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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
59/188

交流戦開幕 新たなる胎動

[ホーム]東京

8続木

4藤沼

6板本

7ラミレズ

2何慎介

9永野

5朴泰示

3高中大

1ゴンサルベス


[ビジター]大連

8星渡(5-1)

3柳中平(4-3)

6棚橋(4-2)

9林(3-1)

5パウロ(4-1)

4近堂(5-1)

7アンジェロ(4-1)

2清水(4-2)

1吉野(3-0)-李春稀(1-0)-石風呂-伊東


大 000 150 102 9 ○吉野(7-1)-石風呂(1)-伊東(1) 

東 010 000 000 1 ●ゴンサルベス-新村-久野-落井-ロメオ


 大連にとっての交流戦が今日開幕した。対戦相手の東京はNPBでもっとも歴史と伝統があると言われる強豪で、かつては9年連続日本一に輝くなど驚異的な強さを誇った。玉子焼きと並び称されたりとか今となってはお笑い種だがそれぐらいの人気はあった。しかし現状生え抜きの選手はどうにも頼りなく、かつてはおまけ扱いで適当に補充して適当に切られる役目だった外様選手に頼りまくってようやく優勝を掴んでいる。批判も高まっていたし最近は育成の東京を志しているが、まあ結果はこれから出るものなので今はあれこれ言う時期ではない。ただ金で即戦力選手を囲い込んで戦力にする技を使えるので、それを生え抜き面していいのならなかなか優秀な面子が揃っていると言えないことはない。


 さて、その東京であるがこの日のスタメンは日本屈指の金満球団にしてはあまりにも貧弱。もはや二軍同然だがこれは主力に怪我人が続出しているのが原因である。開幕前のベストメンバー構想から残っているのはクリーンナップ3人ぐらいで、成績もなかなか噛み合わず負け越している。本日故障から復帰した何慎介が5番キャッチャーとして先発出場しているがまだ体調は十分とはいえずいかにも苦しい。


 対する大連は新加入のアンジェロが早速7番レフトでスタメン起用。先発投手はここまで絶好調の吉野大吾。数字上は2試合連続先発だが間は1週間空いているのでエネルギー全開で投球できる。また、前の試合からほぼ1週間空いているので選手たちの体調もすこぶる良い。


 試合は2回、東京がラミレズのホームランで先制。ゴンサルベスは3回まで安定したピッチングを見せたが4回に少し崩れ、5回には大崩れした。まず4回から見てみよう。先頭の柳はレフトフライ、棚橋はセカンドゴロとここまではまったく危なげなかった。しかし4番林に左中間を破られる2ベースを打たれると突然コントロールが悪化した。パウロに対して3球連続ボール球を投げた末、カウントを取りに行くストレートを狙われて三遊間を破られる同点タイムリーを打たれた。


 5回は先頭のアンジェロにフォアボールを与えると、盗塁も許してしまう。ここであからさまにイライラし始めた。清水はセンター前ヒットも浅かったのでランナー自重。ピッチャー吉野に対しては結果的に三振を奪ったもののボール先行のピッチング。そしてトップに戻って星渡にライト前、柳にセンター前とタイムリーを連発され、とどめとして棚橋が右中間に弾丸ライナーの3ランホームランを打ち込んだ。


 ここでゴンサルベスは降板。イライラする癖をどうにかしないと今季限りとなる。あるいは今日で見切られたかもしれない。続いて登板したブロッケンの異名を持つ新村源太郎は安定したピッチングで6回まで無失点に抑えたが時既に遅し。5回の大量失点で吉野を楽にさせてしまった。


 大連はなおも畳み掛ける。東京の3番手久野から棚橋がタイムリー。9回にはロメオからパウロの犠牲フライと近堂のタイムリーで2点を追加して9対1。若手の多い今の東京打線には威圧感はなく、ラミレズにしても毎打席ホームランを打てるわけでもなし。吉野は7回を1失点で降板。9回には今季初登板のベテラン伊東を繰り出す余裕も見せて大連が快勝した。これで今季通算成績は20勝12敗4分となった。


 新加入のアンジェロは8回に落井から初ヒットを放った。盗塁も決めておりパワーとスピードを併せ持つという前評判は当たっているようだ。8回に代打で出てきた李春稀も今季初出場となる。持ち前のバッティングセンスを見せて一軍定着なるか。

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