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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
38/188

大逆転 負けてたまるか

[ホーム]大連

8星渡(3-0)

7ノーリー(3-1)-大上

6棚橋(3-0)

9林(4-2)

5パウロ(4-2)

3柳中平(3-0)-古池(1-0)

4近堂(4-1)

2清水(2-1)

1フローデセン(2-1)-黄直哉-立石(1-0)-野藤-比山


[ビジター]平壌

7小谷

4鳥内

8志田

3趙民陽

5鈴木

6奈良橋

9幕内

2仲里

1マーフィー


平 001 001 000 2 マーフィー-大河内-●サーディー-近藤 4勝10敗1分

大 001 000 03- 4 フローデセン(6 2/3-2)-黄直哉(1/3)-○野藤(1)-S比山(1) 8勝5敗2分


 最下位に沈んでいた平壌に本拠地でまさかの連敗。3タテの屈辱だけは避けたい大連はフローデセンが先発。平壌は3年目のリッキー・マーフィーを先発と、外国人対決となった。また、昨日の試合で負傷退場したカストロは登録抹消され、5番サードには鈴木勇気が入った。


 先制点はまたも平壌。3回表、先頭の幕内がレフト前ヒット。仲里はきっちり送ってランナーは二塁へ。マーフィーは三振に切ったがトップに戻って小谷駿馬がカウント2-1から3球目のカットボールを叩いてライト線へのタイムリー2ベースとした。


 大連もその裏にすぐさま反撃。先頭の清水が四球で出塁すると投手のフローデセンがライト前に弾き返すヒット。フローデセンはかなり強い打球を飛ばすことが出来るので9番目の打者としても面白い存在だ。トップに戻って星渡がセンター後方に大きなフライを打ち上げ、同点の犠牲フライとした。


 6回表、平壌は先頭の鳥内がレフトへの2ベースでチャンスを作ると、志田のライトフライでランナー三進。4番の趙はサードゴロに打ち取ったが今日5番に入った元気者の鈴木勇気に5球目のチェンジアップをライト前に打ち返され、逆転のタイムリーを浴びる。長らく4番サードとして君臨していたカストロの登録抹消というチャンスをものにしようと張り切っている鈴木がここで結果を残したのは本人にとっても平壌の金監督にとっても喜ばしい事だろう。フローデセンは次の7回にツーアウト一三塁のピンチを作ったところで降板。代わった黄直哉は鳥内をセカンドフライに打ち取って追加失点を逃れた。


 平壌はここから継投策で逃げ切りを図る。しかし8回に大連の意地が炸裂した。平壌のマウンドにはこの回からサーディーが立っていたが、ややコントロールに難があり先頭のノーリーにストレートの四球を与える。ここが勝負所と見た劉監督は代走に大上を投入。大上は期待通り2球目に盗塁を成功させてチャンスを広げた。棚橋のセカンドゴロの間に三塁まで進むと4番林はストレートを完璧に打ち返したセンターオーバーのタイムリー2ベースで同点に追いついた。


 ここでサーディーは降板し、21歳の近藤健輔が登板。しかし流れを止めることはできず。パウロは2球で追い込まれるも4球目のフォークがすっぽ抜けた高めの球を捕らえ、センターバックスクリ-ンに逆転の2ランホームランをぶち込んだ。その飛距離は実に136mで、打った瞬間にそれと分かる完璧な当たりだった。9回は比山で安泰。3人できっちり試合終了まで持っていった。ここまで無失点のピッチングを続けている野藤が2勝目を上げた。


 大連は最後の最後で打撃陣が躍動して勝利を手にした。しかし平壌は強かった。特に呉、松宮の両エースが見事なピッチングを見せて大連打線を寄せ付けなかった。打撃も趙や志田といった主力の状態が上がってきた。カストロは退場したものの代役の鈴木は攻守にガッツあふれるプレーを見せており面白そう。開幕ダッシュに失敗したが巻き返す力を持っていると証明する3連戦だったといえるだろう。


その他の試合結果

5勝9敗1分 チチハル 2-8 新京 9勝5敗1分

8勝6敗1分 開城 2-4 光州 4勝9敗2分

8勝6敗1分 ハルビン 5-1 奉天 8勝6敗1分

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