戦力分析 開城
開城 前年5位
[先発]
朴仲哲
佐々木
田中清
ハーマー
山畑
岡武
[リリーフ]
川原
森
車智文
正田
タチトナ
黒垣
[スタメン]
8西平
4笠原
5肥後
7高弘美
3ハイロー
6竹端
9曹真永
2金順基
連覇を狙った昨年だったがまさかのBクラスに沈んだ。原因は高弘美(37)や田中清史(36)といったベテラン勢の不調にある。彼らの復活はあるのか。また、戦力になるほど成長する若手は出てくるのか。6年目を迎えたデニス・シグマール監督(47)の青い瞳には何が映るか。
一昨年の優勝は朴仲哲(33)、佐々木良平(35)、田中の三本柱がしっかりと機能していたからこそ達成出来たもの。しかし昨年は14勝の朴は健在だったものの佐々木は長いイニングになると球威が落ちるようになってきたし、田中に至っては6勝11敗4.67とまったくの不振に陥ってしまった。新外国人のケリー・ハーマー(31)や山畑博俊(28)は、技量的に先発ローテーションの5番手6番手は適任だがエースの穴埋めを任せるには荷が重い。
そこで期待されるのが新人の岡武聡次(22)や2年目の前宮幸弥(19)といった若手の台頭だ。岡武は速球はそれほどでもないものの多彩な変化球を使い分けて打者を手玉に取ることが出来る実戦派。前宮はサイド気味のスリークォーターからいきのいい速球をビシビシと放る。佐々木や田中といった先輩投手にどこまで近づけるか。ベテランが健在な今のうちが勝負。
リリーフは昨年、車智文(33)、森伸和(32)、川原直秀(29)の磐石リリーフトリオが不調や怪我によって全滅。肘の手術に踏み切った車は今季も絶望と報道されている。しかし昨年終盤は川原がセットアッパーとして復調、アレン・タチトナ(26)、黒垣尊雄(23)といった新勢力の台頭もあった。徐々に力を付けてきている正田竜介(24)あたりも絡めてリリーフ陣を再編する必要がある。タチトナ、黒垣はいずれも馬力任せの重い球が武器の本格派だが不安定なところもあるのでベテランの技巧派森の復調は欠かせない。リリーフに関しては新外国人補強も含めて様々な角度から検討しているという。
野手に関しては一にも二にも高の不調に尽きる。昨年は、今までなら確実にHRだった打球がフェンス手前で失速する場面も多く、パワーの衰えを感じさせるシーズンとなってしまった。高は自他共に認める「不器用な男」。かつてライバルと目された林のように自分のバッティングスタイルを変化させる姿は想像し難い。それだけに春季キャンプでは通常より重いバットで振り込むなどパワー復活のための練習を積極的にこなした。「今季駄目なら進退も考える」という言葉には悲壮感が漂う。
対照的に好調なのは肥後吉誠(36)だ。昨年は高に変わって四番を任された試合もあるほどの好調さだったが、今季もその流れは変わっていない。紅白戦やオープン戦でも安定したバッティングを披露しており、この年齢にして本格的に打撃開眼したようだ。場合によっては肥後がチームの打撃の中心を担うことになるかも知れない。捕手は金順基(28)と浜野路典(30)の併用と見られていたがここに来て浜野が顔面にデッドボールを受けて痛恨の離脱。開幕は金で行きそうだ。
ベテランの衰えにより若手選手の薄さが露呈したとも言える昨シーズン。投手は岡武、前宮らがいるものの野手は竹端邦仁(22)が堅実な守備を武器に売り出してきたくらいで吉田大輔(23)、李連次(21)といった中軸候補は未だに一軍戦力としては未熟で心許ない。昨年はベテラン肥後の好調が続いたため戦力としての被害は少なかったが、それもいつまで続くか分からない。実力でベテランに引導を渡すような生きのいい選手の出現に期待したい。




