戦力分析 光州
光州 前年8位
[先発]
奥森
坪倉
スミス
陳良文
筑原
片平
[リリーフ]
宮内
李吉男
河原林
ラスター
大越
戸田垣
[スタメン]
3大深
4真野
8マイヤー
9小金井
5久保岡
2山岡
4白知秋
7朴芳一
黄金時代は完全に過去のものとなった。昨年は序盤から最下位を独走。6月で今井幸一監督は休養となり、陳文安ヘッドコーチが監督代行に就任するなどゴタゴタに終始してしまった。昨年まで投手コーチを務めていた辺大建監督(51)のもとで再建のシーズンとなる。
投手陣は昨年9勝を挙げた3年目の奥森和世(20)が柱となりそうだ。150キロを超えるストレートとスライダーの威力に加え、若くして非常にクレバーな投球術を心得ているので計算できる。今季は2桁勝利がノルマ。また、昨年は新人ながら初登板初完投と希望を見せた坪倉徹道(19)も好調だ。ベテラン片平正義(38)やジャック・スミス(36)といったベテランも若手には負けないという意地を見せたい。しかしやはり高卒2年目や3年目の投手がチームの中心を担わざるを得ないとはいかにも心許なく、今季も苦戦は必至か。
リリーフは戸田垣修宏(30)の負傷離脱が致命的だった。代役となった大越路雄(21)はいきのいいストレートとフォークボールを武器に健闘したものの、若さが出て手痛い一撃を浴びる場面も多く、7敗と安定感を欠いた。そこでリリーフ専門の新外国人ホセ・ラスター(28)を獲得した。しかしこのラスター、確かにストレートは威力があるもののコントロールはいまいちでどこまで対応できるか。戸田垣の復活と大越の成長に期待するほうが無難だ。
野手は朴芳一(36)、ジェス・マイヤー(35)、小金井大智(39)のベテラン外野勢は相変わらず磐石だが内野手はまだまだ。二塁手は新人の白知秋(22)を据えるがシーズンを通じてどこまでやれるかは完全に未知数。大深直十(26)や久保岡武徳(23)もグッドプレイヤーではあるがもう一皮剥けないと厳しい。やはり小金井らベテラン頼りになるのも致し方なしか。
その小金井は昨年もカンファレンス2位の38本塁打を放つなど衰えなし。6月には不惑を迎える不出世の大型スラッガーの引退はまだまだ先の話になりそうだ。マイヤーの鍛えられた肉体、朴の老獪さといったベテランならではの持ち味を見るのも楽しい。また、契約更改の際に今季限りでの現役引退を明言した勝田真言(41)にも注目。黄金時代には強打の二塁手として活躍し、現在では代打の切り札としてその名前がアナウンスされると「カツタコール」が巻き起こる人気選手。打撃にこだわった職人の雄姿を目に焼き付けておきたい。
全体的に、有望ではあるが今は未熟な若手と四十路に手が届くベテランが主力となっている極めていびつなチーム構成となっているのはいかにも苦しい。本来ベテランたちに取って代わるべき大深や久保岡、投手では陳良文(28)や筑原明(26)といった選手がもう一つ伸びきらない。
辺監督はキャンプで早朝の散歩を行うなどチームとしての一体感を高めるために苦心しており、今のところ一定の成果は出ている。しかし、若手の威勢の良さや小金井、朴、片平といったベテラン勢の余念のなさは目に付くものの中堅選手がチームを引っ張っていこうという姿はあまり見られなかった。あえて厳しい言い方をすると自覚に欠けている。今季はベストナインを狙うというくらいの気迫を持って精進してほしい。




