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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
47/188

松浦初勝利 乱れ飛ぶホームラン

[ホーム]平壌

7小谷

4鳥内

8志田

3趙民陽

5鈴木

6奈良橋

9幕内

2仲里

1前田


[ビジター]大連

8星渡(3-2)

7水内(3-0)-河剛紀(2-0)

6棚橋(4-1)

9林(4-1)

5パウロ(3-1)

3柳中平(4-0)

4近堂(3-2)

2清水(3-0)-金重男(1-0)

1松浦(2-0)-立石(1-1)-野藤-小松原-森茂(0-0)-比山


大 010 200 200 5 ○松浦(6-2)-野藤(1)-小松原(1)-S比山(1) 13勝9敗2分

平 010 001 000 2 ●前田-西向-森 8勝15敗1分


 大連は2年目の松浦が、平壌は元山から戦力外通告を受けたものの合同トライアウトを経て今季から加入した前田道雄が先発。ともに今シーズンは中継ぎからスタートして先発に配置転換された投手である。大連の2番レフトは今日も引き続き水内が入る。


 初回、大連は先頭の星渡が四球で出塁するとすかさず盗塁を決めてチャンスを作るが水内三振、パウロライトフライで星渡は三塁へ進むも林はセカンドゴロで先制ならず。その裏、松浦の初先発、初球は147キロのストレートが外角低めに決まるストライクだった。その後ボールを2球続けたが、4球目の高めに入るストレートはバッター小谷を詰まらせてサードフライに打ち取り、先発として初のアウトを奪う。その後も鳥内はショートゴロ、志田はセンターフライに抑えて無難な立ち上がりを見せた。


 大連は2回、簡単にツーアウトを取られたが7番の近堂がカウント2-2からやや高めのスライダーを左中間に叩き込む先制のホームランとした。しかしその裏、鈴木勇気にレフトポール際に飛び込むソロホームランを打たれ同点とされてしまう。


 4回、大連は先頭の棚橋が今季2本目となるホームランをライトスタンド中段に叩き込むと、一死後はパウロもレフトスタンドにソロホームランを放ち松浦を強力援護。松浦は初先発だと気負うこともなく、リリーフで見せたものと同じような、伸びやかなストレートを投げ込んでいた。6回一死後趙民陽にホームランを打たれ、なおも鈴木と奈良橋に連打で一三塁と、長打が出れば逆転のピンチを迎えたが幕内をサードフライ、仲里を三振に打ち取った。


 松浦は直後の攻撃で代打を送られたので6回2失点で降板となったが、十分合格点が与えられる内容でプロ初勝利を手にした。そして松浦の代打で登場した立石が初球のストレートを振りぬいた打球はレフトポール直撃。ベテランが放った一昨年の8月以来のホームランで前田をノックアウト。代わって登板した西向大志だが、トップに戻って星渡が内角をえぐるカーブをコンパクトなスイングでジャストミート。ライトスタンドに飛び込む連続ホームランで松浦の勝利投手を確固たるものとした。後は野藤、小松原、比山の継投策で逃げ切った。


 前日の停滞する雰囲気をホームラン攻勢で吹き飛ばした。大連の5点と平壌の2点はすべてソロホームランによるもので、なかなか派手な試合だった。逆に言うとタイムリーヒットはなかったので、打線のつながりという課題は据え置かれたままではあるが。最近は立石が実質代打の一番手となっているが、打てなくても粘って四球を選ぶなどベテランらしい味を随所に見せている。肩を痛めたこともあり守備はほとんどできないのは往年の名ショートを記憶している者としては淋しいが、それでも野球の姿勢など若手は学ぶものが多い。次節はホームに戻り奉天と対戦する。


その他の試合結果

10勝12敗2分 チチハル 1-0 光州 5勝16敗3分

14勝9敗1分 奉天 8-6 新京 14勝7敗3分

12勝10敗2分 ハルビン 5-4 開城 11勝11敗2分

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