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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
56/188

采配の正解とは結果である

[ホーム]チチハル

6万城原

5丸木

9吉住

3星野

7カーセロ

8和泉

4楚明英

2李秀一

1小早川


[ビジター]大連

8星渡(5-2)

3柳中平(4-2)

6棚橋(4-1)

9林(4-1)

5パウロ(5-2)

4近堂(5-1)

7水内(2-0)-折口(1-1)-大上(1-0)

2清水(4-1)

1石風呂(2-0)-フェリックス(1-0)-王貞成-金重男(0-0)-小松原-比山


大 000 010 021 4 石風呂(5-4)-王貞成(2)-小松原(1)-比山(1) 17勝12敗4分

斉 103 000 000 4 小早川-ハンセン-長谷部-高麗 15勝15敗3分


 本来は張尊が先発する日だったが負傷で登録抹消されているので谷間となった。大連劉監督が先発に起用したのは石風呂幹伸。リリーフ中心に今季もそこそこの投球を続けている左腕だ。勝ち越しのかかるチチハルは42歳の小早川守が先発。かわす投球技術は見事だが9回を投げきるスタミナはないので、どちらもリリーフの使い方が重要になりそうだ。また、パウロはサードに戻り、レフト起用はなかったことになった。


 先発の格からも分かっていたが先制したのはチチハル。初回、二死後に吉住竜兵が内角に迫ってくるスライダーを捕らえてレフトスタンドに運んだ。続いて3回、一死後万城原のセカンド内野安打と丸木のヒットエンドランで一三塁とすると打席にはまたも吉住。そしてまたも打たれた。左中間にあわやホームランという打球を飛ばして走者一掃のタイムリー3ベース。さらに星野徹也にライト犠牲フライを上げられてこの回3失点。しかしその後はある程度立ち直り5回まで投げて降板。


 大連の反撃開始は5回から。小早川の老練な技巧に後一本が出なかったがこの回は違った。まずは先頭の星渡が一二塁間を破るヒットで出塁。柳中平は送りバントで手堅くランナーを進める。棚橋は浅めのセンターフライでランナー動けずツーアウトになったが、4番林が見逃せばおそらくボールとなった低めに落ちる変化球を振りぬいてライト前に運ぶ。これで1点を返した。続くパウロはレフト前ヒット、近堂は四球で大きなチャンスが訪れたが水内はショートゴロで得点ならず。この直後の打席で小早川には代打が送られた。


 リリーフ対決となった後半戦。リードを守りきりたかったチチハルだったが終盤に捕まってしまった。8回、3番手の長谷部に対して大連は水内を下げて代打に折口を送る。その折口がレフト前ヒット。今季は初打席のホームラン以降なかなか当たりが出ていなかった折口だがようやく結果を残した。すかさず代走大上が送られる。


 清水はライトフライに打ち取られてワンナウト。次はピッチャー王の打席で代打に出された金重男がフォアボールを選びランナー一二塁。トップに戻って星渡はセカンドゴロ。チチハルはダブルプレーを狙い一塁走者はアウトにしたが星渡はセーフ。続く柳中平は長谷部のストレートを見事に捕らえた。左中間真っ二つのタイムリー2ベースで大上と星渡が生還。これで1点差。


 9回、チチハルはリリーフエースの高麗一弥を投入。林から三振を奪うもパウロに対して投じた2球目のストレートは高すぎた。パウロの野生がホームランという形で炸裂。大型のドーム球場であろうとツボにはまれば楽々スタンドインするパワーはやはり素晴らしい。後続の近堂と大上は力で押さえ込んだだけにパウロに対する1球が悔やまれる。9回裏、大連のマウンドには比山仁が立った。1番万城原から始まる大連としてはやっかいな展開だったが見事3人で仕留めて引き分けを勝ち取った。


 引き分けで勝ち取ったとは変だが1回から8回までリードされる展開だったものを引き分けにまで持ち込んだのだから上出来だ。逆にチチハルは掴みかけた勝利を後一歩のところで落としてしまった。ベテラン小早川をもう少し引っ張ったほうが良かったのか。今更そんな事を言っても結果論にしかならないが。勝ちきることの重要さと大変さをチチハルナインに突きつける試合であった。


その他の試合結果

14勝16敗3分 開城 3-6 奉天 19勝11敗3分

9勝20敗4分 光州 5-3 ハルビン 14勝17敗2分

13勝19敗1分 平壌 4-2 新京 18勝11敗4分

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