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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
72/188

連敗スタート 噛み合わぬ歯車

[ホーム]大連

8星渡(3-0)

3柳中平(3-0)

6棚橋(4-2)

9林(4-1)

5パウロ(4-1)-大上

7アンジェロ(4-1)

4本郷(2-0)-森茂(1-1)-ドラグノフ(1-0)

2清水(2-0)-立石(1-0)

1張尊(2-1)-古池(1-0)-小松原-黄直哉


[ビジター]名古屋

6新井

4江端

5森

7毛一浩

3斉木

9野森

8弘田

2大山

1吉井


名 000 001 010 2 ○吉井-浅生-S岩辺

大 100 000 000 1 張尊(7-1)-●小松原(1-1)-黄直哉(1)


 初回、大連は棚橋がレフトポール際へ放ったホームランで先制。しかしその後が続かなかった。吉井はコントロールと多彩な変化球を持ち崩れにくい投手。今日はスライダーの切れがいまいちで棚橋にホームランを打たれたのもそれだったが、2回以降はシュート主体に切り替えて内野ゴロの山を築いた。終わってみると7回を初回のホームランのみに抑えたのはさすがだ。


 大連先発の張尊も吉井に負けず劣らずのコントロールを持っており安定感の高い投手。淡々と名古屋打線を抑えていったが6回に落とし穴が待っていた。この回は1番新井から始まる打線だったが新井はサードゴロに抑えた。しかし続く江端に投じた内角に食い込むシュートを完全な体勢で振りぬかれた。打球はレフトスタンド最前列に飛び込む同点ホームランとなった。今季ここまでホームランはゼロ。守備もかつてと比較すると見劣りしており衰えも指摘されてきたが健在をアピールした。


 7回裏、大連は一死後本郷の代打森茂がレフト線にクリーンヒット。清水が送ってツーアウト二塁としたところで先発張に代えて古池を代打に送ったがセンターフライに倒れる。直後の8回表、2番手小松原はワンナウト二塁から弘田にライト線を破るタイムリー2ベースを浴びてしまう。弘田良平は高校時代浪速の四天王の一人に数えられ、期待された選手だったが昨年はやや伸び悩みも見せていた。ここでチャンスをつかめるかが今後の野球人生にとって重要になってくる。そんな相手に小松原のストレートはやや安易だったように見えた。


 9回、名古屋の切り札岩辺から一死後にパウロ、アンジェロが連打で最後のチャンスを作ったが代打ドラグノフはセンターフライ、立石はショートゴロに倒れて同点ならずゲームセット。大連の通算成績はこれで26勝17敗6分となった。2連続で湿った試合を見せられたファンはたまったものではないだろう。


 大連に帰還して有利に戦いを進めるはずがいきなり連敗スタートとなってしまった。この2試合で失点は4だが、それに対して得点はわずか1に終わった。結局のところ野球は点取りゲーム。たった1点では連敗も当然だ。6月、夏に入ったのでそろそろ疲労もたまってくる季節となった。そんな時期だからこそ、ここで踏ん張れるかどうかが今季の順位を左右する。打撃陣は奮起してほしい。投手が崩れる前に。

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