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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
86/188

星の輝きが大連を照らす

[ホーム]大連

8星渡(4-2)

3柳中平(5-2)

6棚橋(5-2)

9林(4-1)

7アンジェロ(4-0)-高遼二

5ドラグノフ(3-2)-大上

4近堂(4-3)

2金重男(4-0)

1赤坂(3-0)-小松原-野藤-立石(1-1)-水内-比山


[ビジター]新京

3矢野元

8武沼

2英

9劉照凱

7玄新光

6バジーノ

5ボンズ

4花田

1際田


新 000 001 200 3 際田-水岡-宗源良-●朴圭大-鈴木芳 32勝26敗5分

大 000 110 03- 5 赤坂(6 1/3-3)-小松原(2/3)-○野藤(1)-S比山(1) 35勝21敗7分


 前日のエース対決では苦杯を喫した大連。今日はルーキー赤坂が先発。バッテリーを組むのはもちろん金重男。金は打撃も好調でそこにも期待。新京は安部監督の慎重な起用もあってここまで安定したピッチングを続けている際田が先発。往年の剛速球は未だに蘇らずもコントロールよく速球を投げ込んで抑える新境地を開拓しつつある。しかし今日はコントロールが荒れ模様で不要なピンチを多く招いてしまった。


 初回、星渡に対してストレートの四球を与えるも盗塁を刺してアウトにした。直後に柳中平がライトオーバーの2ベースを放ったがこの回は得点なし。3回には柳、棚橋のヒットと林の四球でワンナウト満塁のピンチを招くもアンジェロをショートライナーのダブルプレーに仕留めて窮地を脱した。ここまでは運良く失点のない際田だが、誰もこのまま抑えられるとは思っておらず、その予感は間もなく的中した。


 4回、先頭のドラグノフが四球で出塁すると、パスボールの間に二塁まで到達。そして近堂のレフト前ヒットで躊躇なくホームに突入。レフト玄新光の送球がそれてセーフとなり、大連が先制した。新京のレフトが守備にも定評がある七沢なら大連も強行突入はしなかったかも知れない。打撃はいい物を持っている玄だが、守備を重視する新京ではなかなか出番がつかめないのも仕方ない。


 続いて5回、先頭打者の棚橋がショート後方にしぶとく落として出塁すると、林がストレートを叩いて右中間を破るタイムリー2ベースで2点目。とにかく今日の際田は先頭打者を出して、それがピンチや失点に結びつくというパターンが多かった。結局この回限りで降板となった。2番手の水岡純直は頑張って2回を6人で終わらせた。


 大連先発の赤坂はプロとしての呼吸を会得したようで、見ていてほとんど不安がなかった。途中までは。大連が2点目を取った直後の6回からその安定が揺らぎ始める。先頭打者の武沼には初球のカーブを狙われて左中間を破られる3ベースでいきなりピンチに。英は三振に打ち取ったが劉照凱にストレートをセンター返しされて1点。


 そして7回、先頭打者のボンズがボールを良く見て粘った末にレフト前に落とした。続く花田の代打中沢春二はライト前ヒットで一三塁。水岡の代打に起用された宗仁徳はショートゴロで二塁封殺もダブルプレーはならず。その間にボンズがホームインで同点。さらに矢野元がセンターオーバーの二塁打を放ち、新京が2対3と逆転する。続くバッターは今日2安打の武沼。ここで大連は赤坂を下ろして小松原を投入する。小松原は持ち前の切れ味鋭いストレートで武沼をセカンドゴロ、英を三振に打ち取り信頼に応えて見せた。


 8回表、新京は3番手に宗源良を登板させた。先頭のアンジェロはうまく捕らえたもののセンター武沼が快速を飛ばしてキャッチ。続くドラグノフも強烈なライナー性の打球だが今度はフェアグラウンドに落ちた。ここで代走の切り札大上が繰り出される。そして新京もピッチャーを朴圭大に交代。執拗な牽制をかいくぐり大上は盗塁を決める。そして近堂が本日3本目となるヒットを左中間に飛ばす。大上は俊足を飛ばしてホームイン。これで3対3の同点だ。なおも大連は攻め立ててツーアウト一三塁とする。ここで打席に立つのは星渡。


 この打席における星渡の集中力は素晴らしかった。初球は外角低めへのストレートに微動だにせず。2球目は内角へのカーブがコースを外れてボール。ここで水内が盗塁を決める。それから3球続けてファールで粘った末、外角低めへのスライダーをきれいに捕らえてセンター前に。近堂と水内が悠々ホームインで5対3とする。そして9回は比山が締めて大連勝利。なかなかに熱い試合だった。どちらが勝ってもおかしくなかったが、最後は星の輝きが大連に勝利をもたらした。


その他の試合結果

28勝32敗3分 開城 2-1 ハルビン 29勝30敗4分

36勝22敗5分 奉天 1-0 チチハル 30勝29敗4分

27勝32敗4分 平壌 4-2 光州 18勝40敗5分

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