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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
85/188

リーグ戦再開 欠けたピース

[ホーム]大連

8星渡(4-1)

3柳中平(4-0)

6棚橋(4-1)

9林(3-0)

7アンジェロ(4-2)

5ドラグノフ(2-0)-古池(1-0)-金重男(1-0)

4近堂(3-0)

2清水(3-0)

1吉野(2-0)-伊東-水内(1-1)-趙雅憲


[ビジター]新京

3矢野元

8武沼

2英

9劉照凱

7玄新光

6バジーノ

5ボンズ

4花田

1久慈


新 002 001 100 4 ○久慈 32勝25敗5分

大 000 000 001 1 ●吉野(7-4)-伊東(1)-趙雅憲(1) 34勝21敗7分


 7月1日、リーグ戦が本格的に再開される日がやってきた。大連最初の相手は現在3位の新京。大連は吉野、新京は久慈と両チームのエース対決となるこの一戦、どちらにとっても負けられない。シーズンがある程度進んで疲労も出てくる時期だけにベストメンバーといかないのは致し方ない。パウロはいつ復帰するか未定だがどれだけ持ちこたえられるか。逆に劉照凱が怪我から復帰してきた新京は戦力もモチベーションもアップしている。


 初回、新京の先頭打者矢野元は四球で出塁。今日の吉野はコントロールに苦しんだが肩が軽すぎるのが原因か。この回は無失点で抑えたものの常にランナーを背負う苦しいピッチングだった。一方久慈はさすがの安定感。エースとしての経験の高さを見せた。


 均衡が崩れたのは3回。もちろん新京の先制によってであった。先頭打者の花田道治がスライダーにうまくタイミングを合わせてレフト前に落とす。ピッチャーの久慈はきっちり送り、続く矢野元のライトフライで抜け目なく三塁まで進んだ。そして武沼駿。苦戦した交流戦期間中、新京打撃陣の中で唯一と言っていいほど好調だった男が今日も最高の仕事をした。ストライク、ボール、ボールとした後の4球目、内角へのストレートがやや高く浮いたところを完璧に捕らえた。打球はライトスタンド最前列に飛び込む2ランホームランとなり、大連がスコアボードに2を刻んだ。


 6回には玄新光がレフト線を破る2ベースヒットでチャンスを作ると、バジーノがしぶとくライト前に落として七沢がホームインで3点目。7回には一死後矢野元の四球と武沼のライト前ヒットで一三塁として、英の犠牲フライで4点目を上げた。


 久慈は完封を狙って9回のマウンドに立った。ここまでは3安打と1四球があるだけという極めて安定したピッチングを披露している。先頭の柳中平に対しての2球目となるストレートは149キロを計測するなど疲れを感じさせない磐石の攻めでサードゴロに。しかし続く棚橋が意地を見せる。外角に逃げていくスライダーをカットしてストレートを狙い打ち。見事にレフトオーバーの2ベースを放った。ここで迎えるのは4番林。しかしここでは久慈が勝りライトライナーでツーアウト。今日安打を放っているアンジェロに託す。


 このアンジェロは清津シリーズには同行せず二軍で調整をしていた。交流戦でのヒットはほとんどがストレートをパワーで叩いたもの。日本的な変化球攻めには戸惑いを見せていた。そこで二軍では変化球に対応するための練習を積み重ねたらしい。久慈はストレートの力もある投手だが変化球も一流。アンジェロに対しては交流戦のデータを基に変化球中心で攻めていた。しかしアンジェロは交流戦から今日までの約1週間で変化球の対応をある程度マスターしていた。


 という事でこの打席、久慈が投じた縦に大きく落ちるカーブをしっかり捕らえて左中間を破るタイムリー2ベースとした。第2打席にチーム初ヒットを放ったのも決して偶然ではなかったのである。しかし続く金重男は三振に倒れてゲームセット。2位と3位の直接対決第1ラウンドは3位新京の勝利に終わった。


その他の試合結果

27勝32敗3分 開城 6-9 ハルビン 29勝29敗4分

35勝22敗5分 奉天 5-7 チチハル 30勝28敗4分

26勝32敗4分 平壌 2-4 光州 18勝39敗5分

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