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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン前情報
8/188

戦力分析 チチハル

チチハル 前年7位

[先発]

リー

小早川

薮花

金伸和

鄧尚記

楊元男


[リリーフ]

ハンセン

長谷部

片岡

朴幸久

高麗


[スタメン]

6万城原

5丸木

9吉住

3星野

7カーセロ

8和泉

4楚明英

2李秀一


 名将高鉄龍監督(64)が就任して3年目。昨年はチームとして粘り強い戦いを見せ、秋まで4位争いを演じた。最後はズルズルと連敗して脱落したが、4年連続となる最下位からはようやく脱出した。今季は昨年以上の上昇気流を巻き起こしてAクラスを狙う。若手の台頭著しくリーグの台風の目となりうる存在だ。


 昨年の健闘を支えたのはリッチ・リー(29)の大活躍であったと断言しても良いだろう。来日1年目ながら絶対的なエースとして君臨し、奪三振のタイトルを獲得。伸びのあるストレートをコーナーいっぱいにコントロールよく投げ込む投球スタイルは見ていて気持ちいい。新たに2年契約を結んだが、Aクラスを狙うならこの2年が最大のチャンスである。


 大ベテラン小早川守(42)は昨年8勝を上げる奮闘を見せたがこの年齢ではいつまで持つかわからない。また、新人ながら夏からローテーションの一角を担った薮花忠光(19)はオープン戦では成長した姿を披露しているがこちらはまだ若すぎて未知数。本来リーに続いてほしいのは金伸和(33)あたりだが、この面子では過度の期待はできず、やはりリーに負担がかかる布陣となる。また、ロースター漏れの外国人投手を狙っているようで、その投手が加入すればローテーションに入ってくるだろう。


 リリーフも中心となって奮闘したのは外国人投手のバーナード・ハンセン(34)であったがそれ以外の投手もかなり結果を残した。特に、長らく期待されていた大器長谷部建(29)が昨年ようやくリリーフとして活路を見出したのは大きい。それまで見られなかった勢いあるストレートを武器に相手打者をねじ伏せる投球は圧巻だった。秋には息切れしたか炎上する場面が見られたものの8月までの投球を今季も続けられるなら大きな戦力となる。若い高麗一弥(21)とベテラン通順平(36)の珍妙な味を醸し出す凸凹ダブルストッパーも高監督の巧みな起用によってかなりの安定感を誇った。今季も併用策か、あるいは新たな一手があるのか。高監督の采配にも注目したい。


 打者はようやく星野徹也(29)とニール・カーセロ(33)以外にも信用できる打者が育ってきた。特に昨年一番打者に定着した万城原拓(22)と、打撃の成長により打順も下位から上位に座るようになった丸木夏裕(25)の台頭が大きい。万城原が出塁して丸木とともに揺さぶり吉住竜兵(26)、星野、カーセロのクリーンナップで得点というパターンの定着しつつある。また、昨年固定できなかった二塁手は楚明英(20)が俊足と思い切りのいいバッティングで評価を高めている。堅実な守備力を誇る本田正行(30)を控えに回し、楚をレギュラーとして育成する腹だ。


 ドラフトでは1位に寺沼芳之投手(18)、2位に神沢純外野手(18)と高校生中心の指名。あくまでも将来を見据えた育成を主軸としており、今季の戦力は昨年とほとんど変わっていない。それだけに順位を上昇させるには現有戦力の底上げが必須となる。キャンプやオープン戦を見ていると、確かに生き生きとしたムードの中で成長は見られるものの、Aクラスを狙うにはやや戦力が足りない印象だ。資本的に強力とはいえないチームで、大型補強は難しいだけに育成路線で活路を見出していくしかない現実の中、どのように勝機を見出していくか注目したい。

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