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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
96/188

青島シリーズ第1戦 異国でのチャレンジ

[ホーム]ハルビン

7ボルト

9鈴木壮

6井沢

8篠原

4ロバーツ

5呂秀林

3原田

2秋方梧

1立石


[ビジター]大連

4大上(4-1)

9ノーリー(3-1)-金重男(1-0)-高遼二

6棚橋(4-1)

5パウロ(4-1)

7アンジェロ(4-1)

3ドラグノフ(3-2)

8岩下(3-0)-山元(1-0)

2清水(4-2)

1張尊(2-0)-水内(1-0)-石風呂-平野-北-立石(1-0)-黄直哉


大 001 001 000 2 ○張尊(5)-石風呂(1)-平野(1)-北(1)-S黄直哉(1) 40勝26敗7分

哈 000 000 000 0 ●李正明-笠持-鄭明真-鈴木真 32勝37敗4分


 オールスター戦も無事に終了して、今週末からは対抗戦が始まる。その前に青島シリーズが今日と明日の2日間開催される。青島とは言うまでもなく中国山東半島に位置する都市の名前である。大日本リーグと言いながらその実態は東アジアリーグなので日本列島、台湾、半島、満洲以外にも遠征するのだ。


 ただオールスター戦に出場した選手は基本的には出場させない。例えば連続試合出場記録を伸ばしたいなどの理由があるのなら話は別だが、移動と試合を繰り返すのは負担が大きいのでほとんどのチームは選手が出たいと言っても止める。大連も吉野、松浦、林、星渡の4選手は遠征に参加せず東京に宿泊して対抗戦の開始を待っている。


 さて、そうした事情もあって主力数名がいないスタメンはやはり淋しいものがある。しかし棚橋、パウロ、アンジェロのクリーンナップはフルメンバー同然で、それなりに迫力はある。また、ノーリーが久々のスタメン出場を果たしていたり、今季初出場となる21歳の岩下菜央人が7番センターで早速スタメン起用されるなど、実験的要素も兼ね備えている。ハルビンも普段は田坂が磐石なのでほとんど出番のない2番手捕手の名前が見られるなど、変化がついている。


 試合はなかなか動かなかったが終始大連が優勢に試合を進めた。ここ数試合好調を維持している大連の先発張尊は今日も安定したコントロールと多彩な変化球が冴えて凡打の山を築いた。張に応えたい打線は毎回のようにランナーを出しながら後1本がなかなか出なかった。しかし3回一死後に大上がサード内野安打で出塁し、ノーリーは粘って四球を選び一二塁とする。ここで棚橋がレフト前に転がすと二塁ランナー大上が一気にホームイン。6回にはアンジェロのソロホームランが飛び出して2対0とした。


 張は5回無失点で余裕の降板。リリーフ陣もそれぞれしっかりと仕事をしてハルビン打線を0封。危なげなく勝利を手にした。林、星渡という主力がいなくても案外やれるものだ。迫力不足は否めないにしても。一方ハルビンは全体的に淡白だった。ボルトや篠原に顕著だが、積極的を通り越した無謀な初球打ちは海千山千のベテラン張を楽にさせるだけだ。やはりハルビンは田坂がいないと駄目だな、そう言われても仕方のない敗戦であった。


 また、本日大連の折口元文外野手とチチハルの池田武治投手との交換トレードが成立したと両球団から発表された。打撃力のある選手を求めるチチハルと先発の駒を強化したい大連の思惑が一致した形で、青島入りした後に両球団の首脳が話し合って急遽成立した。


 折口外野手は勝負強い打撃が持ち味の30歳で、大連では主に代打として活躍していた。今季もホームランを1本打っている。池田投手は25歳で、思い切りのいいピッチングが魅力の左腕。先発もリリーフもこなすが大連としては先発として期待しているようだ。トレードや新外国人の獲得期限は7月末までなので動いてくる球団は他にも出てくるだろう。


その他の試合結果

24勝44敗5分 光州 1-9 開城 33勝37敗3分

32勝37敗4分 平壌 3-4 奉天 42勝26敗5分

36勝33敗4分 チチハル 5-2 新京 36勝32敗5分

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