフト前だったが、これも詰まった打球が誰もいない場所に落ちたといったもので、かなり安定していた。その後の4回裏に平壌打線がルーキーを援護。この回のトップバッター佐々木のライト前ヒットと後藤のヒットエンドランで一三塁として、カストロがセカンドゴロダブルプレーとなる間に佐々木がホームを踏んだ。さらに5番の幕内がホームランを打って0対2と先行した。


 海坂は6回を被安打4の無失点と見事なピッチングで勝利投手の権利を得てマウンドを降りる。大連は8回に平壌の3番手サーディーを攻めた。先頭の代打ノーリーが内野安打で出塁。棚橋が送るとパウロがレフト前ヒットで一三塁に。そしてアンジェロがセンター前に弾き返すタイムリーヒットで1点を返す。しかし一村がセカンドゴロダブルプレーで攻撃終了。


 その裏、この回から登板した野藤が代打として登場した李偉誌にホームランを打たれて万事休す。なおも攻めたてられたが平野がカストロを抑えてこれ以上の失点は許さず。しかし9回はストッパー井垣吉見に3人で抑えられた。


 青島シリーズはこれで終了。優勝は2勝を挙げた奉天に決定した。トロフィーと優勝賞品として青島特産のビール1年分が贈られた。シリーズMVPにはともに1点差という緊迫した試合展開の中で2セーブを挙げたケリー・ファン投手が選出された。土曜日からは対抗戦が始まる。大連はまず埼玉と対戦する。


その他の試合結果

33勝38敗3分 開城 4-6 光州 25勝44敗5分

36勝33敗5分 新京 3-7 ハルビン 33勝37敗4分

36勝34敗4分 チチハル 1-2 奉天 43勝26敗5分

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