名古屋へ ただ勝利だけを求む
[ホーム]名古屋
6新井
4江端
5森
7毛一浩
3フランコ
9グズマン
8大芝
2武繁
1チェイン
[ビジター]大連
8星渡(4-1)
3柳中平(4-1)
6棚橋(3-1)
9林(3-0)
5パウロ(4-1)-大上
4近堂(4-1)
7アンジェロ(4-2)
2清水(3-0)-森茂(1-0)
1フローデセン(2-0)-河剛紀(1-0)-黄直哉
大 020 000 001 3 ●フローデセン(7-4)-黄直哉(1)
名 000 310 00- 4 ○チェイン-浅生-S岩辺
東京での試合を連勝で終えた大連は名古屋に移動して試合を行う。対戦相手の名古屋は去年のリーグ王者に輝いたチームで、監督である押合博水のカラーがよく浸透している。チームの武器は質量ともに豊富な投手陣で、戦力になる投手が次々と登場するのでうらやましいという球団も多いはずだ。一方野手陣はどこか閉塞感があるというか、押合監督就任当初はセカンド新井ショート江端は鉄壁の守りと評されるほどであったがさすがに衰えが見え始めた。キャッチャー竹繁や昨年のMVP毛一浩などベテランに頼っているのが現状だが次は誰か、となるといまいち見えてこない。外国人は独自のドミニカルートが存在するが全体的に粗っぽい選手が多い。今季加入のグズマンなどその典型で、確かにパワーはあるがそれだけ、パワーほど怖くない印象である。しかし全体的にはよく統制が取れており、簡単に勝たせてはくれない球団だ。
大連の先発はフローデセン、名古屋はチェイン。チェインはストレートに定評のある左腕で2年前には防御率1点台を記録したこともある実力派だ。先制したのは大連。2回、先頭の林は平凡なサードゴロだったが森将広がエラーで出塁。パウロはレフトフライに倒れ、近堂はショートゴロで二塁封殺も一塁はセーフ。そして回ってきたアンジェロがチェインの149キロを計測したストレートをパワーで弾き返してライトスタンド下段に突き刺した。大連に入団して初となるホームランで2点をスコアボードに加えた。
3回までは安定したピッチングを見せていたフローデセンだが、打者が二巡目となる4回に捕まった。5月に入って調子を上げてきた新井が三遊間を抜くヒットで出塁すると、盗塁とセカンドゴロで三塁まで進む。そして2回に失策を記録した森が挽回の二塁打を放ち1点差。続く毛一浩はフローデセンのカットボールを捕らえてレフトスタンドへ逆転の2ランホームラン。経験と実績に関してはさすがなもので、ここぞの場面で一気に勝負を決めてくる。5回には大ベテランのキャッチャー武繁元徳がホームランを放ち4点目を加える。フローデセンは7回を4失点で降板。
名古屋は8回にセットアッパー浅生達也を繰り出し大連を三者凡退に抑えた。9回はもちろん岩辺仁志。しかし今季の岩辺は不安定で、今日もピリッとしないピッチングだった。特に右打者に対してはまったくの無力で、先頭の棚橋が早速レフト前ヒットで出塁。左打者の林はライトフライに打ち取ったが右のパウロにはセンター前ヒット、同じく右の近堂にはショートの後方に落ちるヒットで棚橋がホームイン。
なおもワンナウトでバッターは左打者のアンジェロだが、アンジェロは今日2安打を放っているので勢いに賭けて代打は送らず。しかしアンジェロは岩辺のスライダーの前に空振り三振。岩辺が未だ左打者に対しては抑える力がある所を見せた。最後は清水の代打森茂をサードフライに仕留めてゲームセット。大連の追い上げは届かなかった。これで21勝13敗4分となった。
岩辺はまたも打ち込まれながら最後の1点はやらないギリギリのピッチングでセーブを稼いだ。2点差なら1点取られ、3点差なら2点取られるという綱渡りが続いているがこれが最後まで持つわけがない。全盛期の磐石ぶりと見比べると力の衰えは明らかだが、今はまだ名前で抑えることも出来る。しかしこれ以上進むともう歯止めがかからなくなる。その先に待つものは、いや、あの言葉はその時になったら口にしよう。10年以上リリーフという過酷な世界で投げ続けた鉄腕も永遠に続くわけはない。むしろここまで持ったという事実こそ彼の偉大さを証明している。浅生もいるし名古屋はきっと大丈夫。




