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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
89/188

先発完投自責点0敗戦投手

[ホーム]光州

6真野

5久保岡

7朴芳一

9小金井

8マイヤー

3佐藤

4白知秋

2山村

1片平


[ビジター]大連

8星渡(4-1)

3柳中平(5-2)

6棚橋(4-2)

9林(4-1)

7アンジェロ(4-2)

5ドラグノフ(3-0)-太刀川(1-0)

4近堂(3-1)

2金重男(4-1)

1松浦(3-0)


大 000 000 000 0 ●松浦(8) 36勝23敗7分

光 000 100 00- 1 ○片平-宮内-大越-S戸田垣 20勝41敗5分


 投手の勝ち星は本人の実力とは少し違う事を証明するかのような試合。自身が十分なピッチングを見せても援護がなければ勝ち星を手にすることは出来ない。それどころか敗戦投手となってしまうこともある。しかしそれもまた投手稼業をしているものの定め。まあ松浦も前の試合は打線の援護で勝たせてもらったのだし、こんな日もあると割り切るしかない。昨日の試合前練習中に右腕の違和感を覚えていた小松原が今日二軍落ちするなど先発への比重がより強まっている現状、しっかり仕事をこなして天命を待つしかない。


 序盤から松浦の速球が冴え渡っていた。3回までにノーヒットで5つの三振を奪うなど上々の立ち上がり。一方光州の先発片平は多彩な変化球と緩急で得点を許さない老獪なピッチングを披露。ヒットは打たれてもきっちり抑えて淡々とイニングを消化していった。


 試合が動いたのは4回。光州の先頭打者真野がストレートをレフト前に流してチーム初ヒットで出塁。久保岡の打席で真野が盗塁を試みると、キャッチャー金重男からの送球がそれて外野に転々とする間に真野は三塁へ。一気に先制されるピンチが誕生した。松浦は奮起して久保岡は三振に切ったが、続く朴芳一は巧みなバット捌きを見せてなかなか三振とはいかない。


 際どいボールをうまくカットして迎えた9球目、サードへのゴロとなったがこれをドラグノフが後逸してしまった。レフトのアンジェロがボールを掴んだ頃には、すでに真野がホームに突入を終えていた。確かにドラグノフも金も守備より打撃の選手だがこうお粗末なプレーを続けられると頭が痛くなる。ミスの連鎖で大連は1点を光州にプレゼントしてしまった。


 片平は6回までで降板。そこから光州の継投策として7回に宮内、8回に大越、9回には戸田垣を繰り出して逃げ切った。0対1で試合終了。しかもその1点はエラーで得たもの。大連とすればまったくもったいない負け方であったが、光州の先発片平の粘り強いピッチングや堅守、そしてリリーフ陣の奮闘があったからこそ1点差の際どいゲームをものに出来たのだ。優勢だったチームが勝つゲームではなくより多く得点を奪い、得点を奪われなかったチームが勝利を手にするのが野球である。8回被安打4に抑えながらも敗戦投手となった松浦は気の毒だが、結局はそういうことだ。


その他の試合結果

34勝27敗5分 新京 3-1 ハルビン 30勝32敗4分

38勝23敗5分 奉天 2-3 平壌 28勝34敗4分

31勝31敗4分 チチハル 6-7 開城 30勝33敗3分

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