不思議な投手リンド
[ホーム]大連
8星渡(4-0)
3柳中平(3-2)
6棚橋(4-1)
9林(3-2)
5パウロ(3-0)-1小松原-立石(1-0)-野藤-比山
4近堂(4-1)
7水内(3-1)
2清水(3-1)
1王貞成-河剛紀(1-0)-リンド(1-1)-平野-フェリックス(1-0)-5
[ビジター]ハルビン
7ボルト
9田中
6井沢
2田坂
8篠原
4ロバーツ
5南吉展
3郭当午
1ノリッジ
哈 101 000 010 3 ●ノリッジ-鈴木真-横浦 13勝14敗2分
大 010 301 00- 5 王貞成(3-2)-○リンド(2 2/3)-平野(1/3)-小松原(1)-野藤(1-1)-S比山(1) 16勝10敗3分
いわゆる先発の谷間に当たる今日の試合、大連の先発はリリーフでぼちぼち投げていた王貞成。昨年も数試合先発を経験している地元大連出身の右腕である。その王は初回、いきなりボルトに内野安打を打たれて盗塁もされるがボルトの俊足相手ではどうしようもない。ハルビンの2番に入っている田中海のファーストゴロでボルトは三塁まで進むと、井沢のライト前ヒットで帰還してハルビンが1点先制した。井沢は3番に置かれたことで得意のライナー性の鋭い打撃が見られるようになった。王は3回に田中海に今季初となるホームランを献上するなど3回を2失点で降板。2番手には4月の終わりに支配下登録されたばかりのマシュー・リンドが一軍初登板という大胆な采配を繰り出してきた。
リンドは198cm82kgとまだ肉体的には未完成ながら非常にキレのあるストレートを投じてくる。めちゃくちゃなフォームでもちろんコントロールも全然ないがそれゆえの迫力はある。データが揃っていないこともありハルビンの打者はリンドの球威とノーコンに翻弄されっぱなしだった。
4回は先頭の篠原にストレートの四球、ロバーツにも3連続ボールで8球目にようやくストライクを入れたものの次の球もボールで結局フォアボール。しかし南吉展と郭当午に対しては突然ストライクが入るようになった。本人いわく「緊張が取れた」ということらしい。完璧な投球で連続三振を奪った。続くピッチャーのノリッジに対してはまたしてもノーコンがぶり返して四球。ツーアウト満塁で打者はボルトだが、ボルトは初球のストレートを引っ掛けてピッチャーゴロに抑え、本塁封殺で無失点に抑えた。
リンドの不思議なピッチングでハルビン先発ノリッジのリズムが乱れたか、直後の4回裏に大連の猛攻が出た。まず、先頭の棚橋が左中間フェンス直撃の2ベースヒットと林の四球でチャンスを作る。パウロ凡退も近堂がライト前に流してタイムリーヒットで1点。続いて2回にはソロホームランを放った水内はサードゴロもフィルダースチョイスで満塁となり、清水のレフト後方への犠牲フライで3対2と逆転に成功。そしてピッチャーリンドはそのまま打たせたところまさかのセンター前タイムリーヒットを飛ばした。棒立ちの打撃フォームでまったく打てそうになかったがわからないものだ。とにかくこの回の3点で勝負はかなり有利になった。
リンドは5回も1安打と1四球を出すものの5人で抑えた。6回はツーアウト満塁としたところで降板し、代わった平野が左打者の井沢をきっちりセカンドゴロに仕留めた。まったく荒削りな投手だが素材は特Aものだ。
大連は7回に柳中平がこの回から登板したハルビンの2番手鈴木真之からライトスタンド最前列にホームランを打って5点目とする。ハルビンは8回に野藤を攻め立てて郭当午の3ベースヒットと代打原田三希のセンター返しによるタイムリーヒットで5対3まで追い上げたがそこまで。9回は比山の前に3人で攻撃終了して試合終了。借金生活に戻った。
先日からちょくちょく代打として出場しているフェリックスにせよ、本日の勝利投手となったリンドにせよ、実力があるのかないのかよくわからないがバイタリティは満ち溢れている若手外国人選手がチームに新風を巻き起こしている。2番に起用してから2試合で7打数6安打と大爆発している柳中平もそうだが、今の大連は変化を付けることによって良い流れを生み出している。
その他の試合結果
17勝8敗4分 新京 6-0 チチハル 12勝15敗2分
16勝11敗2分 奉天 5-2 光州 7勝19敗3分
14勝12敗3分 開城 8-1 平壌 10勝18敗1分
