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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
48/188

完封アンド完封

[ホーム]大連

8星渡(3-1)

7高遼二(2-0)-大上

6棚橋(3-1)

9林(4-1)

5パウロ(4-0)

4近堂(2-0)-折口(1-0)-森茂

3柳中平(3-1)

2清水(3-0)

1瑞穂(3-0)


[ビジター]奉天

5横山

6ローマン

9西崎

8長谷川

7間口

2漢

3市松

4佐藤

1星村


奉 000 000 000 0 星村 14勝9敗2分

大 000 000 000 0 瑞穂(9) 13勝9敗3分


 2位奉天と3位大連の直接対決、しかも大連は瑞穂、奉天は星村の先発対決が1週間を経て再び見られるということで注目されていた一戦。前回屈辱的な結果に終わった瑞穂が気迫のこもったピッチングを見せれば、星村はさらに安定感を高めた磐石の投球を披露し、華麗なる投手戦が繰り広げられた。この2人の対決、9回ではあまりにも短すぎた。


 初回、瑞穂は先頭打者の横山とローマンを連続三振、西崎も完全に詰まらせてのピッチャーフライと力強いボールで三者凡退に抑えた。対する星村はよく低めに制球された変化球が冴えて星渡、高遼二、棚橋といずれも内野ゴロに打ち取った。いつになく球威のあるボールで牛耳る瑞穂と相変わらず破綻のないコントロールの星村という構図のまま、4回までどちらもノーヒットという展開で試合は進行していった。


 ようやくヒットが生まれたのは5回裏、二死後に柳中平が外角げのストレートを逆らわないバッティングで綺麗に流し、レフト前に落ちるヒット。しかし清水はタイミングを崩されたピッチャーゴロに打ち取られて続かず。奉天の初ヒットは6回表、一死後8番打者の佐藤竜一がサードへのセーフティーバントを成功させた。ここまでヒットはおろか出塁すらなかった奉天だがベテランの技巧で完全試合ペースにピリオドを打った。星村の送りバントで二塁まで進んだが横山はレフトフライで得点は許さない。


 結局両者を止めたのは回数制限のルールだった。星村は被安打4の四球2、瑞穂は被安打3の無四球、いずれも9回を無失点で投げきり勝敗はつかず。7回表、二死後に長谷川と間口の連続ヒットでランナー一三塁まで進めたのが唯一得点のチャンスらしいチャンスだったが、瑞穂は本日最速の149キロを計測する力投で市松をキャッチャーゴロにねじ伏せた。


 大連の攻撃では、星渡が1安打1四球でその度に今日2番に入った高が送りバントを決めたが結局三塁に進めることは出来なかった。4回には星渡を二塁に置いて林が右中間に痛烈なライナーを飛ばし先制かと思われたが、ライト西崎のダイビングキャッチが飛び出すなど守備も両チームとも無失策で、しまった試合内容だった。


 本日4月29日は昭和の日である。この試合はまさに昭和の初期、プロ野球が勃興した当時の大エースによる投げあいを再現したかのような展開であった。渤海に沈みゆくオレンジの夕日に照らされた大地に伸びる影はマウンドを守る孤独なヒーローの姿を鮮やかに切り取っていた。


その他の試合結果

11勝12敗2分 チチハル 3-1 ハルビン 12勝11敗2分

9勝15敗1分 平壌 7-3 光州 5勝17敗3分

14勝7敗4分 新京 2-2 開城 11勝11敗3分

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