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大日本リーグ-大連戦記-  作者: 沼田政信
プレーオフ
188/188

後書き

 4月1日から11月13日に至るまでほぼ1日1章書き連ねてきたがとりあえず1週間ほど前に完結できた。内容はともかく、今はやりきったという気分だけが残っている。


 後書きは現実における日本シリーズ終了と同時に投稿、と考えてたがなかなか終わらないのでプール期間が無駄に長くなってしまった。それに前回からも随分時間が経ってしまい、もう読んでる人とかいないのではとか危惧している。


 日本シリーズをまとめると、中日はらしさを出したものの最後は地力のあるほうが順当に制したという事になるか。金があるほうが勝つというソフトバンクの巨人路線はどこまで持続できるか知らないが、とりあえずお疲れ様でした。


 このお話について、構想を練ったのは今年の最初頃だったと記憶している。暇つぶしで都市対抗の優勝チームをwikipediaで見てる時に「もし大日本帝国が今でも続いてたら朝鮮半島や満洲にもプロ野球チームできてたのかな」と思いついたのがきっかけだった。


 それが具体的な形になったのは2月の初め頃だった。春季キャンプを見るためにフェリーを使って宮崎へ行ったのだが、移動に一晩かかるので暇な時間も多い。その合間にざっくりとしたチーム名や選手名を考えて過ごした。そこで考えた選手名はほとんど失われているが、ぼんやりとした空想だけでなく具体的な形になったという点が重要だ。


 それ以上の設定、例えばチーム名は帰ってきてから考えた。まず日本に実在する12球団を基本線に、現実においては4球団存在する台湾からはその半分でいいだろうということで14球団。朝鮮半島と満洲国で同じだけ作ろうという事で28球団と決めた。メジャーリーグ30球団より少し小さくというのもあったはず。


 チーム名は企業名を排除して地名でと決めたが、その場合ジャイアンツとスワローズが東京で被るので、スワローズには私の住んでいる京都に移転していただくことにした。実際京都に球団が出来たらいいのにとはたまに思ったりする。その他のチームの本拠地はそれなりの規模の都市に散らすようにした。なお安東は満洲と朝鮮半島の境目という事で選出した。今は丹東だが。


 序章にもあるように、21世紀においても大日本帝国や満洲国が存続している世界なので地名に関しても当時のものを採用した。具体的には奉天や新京や安東、それに京城。他は一発で変換できるのに京城は変換できないので少し面倒でした。


 日本の領土に関しては朝鮮半島は統一した状態で独立、台湾はまだ日本領土だった気がする。つまり日本、統一朝鮮、満洲の三国が参加するインターナショナルリーグなのだ。とりあえず日本人、朝鮮人、台湾人、満洲人は平等に外国人枠適用外である。その上で外国人枠は現実に準拠している。


 チームの名称やモデルについて。日本列島の12球団は京都以外実在のプロ野球チームがモデル。戦争がなければ戦中の球団解散はなかったのではという仮定と現実にある12球団の配置を強引につなぎ合わせているので妙な部分も多いが。現実では最大級のエクスパンションだった1950年に誕生した球団は無視されている。


 新京、釜山、吉林はかつては使用されていたものの現在使われていない名称から選んだ。また、開城、光州、元山、大田は国民リーグより名称を選出。京城、台北はそれぞれのリーグに加盟し、その地を本拠地にする実在チームから採った。それと台南はライブdアのアレを流用した。それ以外が架空の名称となっている。現実に存在するとかそういうのは別にして。


 京都、平壌、大連、奉天、ハルビン、チチハル、安東。とりあえず下手にモデルがあるチームを主役に置くと動かしにくくなったりするので主役チームはこの7球団の中からにしようと決めた。「どうせ主役にするなら日本列島以外の球団がいいだろう」という事で京都は真っ先に脱落。現実のイメージがご覧の通りなので何となく平壌も脱落。ハルビンとチチハル、それに安東は地名が主役っぽくないので脱落。残ったのは大連か奉天ととなった。どちらも大都市だし変換も一発。この2球団がメインとなると確信した。


