霧雨の古都 つばぜり合いの投手戦
[ホーム]京都
8青井
4棚田
3畠田
9バレンタイン
7グイエル
5皆本
6辛貴裕
2相沢
1立山
[ビジター]大連
8星渡(4-0)
7アンジェロ(3-0)-水内(1-1)
6棚橋(3-0)
9林(4-1)
5パウロ(4-1)
4近堂(3-0)
3柳中平(2-0)
2清水(3-2)
1吉野(1-0)-立石(1-0)-小松原-比山
大 000 000 100 1 吉野(7-1)-小松原(1)-比山(1)
京 000 001 000 1 立山-林昌雄
月曜日と2日の休養日を経て京都との2連戦。このチーム、今でこそ京都に本拠地を構えているが元々は国鉄を名乗り東京を本拠地にしていた。ファミリー主義でも有名で、それが馴れ合いの土壌を生みなかなか優勝できずにいたが20世紀の終わり、90年代はなかなかの強さを見せた。当初は東京が本拠地だったということで東京に対しては強い敵愾心を持っており、応援歌を歌う際にわざわざ「くたばれ東京」などと入れるほどである。しかし東京にいた頃はファンが少ない、故郷を持たない球団だったので移転したのは正解だった。本来はビジターの広島や大阪にホーム神宮球場をジャックされる光景が日常では情けない。それはともかく今季の京都は好調である。何より先発がいい。今まで獲得してきた好素材がいよいよ形になってきたか。それに打線はバレンタイン加入が大きい。早くも13本塁打と驚異的なパワーを爆発させており、本格化した畠田とともに打線に厚みを加えた。このままいくと面白い順位で終えることが出来るかもしれない。
さて、大連の打線はいつものメンバーに戻ったが打順を多少工夫し、好調のアンジェロを2番に置く新たな布陣を敷いた。そして先発は絶好調の吉野大吾。対する京都の先発は近年抜群の安定感を見せている立山昌大。まさにエース対決で予想通り両投手は好投。1点を争う好ゲームが展開された。
4回までは両者ともノーヒットだった。初ヒットは5回、京都のベテラン皆本慎二。名ショートだったが近年は衰えからサードに回されていた。しかし打撃技術は健在で2000本安打も視野に入れている。しかし続かず。大連の初ヒットは直後の6回表、先頭打者の清水が初球のストレートを打ち抜きレフト前に落とした。清水によると「当てずっぽうだった」との事だが絶妙なポテンヒットだった。吉野はきっちり犠打を決め、得点圏にランナーを進める。星渡はファーストゴロに倒れたがランナーは三塁へ進塁。そして2番に置かれたアンジェロだったがここは立山の勝ち。三振で先制点ならず。
そうしているうちに京都が先制点を挙げてしまう。6回、二死までは簡単に取ったが売り出し中のスラッガー畠田にレフトスタンドへホームランを打たれた。畠田は今年突然出てきたわけではなくここ数年ブレイクの欠片を積み重ねていた選手であり、要は実力である。続くバレンタインにも右中間に鋭い打球を飛ばされたがセンター星渡がよく追いついてナイスキャッチ。これ以上の炎上は防いだ。
7回表、ようやく大連打線が立山に牙をむいた。一死後、林がライト前ヒットで出塁。そしてパウロがレフトフェンス直撃の2ベースを放ってランナー二三塁。近堂はサードゴロでランナー自重して2アウト、柳中平は臭い球を器用にカットして四球を選び取った。2アウト満塁のチャンスで打席には清水。
劉監督はここで代打、例えば昨日3安打の金重男を起用という選択肢もあったが今日チーム初安打を打った清水に賭けた。そして清水はそれに応えた。球威に負けたような打球がフラフラと右方向へ飛ぶ。セカンド棚田がジャンプするが届かず、ライト前に落ちた。林はホームイン。パウロもホームを狙ったがライトバレンタインの強肩とキャッチャー相沢のブロックに阻まれて本塁憤死。逆転ならず。
以降は両チーム無安打でゲームセット。吉野は7回を、立山は8回をともに1失点と先発として十分な数字を残して降板、リリーフも見事な働きを見せた。大連も京都も今季は特に投手陣が好調で、今日のスコアはそれを反映した結果となった。大連の通算成績はこれで23勝14敗5分となった。




