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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
26/188

青い瞳のハンター フローデセン見参

[ホーム]大連

8星渡(4-1)

7ノーリー(3-0)-高遼二

6棚橋(3-1)

9林(3-2)

5パウロ(4-2)

3柳中平(3-0)

4近堂(4-1)-森茂

2清水(4-1)

1フローデセン(4-0)


[ビジター]光州

3大深

6真野

8マイヤー

9小金井

4白知秋

7朴芳一

5久保岡

2山村

1陳良文


光 000 000 000 0 ●陳良文-李吉男-山西-李敏登-山下 3敗

大 100 050 00- 6 ○フローデセン(9) 3勝


 北欧をルーツに持つ金髪碧眼の大男が初登板でいきなり完封勝利の鮮烈デビューを飾った。その男、ウィル・フローデセンは身長2mを超える恵まれた体格を誇るが、その堂々たる外見に反して本日は最速145キロと意外に落ち着いたピッチングスタイルである。これなら打てるだろうとすら思えてくる。しかし、そう思った時点ですでに彼の術中にはまっているのだ。


 手元で小さく変化するボールで芯を外す投球こそがフローデセンの真骨頂だ。この日彼が奪った27のアウトのうち、三振によるアウトは4つ。それに対して内野ゴロによるアウトは18を数えた。光州打線はヒットこそ出るものの次の打者は内野ゴロでダブルプレーという展開が3度あるなど、フローデセンの軟投を捕らえきれないうちに完封を許してしまった。


 一方の大連打線は初回、二死から棚橋が四球を選び出塁すると、林がライトフェンス直撃のタイムリー2ベースを放ち、昨日と同じく初回から先制点を入れた。それからはフローデセン、陳良文の両先発がランナーを出すものの失点は許さない投球を続けた。陳も今日はコントロールが冴えており、この時点ではまだ勝敗の行方はどちらとも言えなかった。


 5回、大連は一死後星渡が陳のスライダーを捕らえてライトポール際にホームラン。ここで陳の緊張の糸が切れたかのように投球が乱れた。ノーリー四球、棚橋レフト前ヒットで一二塁から林が一塁線を破るタイムリーヒット。パウロもレフト前にタイムリーを放ち陳をノックアウト。続いて登板した李吉男は柳を三振にしとめるも近堂がセンターオーバーのタイムリー3ベースで5対0に。打者一巡の猛攻で試合は決まった。後はフローデセンがテンポよいピッチングで内野ゴロを量産するだけだった。


 これで大連は開幕3連勝。目標とする優勝に向けてこれ以上ない好スタートを切った。大日本リーグの日程では、月曜日は基本的に移動日となっている。今週もそうで、明日は試合なく大連選手団は朝鮮半島に移動し、次節の対戦相手の本拠地である開城へ向かう。開城での3連戦が終わると今度は移動日なく新京に移動して3連戦を行う。月曜休みで3連戦を週に2回。これが基本的な日程となる。大陸を本拠地とする球団は列島の球団よりも移動距離が長く、体力的にもかなり消耗が激しい。それだけに選手の体調管理や層の厚さが問われる事になる。


 開幕カードが終了したところで他球団の成績を見ると、大連と同じく3連勝しているのは新京。ここも目標に掲げている優勝に向けて視界良好か。3連敗を食らった平壌はこれから体勢を整えたい。前年優勝の奉天は開城に勝ち越し。また、老将高鉄龍の率いるチチハルがハルビンに勝ち越した。チチハルは昨年顕著な躍進を遂げたチームで、今年も何かやらかしそうな臭いがプンプンと漂ってくる。


その他の試合結果

2勝1敗 奉天 7-5 開城 1勝2敗

1勝2敗 ハルビン 9-2 チチハル 2勝1敗

3勝 新京 6-4 平壌 3敗

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