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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
81/188

楽に得られる勝利はない

[ホーム]大連

8星渡(5-1)

3柳中平(4-1)-ドラグノフ(0-0)

6棚橋(3-2)

9林(3-1)

5パウロ(3-1)-森茂

7アンジェロ(3-0)-水内

4近堂(4-2)

2清水(4-2)

1瑞穂(3-0)-平野-野藤-古池(1-1)-比山


[ビジター]横浜

6市川

8朴哲稀

3ハイパー

5室田

7スレッド

9金龍神

4渡部

2武慎剛

1山森


横 000 000 310 4 ●山森-下原-江島-小原新-沢田-加谷

大 014 000 01- 6 ○瑞穂(6 2/3-3)-平野(1/3)-野藤(1-1)-S比山(1)


 交流戦もいよいよ最終盤。横浜との2連戦を終えると25日、26日は朝鮮半島東北部の清津に遠征して2試合が行われ、第一次ドラフト会議を経て7月1日から通常のリーグ戦が再開される。各チームは開幕当初からの戦力が怪我、不調などで消える一方、新戦力の台頭や補強で加わった選手もおり色々と変化している。もちろん大連も同じで、当初の戦力予想とはまた違った展開が見られそうだ。


 さて、試合のほうは大連が序盤で決着をつけた。初回こそ無得点に終わったものの、2回に近堂の先制ソロホームランがレフトスタンドに突き刺さりまず1点。そして3回はビッグイニングとなった。先頭の星渡が左中間を破る2ベースでチャンスを作ると、柳中平が初球打ちでライト前に運んで星渡はそのままホームイン。棚橋はサードゴロで二塁封殺も、4番林のライト前ヒットとパウロの四球で満塁にする。アンジェロはレフトへの犠牲フライを打ち上げて棚橋が生還。そして近堂、清水の連続タイムリーが飛び出してこの回は4点を取った。


 大連先発の瑞穂はコントロールよく変化球を投げ分けてさくさくと試合を進めた。しかし横浜にも意地がある。それを炸裂させたのは7回であった。5番スレッドが四球を選ぶと、金龍神が右中間を破る2ベースを放ちまず1点を返す。続く渡部と武慎剛に対しては瑞穂が勝ったが、9番小原新への代打として登場したあの男が奇跡を呼んだ。


 金紀洋。この男は現代において珍しいほど欲望に忠実に生きてきた男である。その結果各地でトラブルを起こして球団を転々とした挙句、今季は所属チームすらなかなか決まらず浪人となっていたが5月の終わりに横浜が獲得した。全盛期はまさに出身の大阪的な、豪快さが魅力の大砲だったが加齢もありパワーは衰えていると言わざるを得ない。しかし、これまでに培ってきた技術と意地が力を与えている。


 2球で簡単に追い込まれたが、3球目はファール。そして4球目のやや高めに入ったストレートを振りぬいた打球はレフトスタンドに吸い込まれた。追撃の2ランホームラン。ベテランの一撃に他の選手も奮起した。市川、朴哲稀が連打で瑞穂をノックアウト。しかしハイパーは左キラー平野の前に三振となりこの回はここまで。


 続いては8回、大連の3番手野藤に対して先頭の男室田がレフト線を破る2ベース。スレッドはショートゴロに打ち取ったかに見えたが棚橋がエラーで一三塁に。このチャンスに対して金龍神がきっちりとセンターへ犠牲フライを上げる。ヒット1本でうまく得点を取って1点差とした。しかし大連は8回、キャッチャー清水のホームランが飛び出して6対4と突き放す。当初の楽勝ムードから1点を争う好ゲームとなった。9回、大連は守護神比山を繰り出してこの戦いにけりをつけた。大連の通算成績はこれで31勝20敗7分となった。

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