 奉天は当初ユンカースという名称だった。wikipediaで軽く調べていたら荷札の画像があったので。大連バトルシップスという名前はすんなり決まっていたので、大連の海に対して奉天は空というイメージも加えた。しかし実在する企業の名前をそのまま使うのはどうかと考えたので名称をラビッツに変更。空が駄目なら陸のイメージの電車にしようと考えて、rapid trainのrapidをrabbitと意図的に間違えた上でチーム名にした、様な気がする。


 まあ、こんな不安定な名称のチームを主役にするのも何だし、という事で大連が主役に決定した。大連出身とか旅行に行ったとかそういう特別な意図は決してない。バトルシップスとかある意味直球勝負の軍隊バリバリなネーミングだが、軍に対するイメージは現実の日本と架空の満洲では違うだろうということでとりあえず納得してみせた。


 次に手をつけたのは所属選手。しかしこれに関しては事前に考えていた選手名があったので、それを流用することですんなりと決まった。そもそも色々と名前を考えてそれがどんな選手だろうかと空想するのは私が年齢1桁の頃、20世紀からやっていた事なのでストックはかなり大量にあるし、他の話でもたまに流用している。


 大量のストックから採用したのは一番新しいものだった。そのストック、元々は現実と同じ日本国内のみの12球団だったが、一部選手名を強引に大陸風に変更して帳尻を合わせた。名字は大陸風でも名前は日本風という選手は大抵それだが、根本的に改変した選手も多い。


 12球団中8球団を主役チームたる大連も含めた同じ中央リーグ大陸カンファレンスに採用。残り4球団は対抗戦でぶつかる京城、元山、安東、台北に流用した。それに実在の日本列島12球団は実在の選手がモデルとしたのだがが、これは失敗だった。


 現実のあれやこれやと戦わせると勝たせるにしても負かすにしても気恥ずかしく、選手は全てオリジナルでやるべきだったと後悔している。残った台南、釜山、大田、吉林の4球団は、オールスターに出場した選手しか所属選手が確定していない。


 そして日程を決めにかかった。8球団のカンファレンスと6球団のカンファレンスがあるが、試合数は同じでないといけない。まず確定しているのは交流戦(同一リーグ同士の対決)は6球団と8球団が4試合ずつで、カンファレンスによって試合数に差がつく。32試合と24試合というように。


 続いて対抗戦(別リーグ同士の対決)の28試合。これを足すと6球団のカンファレンスは60試合、8球団のカンファレンスは52試合は確定となる。その上で140~160試合ぐらいに治めるにはと色々計算してみたところ、150試合にするのが良さそうという結論に至った。


 大連は通常のリーグ戦において1チームと14試合×7球団分の98試合と戦う事になる。まずはその中から12×7の84試合を日本式の3連戦を続ける方式に当てはめて試合を組んだ。残り2×7の14試合は月曜日が祝日の場合は入れ込んだり、日程がゆるいところを埋めたりで消費した。


 残ったのは10試合なので、これはプロ野球チームのない地域で試合を行い野球の振興を図ろうという意図に基づいた「○○シリーズ」という設定にした。なお、この制度を思いついたのはシーズン途中で、本当はもっとゆるゆるな日程だった。11月の終わりにシリーズ終了とか、これは巻いて正解だった。


 後は試合を回していくのみ。その方法は別の機会で説明するとして、試合を重ねるうちにメインの予定だった選手がイマイチに見えてきたり、どうでもいい脇役のはずが存在感を持ってきたり、当初の予定とは違う形になっていった。


 あえてそうしているというのではなく勝手にそういう方向に動いていったというか、全部自分で決めているはずなのに自分以外の何かが突き動かしてきたような今までにない感覚を多少味わうことが出来た。その辺は個別寸評で多少触れられているが、まあ難しくも楽しい日々だったとは言えます。でも大変なので来年はやらない。


 これからは試合を回していく内に考えた細かい設定や人物像、場合によってはちょっとしたSSのようなものを公開する「バトルシップス四方山話(仮題)」などを考えている。ここまで読んでくれた読者が存在するのか不明ですが、もしいたとしたらこんな暇つぶしの駄文に付き合ってくださり本当にありがとうございました。とりあえずここで終了。ではまた。


2011年11月20日 午後10時10分 日本シリーズの顛末を見届けて

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