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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
83/188

清津シリーズ第1戦 与えられた勝利

[ホーム]開城

8西平

6竹端

5肥後

7高弘美

9グレス

4笠原

3吉田

2浜野

1岡武


[ビジター]大連

8星渡(4-2)

7高遼二(3-0)-水内(2-1)

6棚橋(5-1)

9林(2-1)-ノーリー(1-0)

5ドラグノフ(4-1)

4近堂(4-1)

3李春稀(3-0)

2中西(4-0)

1松浦(2-0)-本郷(1-0)-趙雅憲-古池(1-0)-小松原-比山


大 103 100 010 6 ○松浦(5-3)-趙雅憲(2)-小松原(1)-S比山(1-1) 33勝20敗7分

開 011 010 001 4 ●李東風-東-森-中島 26勝31敗3分


 リーグ再開。しかし普通のホーム・ビジターでの対戦ではなくカンファレンス所属の8球団が揃って特定の地方に遠征して試合を行うシリーズがまず開催される。今回遠征に向かったのは朝鮮半島北部の重要な港湾工業都市である清津。この地で2試合を戦った後に第一次ドラフト会議が行われ、7月1日から通常のリーグ戦に戻る。


 このシリーズの期間に主力選手の休養を兼ねて新戦力の実験を行うチームも多い。大連の先発は松浦。そしてキャッチャーは今季初スタメンとなる若い中西を起用してきた。ドラグノフ、李春稀などにもチャンスが与えられた。


 一方開城は交流戦期間中にハイローと曹永真が負傷で離脱しており、順位も7位まで落ちてしまった。しかし上位との差はまだ大きくない。これからの戦いによっては十分挽回できるチャンスはある。正捕手の浜野路典を中心に投手陣は安定しているので打撃陣に当たりが出てくれれば。途中加入のルイス・グレス(33)はかなり荒っぽい打者だがパワーはある。先発投手は李東風。


 序盤は大連が優勢に試合を進めた。初回、星渡のサード内野安打と林の四球で一二塁としてドラグノフが先制のタイムリーをレフト前に放つ。3回には星渡が四球で出塁すると、盗塁と高遼二のセカンドゴロで三塁まで進塁。ただでさえ難があった李東風のコントロールはさらに乱れて棚橋にはほぼど真ん中のストレートをレフト前に弾き返されて2点目。さらに林、ドラグノフに連続四球を出して満塁としてしまう。


 そして迎えた近堂に対してもあからさまなボールを連発して押し出しの四球。李東風の一人相撲で大連が労せずして追加点を加える。続く李春稀のライトへの犠牲フライでさらに1点追加。次の4回、星渡にホームランを打たれた所で降板。力入りすぎでかえって力を発揮できなかった。


 しかし松浦も李東風ほどではないがピリッとしない。2回には笠原に今季3本目のホームランを謙譲し、3回も簡単にツーアウトまで奪ったが西平に粘られて四球を与え、竹端と肥後に連打されて1失点するなどこれまでと少し違った。疲れが出てきたのか、あるいは中西がまだまだなのか。中西のリードは前の打席で打たれたコースを再度突くような強気さがあるが、今日の松浦の調子からするときつい部分もあったかも知れない。5回にはキャッチャー浜野にもタイムリーを浴びて5回3失点で降板。しかし勝ち星は手にした。


 開城2番手の東拓也は今季で3年目の若手投手だが、これは良かった。変化球はほとんどなし、ストレートで押しまくるという豪快なピッチングスタイルだが、今日は絶好調で4回1/3から6回までを打者9人1四球5奪三振に抑えた。投球術はないが楽しみな素材だ。


 その後の試合は7回に高の代打水内が左中間への2ベースでチャンスを作ると、棚橋はレフトフライも林がライト前に落として水内生還の6対3とする。9回には比山が登場したが新外国人のグレスにストレートを叩かれてホームランを浴びる。しかし反撃もそこまで。6対4で大連が勝利した。


 今日は李東風によってプレゼントされた勝利に近かった。とにかく制球が定まっておらず楽にランナーをためることが出来たからだ。松浦のピッチングもあまり良くなかったのであまり嬉しくないだろう。また、7回にタイムリーを放った林に代走ノーリーが送られて、そのままライトの守備についたがどうやら劉監督はノーリーをこのままリザーブとして起用する意向のようだ。


その他の試合結果

35勝20敗5分 奉天 2-3 新京 30勝25敗5分

29勝27敗4分 チチハル 8-1 光州 17勝38敗5分

27勝29敗4分 ハルビン 5-4 平壌 26勝30敗4分

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