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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
93/188

フローデセン投打に無双

[ホーム]大連

8星渡(4-1)

3柳中平(3-0)

6棚橋(4-2)-大上

9林(3-2)

7アンジェロ(3-1)

5ドラグノフ(3-1)-ノーリー(1-0)

4近堂(4-1)

2清水(4-0)

1フローデセン(3-1)


[ビジター]開城

8西平

6竹端

4笠原

7高弘美

5肥後

9グレス

3吉田

2浜野

1前宮


開 000 000 000 0 ●前宮-森-東-車智文 31勝36敗3分

大 003 010 01- 5 ○フローデセン(9) 39勝24敗7分


 ここ数試合低調なマウンドが続いており正念場のマウンドとなったフローデセンが快刀乱麻のピッチングを披露した。フローデセンの勝利は5月8日以来。実に2ヶ月ぶりの歓喜だが、苦しい時期を乗り越えた男の巻き返しはこれから始まる。一方、開城の先発は2年目の前宮。コントロールや変化球など、投手として必要な一連の技術は身についているなかなかの好投手である。もう一皮、いや二皮三皮むけたらタイトル争いにも絡めるようになるだろう。これが前宮幸弥だと主張できるような武器があれば面白い。


 さて、試合は2回まで両チーム無安打で進んだ。この試合の初安打は大連で、打ったのは投手のフローデセンだった。この安打から大連はリズムを掴んでいく。続く星渡もライト前に転がして一三塁とすると、柳中平のセカンドゴロ併殺崩れの間にフローデセンがホームに生還して先制。さらに棚橋がストレートをレフトスタンドに叩き込んでこの回3点。5回には棚橋、林、アンジェロのクリーンナップが3連打で4点目とし、8回には林のソロホームランでさらに追加点を加えた。


 しかし今日の主役は何といってもフローデセンのピッチングである。球速は150キロに達し、多彩な変化球も冴え渡っていた。初回は西平、竹端を連続三振に、笠原をショートゴロに打ち取って上々の立ち上がり。2回は高レフトフライ、肥後ファーストゴロ、グレス三振。3回は吉田ライトフライ、浜野セカンドゴロ、前宮セカンドフライ。


 4回は西平サードゴロ、竹端セカンドゴロ、笠原センターフライ。5回は高三振、肥後レフトフライ、グレスショートライナー。6回は吉田三振、浜野ショートゴロ、前宮の代打李連次ライトライナーとここまでヒットどころか一人のランナーも出していない。危なかったのは5回、グレスの痛烈なライナーを棚橋がジャンピングキャッチした場面ぐらい。まさか、もしかすると。そんな予感が球場内に充満し始めた。


 7回は、西平をサードゴロ、竹端をセーフティーバント失敗のピッチャーゴロに打ち取ったが笠原がフローデセンのストレートをセンター前に打ち返して残念ながら完全試合ならず。しかし続く高を三振に打ち取った。8回は肥後ピッチャーゴロ、グレス三振、吉田三振。そして9回は浜野の代打金順基レフトフライ、車の代打行元三振、そして西平をファーストゴロに仕留めて1安打完封を達成した。


 フローデセンは今日の好投について「勝てなかった時は考えすぎてリズムを悪くしていた。今日はテンポよいピッチングを心がけたのが良かった」と話している。フローデセンの悲願を阻んだ笠原は巧みなパッティングと堅実な守備で知られる大陸屈指の二塁手で、今年のオールスター戦に開城の選手としては朴仲哲投手と2人で出場する。地味だが間違いなく開城のスター選手だ。


 コントロールよく力強いストレートや切れ味鋭い変化球を織り交ぜるフローデセンのピッチングに開城のバッターは的を絞りきれなかったが、笠原だけは変化球をうまくカットして、狙っていたストレートをコンパクトなスイングでうまく打ち返した。しかし今日のフローデセンの出来は良すぎたので開城にとっては気の毒だったとしか言いようがない。


その他の試合結果

36勝29敗5分 新京 3-6 奉天 40勝25敗5分

31勝35敗4分 平壌 2-4 ハルビン 31勝35敗4分

22勝43敗5分 光州 2-1 チチハル 33勝33敗4分

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