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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
29/188

連敗 打ち合いも及ばず

[ホーム]開城

8西平

4笠原

5肥後

7高弘美

3ハイロー

6竹端

9曹真永

2金順基

1岡武


[ビジター]大連

8星渡(4-3)

7ノーリー(4-2)

6棚橋(5-1)

9林(3-1)

5パウロ(4-0)

3柳中平(4-1)-1野藤

4近堂(4-1)

2清水(3-0)-鈴木(1-0)

1趙雅憲(1-0)-斎場-立石(1-1)-原-石風呂-折口(0-0)-大上-松浦-古池(1-0)-3


大 002 020 210 7 ●趙雅憲(2-5)-斎場(2-2)-原(1-2)-石風呂(1)-松浦(1)-野藤(1) 4勝2敗

開 115 020 00- 9 岡武-○川原-森-タチトナ-S黒垣 3勝3敗


 両チームの先発をはじめとした投手陣の出来が低調で乱打戦となった。開城の先発岡武は先頭打者星渡にデッドボールをぶつけてしまう、この回こそ無失点に抑えたものの波乱を予感させるには十分の試合開始だった。対する大連先発の趙雅憲も球威が不足しており不安定な出来。一死後、笠原に右中間に運ばれて2ベース、肥後と高に四球で早くも満塁のピンチを迎えるとハイローに対する4球目をきっちりライトまで打ち上げられ、犠牲フライで開城先制。


 2回裏、金順基が低めのストレートをしっかり捕らえて2ベース。岡武が犠打を決めて2アウト三塁から西平にタイムリーヒットを浴びる。しかし直後の3回表、大連打線が不安定な投球を続けた岡武をようやく捕らえ始める。星渡がショート内野安打で出塁するとすかさず盗塁。そしてノーリーのレフト前ヒットでノーアウト一三塁。棚橋はショートゴロダブルプレーとなるもその間に1点。そして四番林が真ん中に入ってきたストレートをライトスタンドに叩き込んだ。これは岡武の失投だったが見逃さなかった林もさすが。これで同点となったがそれも束の間だった。


 3回裏、先頭の肥後が初球をホームラン。高、ハイローの連打から竹端に四球でノーアウト満塁となったところでピッチャー交代。趙雅憲は先発もリリーフもこなす投手陣の便利屋といえる存在だが今日はかなり乱れてしまった。肥後へ投じたボールのコースはそこまで悪くなかったが全体的に球威がなかった。ノーアウト満塁でマウンドを譲り受けた斎場だが、彼も流れを止めることは出来なかった。金にセンター前タイムリーヒットを浴びて2失点。岡武は三振も西平と笠原にもタイムリーを浴びてこの回5失点。なお西平のタイムリーの際に竹端に続いて金もホームを狙ったが林の好返球に阻まれてツーアウト。再び回ってきた肥後を捕邪飛に打ち取りどうにかこの回を終えるも決定的な差がついてしまった。


 5回表、先頭打者は投手である斎場の代打立石篤志。今季移籍してきた37歳のベテランが大連での初打席で三塁線を抜くしぶといヒット。星渡も続いてノーアウト一三塁からノーリーのライト犠牲フライで立石生還。続く棚橋は粘った末に左中間フェンス直撃の強烈なライナーを放ちタイムリー2ベース。今季3番ショートに抜擢されたもののなかなか結果が出せなかった棚橋だったがついに待望の一撃が出た。ここで開城シグマール監督は岡武をあきらめて川原投入。後2アウトで勝利投手の権利を得るところだったが今日の投球では与えられないのも致し方なし。川原は林とパウロをともにセンターフライに仕留めて反撃を断ち切る。その裏には笠原の2ランホームランが飛び出し4-9に。


 7回、意地を見せたい大連の反撃が始まる。4番手石風呂の代打折口が四球を選び代走大上徳博に交代。星渡が左中間真っ二つのタイムリー3ベース、続くノーリーがセカンドとライトの間に落とす渋いヒットでまず2点を返す。8回にはセットアッパーであるタチトナから近堂がレフトへのホームランを放ち7-9まで追い上げるも9回は黒垣に抑えられて万事休す。大連は7回に松浦、8回には勝ちパターンの継投に使われる野藤まで繰り出したが及ばなかった。


 これで大連は連敗となった。序盤に点を取られすぎた。特に趙と原は30代で経験も積んできただろうに不甲斐ない。一方若手は棚橋がついに三番打者の水になれてきたようで痛烈なタイムリーヒットを放った。また、松浦の意気のよさも大連ファンには希望だっただろう。しかし負けは負け。次は優勝候補筆頭と名高い新京との対戦となる。移動も大変だろうが気を入れかえて新たなる対決に臨みたいところだ。


その他の試合結果

1勝5敗 光州 3-6 新京 5勝1敗

3勝3敗 奉天 1-2 ハルビン 3勝3敗

4勝2敗 チチハル 8-2 平壌 1勝5敗

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