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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
シーズン150試合
24/188

開幕 大連艦隊好発進

[ホーム]大連

8星渡(3-1)

7ノーリー(4-0)

6棚橋(4-1)

9林(3-2)

5パウロ(4-1)

3柳中平(3-1)

4近堂(3-0)

2清水(3-0)

1瑞穂(2-0)-古池(1-0)-野藤-小松原-比山


[ビジター]光州

3大深

6真野

8マイヤー

9小金井

4白知秋

7朴芳一

5久保岡

2山村

1奥森


光 000 001 000 1 ●奥森-李吉男-ラスター-李敏登

大 000 201 10- 4 ○瑞穂(6-1)-野藤(1)-小松原(1)-S比山(1)


 日本列島は未曾有の大災害に見舞われた影響で開幕延期となったが大陸では通常通り4月1日の開幕日を迎えた。本日から交流戦を含めて全150試合のシーズンが始まる。150試合を消化して各リーグの上位3チームがプレーオフに出場し、リーグ王者を決める。そしてリーグ王者同士が日本一を賭けて対決する大日本シリーズが開催されるのは11月。4月から11月までの足掛け8ヶ月に及ぶ長い戦いは今ここに始まった。28チームの中から勝利の栄冠を手にするのは果たしてどこになるのか。


 開幕戦は前年4位で今季はプレーオフ進出を目指す大連と、前年最下位に沈み今季は捲土重来を期す光州が対決。光州の開幕投手は若きエース奥森、そして大連は今季京城から移籍してきたばかりの瑞穂を開幕投手に起用するというサプライズ采配をいきなり繰り出してきた。その瑞穂が監督の期待に応える快投を見せた。


 1回、瑞穂は先頭打者の大深、真野を連続三振に打ち取り、マイヤーには粘られたもののショートゴロに仕留めた。それから4回までは1人の走者も出さず。とにかくコントロールが冴え渡っていた。際どいコースでも勇気を持って投げており、よほど自信をつけてきたのだろう。


 好投の瑞穂を援護したい大連打線が火を噴いたのは4回。先頭の棚橋が三遊間を破る痛烈なヒットで出塁。これが大連の今季初ヒットとなる。続く林が四球を選び一二塁。パウロ三振で一死後、柳中平がカウント2-0(ボールを先に表記)から投じられた甘く入ったスライダーを痛打。右中間を破るタイムリー2ベースで2点を先制した。


 6回には先頭の林がセンターオーバーの3ベースヒットで早速追加点のチャンスを作るとパウロがレフト前にタイムリーヒットで1点追加。柳、近堂と相次いで四球で出塁しノーアウト満塁になったところで奥森は降板し、李吉男がマウンドに登った。3年目の奥森は気持ちの入ったピッチングを見せたが、若さゆえの気負いもあったか全体的にコントロールが不安定で5四球と実力を発揮しきれずに終わった。李吉男は清水をサードゴロ本塁封殺からファーストに転送してのダブルプレー、瑞穂の代打古池をライトフライでピンチをしのいだがすでに十分な差がついていた。


 7回には光州の新外国人投手ラスターが登板したが、先頭打者の星渡がカウント3-1から投じられた外角よりのストレートをライトスタンド最前列に弾丸ライナーで叩き込み4点目をあげた。光州は6回に小金井の二塁打から白知秋の送りバントと朴芳一の犠牲フライで1点を返すのが精一杯。7回からは大連の継投策の前に無安打でゲームセット。


 大連のいい部分ばかりが出た開幕戦となった。特に瑞穂や比山の堂々としたピッチングは昨年までには見られないものだった。また、星渡は昨年より明らかに打球の力強さが増しておりますます面白い存在となった。一方光州は淡白な攻めで初の開幕投手となった奥森を見殺しにしてしまった。新外国人ラスターは152キロを計測したがいきなり被弾。コントロールも不安定で常にボール先行のピッチングだった。このままでは今季も苦しい戦いとなりそうだ。


その他の試合結果

1勝 奉天 2-1 開城 1敗

1敗 ハルビン 2-6 チチハル 1勝

1勝 新京 7-0 平壌 1敗

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