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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
31/188

完敗も光あり

[ホーム]新京

3矢野元

8武沼

2英

9劉照凱

7七沢

6バジーノ

5ボンズ

4呉高波

1際田


[ビジター]大連

8星渡(3-1)

7ノーリー(2-1)

6棚橋(4-0)

9林(4-1)

5パウロ(3-0)

3柳中平(4-1)

4近堂(2-0)-大上

2清水(2-0)-金重男(1-0)

1張尊(2-0)-松浦(1-0)


大 000 000 000 0 ●張尊(5-3)-松浦(3) 4勝3敗1分

新 200 020 00- 4 ○際田 6勝1敗1分


 火の玉のようなストレートを武器にエースとして君臨していたが、ここ数年は怪我に泣かされてきた新京の際田投手。今季の復活にかける気迫にあふれた完封劇だった。初回はコントロールが定まらず、星渡とノーリーにフォアボールを与えたが棚橋を三振。続く林にライト前に運ばれたが劉照凱の好返球で間一髪星渡を殺した。このプレーでようやくエンジン全開となったか、続くパウロをストレート主体で押しまくり、最後はピッチャーフライに仕留めた。爆発的なパワーを持つパウロを力で押さえ込むほどストレートに威力が戻ってきた。


 際田を援護したい新京は直後の一回裏、先頭の矢野元が四球を選び出塁。武沼が送りランナーは二塁へ。英はセンターフライに倒れたものの、先ほど強肩を披露した劉照凱が外角に逃げるスライダーを捕らえ、レフトスタンドに放り込んだ。先制の2ランホームラン。守備で乗った勢いを打撃にも持ってきた形となった。


 それから4回までは張は老獪な技術で、際田はパワーでそれぞれ無失点に抑えたが5回裏、ピッチャー際田がバットでも魅せた。一死後に登場した際田は三塁線を抜く痛烈なゴロを放ち二塁打に。続く矢野元の右中間に落ちるヒットで際田ホームイン。3点差に突き放す。続く武沼はボテボテのサードゴロだったがパウロが一塁に悪送球でワンナウト二三塁に。英のレフト犠牲フライで0-4となった。


 際田の力強いピッチングは最終回まで衰えず、11奪三振を手土産に3年ぶりの完封勝利を成し遂げた。ヒーローインタビューではその瞳に光るものが浮かんだ。陽気な性格で知られる際田だが実際は繊細で、怪我の苦しみゆえに精神的に荒れた時期もあったという。しかしそれもこの日の完封劇でひとつ報われた。


 大連の今日の収穫は3回を投げて被安打1無失点の松浦。ある程度長いイニングでも安定した投球を披露しており、先発として試しても面白いのではないか。ドラフト指名時は素材型といわれたがなかなかコントロールがまとまっており、スライダーやチェンジアップといった変化球の精度も良い。肉体が完成すればストレートはまだまだ伸びそうで楽しみな逸材だ。


その他の試合結果

4勝4敗 ハルビン 1-6 光州 2勝6敗

4勝4敗 チチハル 3-2 奉天 4勝4敗

2勝6敗 平壌 8-5 開城4勝4敗

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