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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン前情報
5/188

戦力分析 奉天

奉天 前年1位

[先発]

星村

宇治

王丈広

サンタナ

李佑里

春野


[リリーフ]

乙部

片倉

松本

朴賢侍

ファン

丸茂


[スタメン]

5横山

6ローマン

9西崎

8長谷川

7間口

3ベンソン

2漢

4佐藤


 昨年は漢隆太郎(24)、西崎聡(23)といった若手の台頭や、坂本潔監督(58)の巧みな選手起用が光り6年ぶりの優勝を果たした。となると今季の目標は連覇といきたいところだが坂本監督は「(昨年の優勝は)まぐれみたいなもん。まだまだウチにそんな力はない」と慎重さを崩さない。確かに個々の選手を見てみると他を圧倒する実力を有しているというわけではない。しかし、選手は野球をよく理解し、緻密な作戦を忠実に遂行できるという強さがある。今季も確実にAクラスに入ってくるだろう。


 投手陣で心身ともに充実しているのは昨年14勝を上げたエース星村愁輔(29)だ。オフには待望の第一子も誕生し、今季は15勝とチームの連覇をと意気込んでいる。また、育成枠を経て昨年は11勝とブレイクしたホセ・サンタナ(25)は見るたびに良くなっている。春季キャンプにチームOBで野球評論家の真田光春氏(43)から教わったフォークボールも自分のものにした印象で、その迫力ある荒れ球ストレートと相まってかなり強力な武器となりそうだ。昨年の好成績に溺れず常に向上心を持ち続ける研究熱心なところも成績を伸ばした一因か。奉天には野球に対して真面目な選手が多い。坂本監督の現役時代から変わらぬ伝統は佐藤竜一(37)、王丈広(33)らを経てサンタナ、漢、西崎ら若手選手にまで脈々と続いている。


 リリーフも不安要素は薄い。経験豊富で大崩れしないベテラン片倉千比呂(35)、サイドスローに転向してから道が開けた松本伊吹(24)、昨年いきなり台頭した速球が魅力の乙部公文(21)、昨年トライアウトから加入して終盤に好投を続けた小林大良(29)などバラエティ豊かな投手を取り揃えており他球団からうらやましがられている。抑えの切り札は3年目を迎える中国系アメリカ人ケリー・ファン(30)で確定的。大学時代は東都の大魔神と呼ばれた新人の丸茂東遊(22)の球威はプロでも通用しそうだ。この強力リリーフ陣をどのように運用していくのか。坂本監督の極めて贅沢な悩みは尽きない。


 野手に爆発力を加えるため獲得した大型大砲ギャリー・ベンソン(32)はこれまでのところ日本的な変化球攻めに戸惑っている様子だ。しかし丸太のように太い腕から繰り出されるスイングは迫力十分。もっとも、ベンソンが期待外れだとしても攻守に堅実な蔡均森(26)が控えており大幅なマイナスとはならない。奉天には横山早樹(27)、長谷川智樹(28)など安定して好成績を残す選手が多い。横山は俊足好守の異色三塁手。ストレートの球威に逆らわない綺麗なバッティングが持ち味。長谷川は四番センターが板についてきた。攻走守どれも優れた5ツールプレイヤーとしては屈指の存在で今季の目標は3割40本。


 攻守に洗練された実力を持っており、満洲を代表する強豪である。若手からベテランまで、誰もが一丸となってチームの勝利のために邁進する姿は他球団の模範となるべきものである。若手も続々と台頭しており、今季は投手では丸茂、長沢広之(19)、野手では田辺裕矢(20)、黄勇真(21)らがキャンプでアピールを続けており、一軍枠のサバイバルレースも盛況だ。リーグのみならず日本一の称号をも狙える位置にいる。

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